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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第159話 ザ・ウーマンズ・ワールド編集部で反省会

 セイは落ち込んでいた。

 あれだけの大立ち回りをしながら、犯人の特定に失敗したことが悔しかった。


「はん、大暴れできたから、いいじゃねぇか」

 しょげてるセイをみて、マリアはそう言った。スピロも「次の第2の事件の参考になりました」とやけに前向きにとらえていて、ますますセイの気分は滅入るばかりだった。

 ゾーイやエヴァだったら、すこしは気持ちがわかちあえるかと思って声をかけたが、「あたいは活躍の場を与えられて、満足だよ」とか「途中で力をうしなわなかったのは、一歩前進ですわ」とたしなめられるような口調で言い返された。



 次の日の昼、スピロの提案でオスカーワイルドが編集長をつとめる「ザ・ウーマンズ・ワールド」誌の社屋へむかうことになった。あの借間では全員で話しあうには手狭だったので、編集部の一室を借りることにしたのだった。



「ザ・ウーマンズ・ワールド」誌を発刊する『カッセル&カンパニー』は、国際的に出版業を展開する、フランスの『ラガルデールグループ(日本では毎号集めて商品を完成させる「アシェット・コレクションズ・ジャパン」社を展開している)』に属しており、テムズ川沿いに社屋をかまえていた。

 最寄りの駅は「ブラックフライアーズ駅」で、東側には金融街「シティ」があり、4〜500メートル離れたところには、「セントポール大聖堂」や「王立裁判所」などがあり、ウエストエンドでも一等地、と言ってよかった。

 

 あこがれの雑誌の編集部を見られると、大はしゃぎしていたネルを、編集部のスタッフに預けると、セイたちはワイルドの用意した会議室のほうにむかった。その部屋は窓からテムズ川が一望できる、見晴らしのいい部屋で、10人以上テーブルを囲んでも、けっして、狭さを感じることはないほど広かった。

 すでにほかの面々はそろっていて、着座したままセイたちを出迎えた。

 

「そんなに活躍してねぇのに、みんな、疲れた顔してンな」


 マリアが文士たちの顔を見回して言った。

 たしかにセイの目からみても、みな疲れきった顔をしているように感じた。だれかが抗議の声をあげるかと思ったが、挑発に乗るものはいなかった。

「マリアさん。そんな嫌みを言うもんじゃないよ。みんな早朝まで駆けまわっていたんだからさぁ」

「そうですわ。未来人のわたしたち……、とくにマリアさんと比べるのはかわいそうですわ」


 ゾーイとエヴァがやんわりとマリアをたしなめた。

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