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ぼくらは前世の記憶にダイブして、世界の歴史を書き換える 〜サイコ・ダイバーズ 〜  作者: 多比良栄一
ダイブ6 切り裂きジャックの巻 〜 コナン・ドイル編 〜
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第118話 ふたたびイーストエンドへ

 パーティーの翌日、セイたちはスピロの進言にしたがって、イーストエンドにいくことになった。

 セイはその目的をはかりかねた。


「スピロ、イーストエンドって、殺されたマーサって人の犯行現場を見にいくのかい?」

「いいえ、セイ様。いまさら終った事件に注力してもしかたありませんわ。それは警察におまかせしましょう。わたくしたちはもっと先手をうたねばなりません」


「先手?。先手っちゃあどういうことだ?」

 マリアがいぶかしげな様子で尋ねる。


「マリア様、この悪魔はわたくしたちの予想以上のスピードで、犯行の日時をどんどん早めています。時系列こそただしいですが、すでに10日以上もはやく最初の事件が起きています。次の事件も本来の8月の末頃ではなく、もっと早まる可能性が高いでしょう」


「なるほど。先に次の犠牲者を探しておこうということですね……」

 エヴァは次になにをすべきか察したようだった。

「今回のミッション、切り裂きジャックに最後まで犯行を遂行させきれば、悪魔の勝ち、おこなわせなければわたしたちの勝ち。だから遂行のためなら悪魔はあらゆることをしかけてくる。前回のように……」


「じゃあ、悪魔はぼくらに邪魔をさせないために、日時を早めてくるってことなんだね」

「ええ、セイ様。わたくしたちに力をふるわせないために、ジャックを操って一気に犯行を終わらせようとするでしょうね」


「そうなっちまったら、またあたいらの負けっていうわけかい」

 ゾーイが不安を口にした。


「そうですよ。ゾーイ!」

 スピロがつよい口調で叱咤(しった)した。

「しかも今回がおそらく最後のチャレンジになるので、前回のようにリベンジすることは難しいのです」

 こころなしか、ゾーイの表情がさらに沈み込んだように感じられた。セイはあわててスピロに尋ねた。

「じゃ、じゃあ、スピロ。すぐに探しに行こうよ。その次の犠牲者の……」


「はい。まずはメアリー・アン・ニコルズ様を探す必要があります。そして彼女が襲われる瞬間を取りおさえられるよう、見張らねばなりません」


「お姉さま、ネルさんのように、あたいたちが保護するんじゃダメなのかい」


「ゾーイ、あたりまえです。保護してしまっては、切り裂きジャックによる犯行そのものが見送られてしまいます。それでは犯人を逮捕することができません」


「は、エサは泳がしておくってか。で、スピロ、どうやってそのメアリーってオンナを探す?」

「マリア様。あなたもうすうすわかってらっしゃるでしょ。わたくしたちはすぐれた探偵団をすでに知っているのですよ」

「は、やっぱりそうか。『ニコル・ストリート遊撃隊(イレギュラーズ)』ってわけだな」




「そのとおりです。あのピーターに依頼すれば、すぐさま見つけてくれるでしょう」

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