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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第196話 第2の事件 アニー・チャップマン包囲網

 スピロは手際よく、各容疑者へ文士たちをわりふった。


 前回、フロイトとブラム・ストーカーがゾーイと一緒に尾行した、ウィリアム・シッカートには、スティーブンソンとマシュー・バリーに——


 コナン・ドイルとマシュー・バリーがマリアと共に張り込みをした、ポーランド人の理髪外科医アーロン・コスミンスキーは、ワイルドとモリ・リンタロウに——


 そして、今回ピーターが見つけてきてくれた、あらたな容疑者、のちの毒殺魔、理髪師セヴェリン・クロソフスキーは、コナン・ドイルとフロイトと、そしてH・G・ウェルズ、にお願いした。


 アニー・チャップマンを尾行するのは、サイコ・ダイバーズ全員、そしてネルだった。


 割り当てられた容疑者の元へ、文士連中が去っていくと、さっそくマリアがケチをつけてきた。

「ずいぶん極端なシフトだな」

「まぁ、しかたがありません。あの方々の安全が第一優先になったのですから」

「そうだよ、マリア。元々ぼくらだけでやるべきミッションに、あのひとたちを巻込んだようなものだから……」

「は、勝手に参加してきたのは、やつらのほうだろうに」

「マリアさん、そうは言ってもあの方々は逃げださずに、協力をしようとはしてくれているんですよ」

 エヴァがマリアをたしなめたが、マリアは鼻をならした。

「ふん。どうせ、今回限りだろうぜ」

「まぁ、そうかもしれねぇが、マリアさん、このあとの事件にも参加しろってぇいうのは、ちと殺生なんじゃないかねぇ」

「なんか、オレが全部わるいみたいに聞こえるぞ、ゾーイ」

「いや、そんなつもりはありゃしないよぉ」

「ですが、マリア様のおっしゃるように、今回であの方々にはお引き取り願ったほうがよいかもしれませんねぇ」

「スピロ、そりゃ、どういうこった」


「ブラム・ストーカー様が狙われたということは、その次にはまただれかが狙われるということです」

「ん、まぁ、可能性はあるわな」


「わたくしにはそれが誰かなんとなくわかっています」

「どういうことなんだい、スピロ。次に襲われるひとがわかっているって!」

 セイはおどろいて、おおきな声をあげた。


「セイ様。この第二の事件、アニー・チャップマン嬢の事件を阻止できさえすれば、すべて解決ですわ。まずはそちらに注力いたしましょう」

 セイはそれ以上問いただすのをやめた。たしかにスピロの言う通りだった。


 ここで切り裂きジャックを捕まえられれば、それ以降の犠牲は考えなくてすむ。


「わかった。それで、どこでアニー・チャップマンを張り込めばいいんだい」

「はい。ハンバリー・ストリートです」

 スピロの返事に、それまで黙っていたネルが声をあげた。


「なによ、ホワイトチャペルじゃないの? ハンバリー・ストリートって、スピタルフィールズ青果卸売市場の近くじゃないの」


「ええ、第一の殺人事件の現場からは1キロほど離れています。ひとまずそこへ急ぐことといたしましょう」


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スピタルフィールズ市場の位置

挿絵(By みてみん)


第2の現場の位置

挿絵(By みてみん)

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