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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第231話 なにかがいる

 セイたちはエヴァのピストル・バイクでウエストエンドへむかうことになった。


 後部座席にネルとスピロ、そしてバイクの下にセイがつかまることで、ショートカットを狙うアイディアだった。


「エヴァ、ぼくがつかまっても飛べるのかい?」

 セイはさすがに心配になって尋ねた。

「セイさん、これまでネルさんとスピロさんを乗せて飛んだことがあります。あとひとり増えたくらい……」

「わかった。ぼくも自分のからだ分くらいは、自分でなんとかしてみせるよ」

「ご無理されないでください、セイさん。たぶん、着いた先には別のモンスターが待ち構えていると思います。そいつら向けに力を残しておいてくださいな」


 上空から臨むロンドンの街は、たしかに壮観だった。


 これが真夜中でなければ、もっと見ごたえがあっただろう。だが、街灯に薄ぼんやりと浮かびあがるイーストエンド、そしてその向こうに見えるテムズ川は、それでも絵になる光景だった。

 バイクが旋回しはじめると、すこしむこうにロンドン塔と、建造中のロンドンブリッジが見えてきた。


「第三の事件現場の近くには、ずいぶんひとがいたけど、さすがにウエストエンドは、夜中にうろついている人はすくないね」

「セイ様、それはそうです。このあたりは金融街シティです。歓楽街のイーストエンドとは街の性格がまるっきりちがいます」


「降ります」

 エヴァがそう言ってから、高度をさげはじめた。が、ネルががふいに叫んだ。


「あそこにあやしいひとがいるわ!」


 セイはおどろいて、反射的に上をみあげた。3人ものサイコ・ダイバーズが雁首をそろえて、あたりを警戒していたのに、まさかネルが最初に異変を感じとるとは思いもしなかった。

 セイはネルが指をさしている方向を確認すると、そちらに視線をむけた。

 

 だが、あやしい動きをしているものは見当たらなかった。

「ネルさん、どこだい? ぼくには見えない」

「ああん、みうしなったわ!」


「でも、なにかおかしいです……」

 スピロがネルがぼそっと言った。

「スピロ、なにがおかしいんだい?」

「ネル様が指した方向ではなく、わたくしたちが降りようとしている下のほうです」

 セイはすぐに真下を覗き見た。

 スピロがなにを言わんとしているか、すぐにわかった。真っ暗な空間だけが見えているはずなのに、なにか、あたりの淡い光を薄ぼんやり反射しているようにみえる場所がある。


「うん。おかしい。なにかいる」

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