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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第209話 マリア&エヴァ 大型ドラゴン討伐1

 ドラゴンは執拗なまでにマリアとエヴァのピストル・バイクを追いまわしてきていた。


「エヴァ、そこの細い路地に逃げ込め!」

「ええ」

 マリアが下の路地を指し示すと、エヴァが機首を引き下げ、真下へ滑空していった。そこは3階建ての貸間長屋に両側を囲まれた、ひときわ狭い路地で、バイクなら余裕で通れるが、とてもドラゴンの巨体は通れそうもなかった。

「ここなら、しばらくは時間稼ぎができそうです」

 エヴァは安堵したように、おおきく息をはきだしながら言った。


 ドーーーン!


 背後から地面を揺るがすような振動がして土煙があがった。

 ドラゴンだった。

 ドラゴンが垣間長屋の三階部分をなぎ払いながら、こちらへ突進してきていた。レンガ壁をはね上げながら、狭い路地にからだをねじ込んでくる。


「エヴァ、逃げろ!」

 エヴァがスロットルをひねると、路地の路面すれすれを滑るように直進した。背後からドカン、ドカンとレンガが崩れる、重々しい音が近づいてくる。

「まずい。上にあがれ。ここで火を吐かれたら……」

 マリアがうしろをふりむくと、ドラゴンの口元から火種がちろっとのぞいた。まさにいま炎が吐き出されようとしていた。

「火がくるぞ!」

 マリアはエヴァのからだにしがみつく。

 ドラゴンの口から火が放たれた瞬間、エヴァはバイクを横道のほうへクッと方向転換した。

 路地を直進していくドラゴンの炎——

 あたりのものを一気になめつくして、燃やしていく。

 間一髪で炎の直撃を避けられたが、マリアの髪の毛はすこし焦げていた。

「エヴァ! オレの髪の毛が焦げたぞ! どうしてくれる?」

「ドラゴンを『激おこ』にしたのはマリアさんでしょう」

 マリアは焦げた髪の毛の先端を指でいじりながら、怒りを爆発させた。

「あーー、オレがあいつを怒らせたぁ?」

「マリアさん、あなたが仕留めそこねて、手負いにしたからですよ!」


「そうか! んじゃあ、あいつを仕留めりゃいいってことだな」

「ええ、倒すしかありません」

「わかった。エヴァ、オレを建物の屋根の上に運んでくれ」

「なにをするつもりです?」

「あいつが追いかけてくるなら都合がいい。必殺技で倒してやる」


「必殺技? マリアさん、そんなものありました?」


「ああ、オレのじゃねぇ。オレが大嫌いなヤツの必殺技だ」



 マリアは貸間長屋の屋根の上に降りたつと、エヴァに言った。

「オレのうしろで待機しろ。それから『銛撃ち銃』を呼びだしてくれ」

「銛撃ち銃? まぁ呼びだせますけど、どうするんです?」

 そう言いながら、エヴァが手のひらを下にむけると、地面から銛撃ち銃がせりあがってきた。


「銛を撃ち込んでくれりゃ、その先についたロープにしがみついてやるよ。肉弾戦さ」


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