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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第195話 スピロ。いらねぇーよ、こんな弱虫ども

「みなさん、感情的に即断するのは、どうかお待ちいただけませんか」


 そのネガティブな意見の流れを断ちきったのは、森・林太郎だった。

「小生は軍の帰国命令をなんとか引き延ばしてまでして、この件に参加しているのですよ。すでに相応のリスクをおかしているのです。みなさまにこのように簡単に引き下がられては、このあとの作戦もきっとうまくいかない。もう一度考え直していただけますか?」


「さぁ、アーサー。きみからもみんなに言ってやってくれ」

 リンタロウにそう促されたコナン・ドイルは、あきらかにとまどっていた。


「あ、いえ…… あたしもね、ぶっちゃけて言えば、さっさとこんな事件ほっぽって帰りたいですよ。妻をひとりにしてるんですからね…… ですから、その……」



「わかりました」

 スピロが言った。

「ですが、アニー・チャップマン嬢の事件は本日に迫っております。本日は最低限のご協力でけっこうですので、お手伝いただけますか?」


「おい、スピロ。いらねぇーよ、こんな弱虫ども」

「マリア様、そうはいかないのです。ネル様をお守りするためには、切り裂きジャックを捕まえるしかないのですから。どうしても人手は多いにこしたことはございません」


「スピロ、でもみなさんを危険な目にあわせるわけにはいかないよ」

「はい、セイ様。ですから、皆様方にはホワイトチャペルから離れた場所にすむ容疑者を複数で見張ってもらうことにします」


「ーーってぇことは、お姉さま。アニー・チャップマンさんの尾行は……」

「はい、ゾーイ。わたくしたちだけでおこないましょう。みなさまそれで良いですね?」


「はん。乗りかかった船みたいなモンだからな……」

 スティーブンソンは怒ったように言った。が、すこしは申し訳ないと思っているのか、スピロの顔はみれずにいる。

「安全圏で張り込みをするくらいなら手伝ってやろう」


「はい、スティーブンソン様。ご協力ありがとうございます」



「スピロ、みんなには具体的にどうしてもらうつもりだい?」

 セイは作戦変更を余儀なくされたスピロの立場を気づかった。

「はい。みなさまには各容疑者に張り込みをしていただき、犯行時間に在宅であったかどうかだけ確認してください。もし容疑者が外出しても、そのあとは追う必要はありません。あとでそれだけ報告していただければけっこうです」


「そうやって容疑者でないものを振るい落とすってこと?」


「ええ、消去法ですが容疑者がひとりでも減れば、それだけでもおおきく役立つことでしょう……」



「今回も切り裂きジャックの特定に失敗する可能性を考えればとくに……」

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