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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第168話 ブラム・ストーカーのフーダニット3

「しかし、かくたる動機も目的もなくひとを殺すような人種がいるとは、考えられないのだが……」

 マシュー・バリーが首をひねった。

「ええ、マシュー・バリー様。ですからこの手の殺人は厄介なのです」


「解決がいちばん困難な事件というのは、目的のない犯罪なんです」【海軍条約文書より】


「それにしてもなんで未来は、そんな切裂きジャックジャック・ザ・リッパーのようなシリアル・キラーが、野放しになっているんだろうね」

 マシュー・バリーが頭をひねった。


「それは戦争のせいだと言われています」


「シリアル・キラーと呼ばれる連続殺人犯は、今から約100年後の、1970年から1999年に、とくにアメリカで激増していて、犯罪歴史学者によって『シリアルキラーの黄金期』と名付けられているのです」

「黄金期ですか……」

「1970年からアメリカはずっと戦争をおこなっていて、その帰還兵がPTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれる心の外傷を負ったことで、本人や家族にトラウマを生じることになるのです。通常のひとが経験しえない強烈な『トラウマ』を植えつけられた帰還兵、それら帰還兵の父や兄弟による虐待など、負の連鎖が起きたからだと言われています」


「100年後はずいぶん、不遇な時代になるのだね」

「一説によると、この産業革命がおきた19世紀後半、皆様方が触れる一年分の情報量は、17世紀頃のイギリス人の一生分と同等と言われています。ですが、その一生分の情報は、わたしたちのいる21世紀では一日分と同等と言うことです。産業革命の時期頃から、人間は情報量を処理できなくなり、『ストレス』と呼ばれる『精神疲労』に常に晒されるようになったのかもしれません」

「おそろしいほどの情報量だね。それは異常者が生まれてもしかたがないと思えるよ」

「もちろんほとんどの場合は先ほどのように、戦争の犠牲者なのですが……」


「おおきなショックを受けたことで、連続殺人をおかすようになったというのなら……」

 オスカー・ワイルドがためらうように言った。


「人格がふたつに分裂した犯人、というのは考えられないだろうか?。スティーブンソン氏の作品『ジキル博士とハイド氏』のような」

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