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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

触手地獄 ~快楽に堕ちたる卜部凛~

作者: 夜霧醒客

真面目に書きました

如何なる聖人が感涙極る説教を行ふとも善人偉人が高尚なる理念を掲げて世界を導うとも稚き頃ハ誰も彼も悪戯を行ひ親兄弟に叱られ大きくなるハ世の道理なり悪戯ハ其の大小問はず實に面白きものにて老若男女硬軟野暮粋乱れ乱れて悪戯をせんとハ人間の性なりやサテお噺ハ読者に馴染みのある卜部凜と申すお節介巫女の一口咄、閑話休題この卜部凜生来有能なる乙女なれど其性質ハ小鬼か天の邪鬼か洒落と悪戯を愛せし気まぐれなる処ありて周囲を振り回す事多し今日も今日とて何をしでかさんと心の内で微笑を浮べている処五右衛門も背負ぬ古き葛籠より出でたる数枚の春画集其中身は云ふまでもなし松茸と鮑の掛合噺やら夜に仕出す四十八手世が世で有れば焼却処分を受けし官能の段々其中に大蛸の巧みなる触手と触れれば壊るるが如き裸体の美女のからみ四天卜部此を見るや生来の悪戯心へ俄に火が付きて、此れは此れは實に良きお笑い草也と懐に入れたる矢立と紙を取出し何やら奇々怪々なる呪術を嘯きながら依代を拵む、フフフ此れでよろしと一人頷けバ運か不運かよたりよたりと訪ね来る一人の少女、凜生きているかしらん開けてくれろとの声に戸に手を架れバ相も変らぬ制服姿の住吉千歳、よくお出でなすつたまあまあ上がらんせと茶を出す菓子出す良き手際なれど帯に挟みたる三枚の御札此れぞ奇しき魑魅魍魎を呼び出す護符とハ露知らず千歳ハ薦められるが儘に茶菓子を口に運びたる

さて千歳今日ハ如なる用事にて参つたのぢやと問ひけれバ千歳イヤ何も用もなけれど衛介の野郎がフラ/\遊びに行つたが為に暇潰しで来たと湯呑を乱暴に扱ひながらさう答ふるに卜部凜黒い笑みを浮かべれバなるほど/\時に千歳ちょいと実験に付き合つてハくれぬか悪いがお主の女友達を数人ばかり呼んで欲しいと懇願すれバ今長兵衛と名も高き女伊達気取りの千歳故へえ面白い話でもあるの等と呟きながら当世流行のえすえぬえすを用ひて友達に呼びかけて見る暫くすると歓奈と飛鳥が暇さうだから来るそうだよと曰く卜部凜其の言葉を聞きていやいや恐れ入谷の鬼子母神助かり襷の仁王様と口でハ返礼を並べ感謝の意を顕せど其の心底ハ厳冬の闇何だ飛鳥かモウ少し胸の大きなさうアヤの乳ならさぞ見応ある事だらうにさりとて好意を無碍には出来ぬぞと凜ハ胸の内を明かさぬまま千歳の隙を伺ひたる処ちょいと凜悪いがテレビ借りるよ家じや件の男と草摺引を演じなきやいけないからねと其の場で横になりて今流行の番組を見始めんヤレ千載一遇なりとお茶を汲むふりをして帯に挟みたる護符を一枚取出せバかしこみかしこみと祝詞を口ずさみ願はくバあの千歳を犯さん触手を求め候と心の中で念じ彼女の広い背中に貼れバ護符ハ忽ち朱の光を発し不気味な躍動を始めたる卜部此れを打ち眺め千歳の奴ハ自ずから女の色気がない品がない胸がないとナイナイ尽くしを自嘲せど彼女の持てる母性や時折魅せる女々しさたるや凡百の女子の敵わぬ所なり此れを高砂殿に献上してやればうまい仕事の一つや二つに有りつけるかしらんなどと浄明正直を理とせし巫女とハ思へぬ欲深ぶりに流石の伊邪那美命も笑ふより他はなかりけり、さて背中に貼りし触手の御札千歳の気づかぬ儘蠢き何時しか紙ハ消へて紋様のみ残りたる其紋様の内側より鶯色の植物性触手が蛙の膚やら山椒魚の襞山芋自然薯零余子の如くぬらり/\と顕れたるこの儘此奴が大きく成りて千歳をガバリと襲ふなバさぞかし面白き事ぢやろと一人クククと笑聲を挙げるや当の千歳ハ背中痒いと中年親父伊達らに角張つた手で自らの背を掻き毟る其の手の馴れた事何時しか右手ハ御札に触れて其の儘触手を削ぎ落とす違和感に気付いたか千歳ハふと起き上がり我手に触れた物を見るなれば成長途中の植物がひっつき虫の如く畳へこびりつく彼女ハ此れを見るや何これひっつき虫にでも触れちまったのかと何事もなかつたかの如く此れを叩潰し億劫千万と前の庭へと投げ棄てん、流石の凜も此れにハ呆るる他も無くやれ千歳の女子力の本性を観たり彼女の其ハ豆腐の卯の花か秋の夜に吹く塵か酷いものぢやと愚痴と未練タラ/\と呟ける

時よ時節は変らうと儘吉良仁吉ハ男ぢやないかと古歌の喩へ日も西山にハ未だ傾かぬけれど少しばかり西へ進んだ頃こんにちはごめんくださいと二つの聲が玄関より響き渡れりハイ何方と問尋ぬれバ先程千歳が連絡を取りし飛鳥と歓奈のご入来、まず奥へと云ひければ歓奈ハ肩から鞄を下ろして嗚呼肩が凝りますねと溜息を吐く此れを聞きたる先客の千歳何爺むさいこと言っているのかしらん私もアンタも高校生だらうと皮肉を云へば最近胸が大きくなつたと見へて良き胸当てがありませぬと悲観的な態度で答へると同時隣に控し飛鳥デカパイめ其の乳もいだろか乳牛ぢやあるまいしと憎にくそうに呟けるが誰一人此れに気付く者は無し、さて女三人寄れば囂しいとハ愉快だネでハなけれども年頃の女が四人揃へば何時しか言葉も話も弾む、耳年増なる飛鳥が学校の噂街の噂最近食べたる洋菓子の話等を口にする度千歳の茶々や野次大向ふ歓奈ハ微笑を浮かべ静かに頷く態なり今が好機でハなからうと凜ハ茶菓子を接待する振りをうまく誤魔化しながら先ずハ歓奈の背に護符を貼る次第かの歓奈の評判ハ町でも噂の小野小町肉付き顔付き品行方正世が世であらば高尾太夫や小糸やら世間の噂を掻攫ふ事なりかの娘が触手に玩ばれヨガり聲等上げた日にハ女の凜でもほの字が頭につくか知らんされど背中に貼りし其の護符ハ経てど暮せど変化が無し、ハテどうしたものかと印を切るや護符の文様消落ちて一羽の白鳩へと変幻せしアレ歓奈アンタ肩に白鳩が止つてるよと千歳が指摘するやあら可愛らしいお客様何処からおいでなされたのでせうと可愛らしく問尋ねれば鳩はクルポと一聲残し何処と共なく消失せりかの光景を目の当たりにせし凜ハ頻り歯軋りギリ/\と清純なる乙女ハ潔白と守護の象徴にて如何なる妖術魔術も効かぬと聞くが歓奈がさうだとは思ひも依らず護符の野郎歓奈の清廉潔白なる態に負けて白鳩に化けて逃げおゝせたなと地団駄を踏めども後の祭り、やれ面倒な後の一枚腹いせ代わりに飛鳥の背中へ押し付けるやかしこみかしこみ天神地祇をと祈りける

此の珍竹林でハ触手どころか蛸も生まれまいと腹の中で小馬鹿にしてみせるや、ああら怪しや飛鳥の背中忽ち光を放つや比較にならぬ程の手際浮かび上がりし紋様と其の隙間より顕れん触手其の触手を見るなれバ先程の千歳の物と比較にならぬ程の代物にて其の姿を喩へるならば触手ハ西洋妖怪クラーケンの如く目は琥珀色に輝きて寒天の如き身体を揺さぶりながら触手と触覚をウヨ/\蠢かしてをりかの触手に囚われた日にハ快楽地獄も免れまいと卜部暗黒微笑を浮かべながら、さてハさてハあの飛鳥とやら見てくれハ合法幼女ぢやが中々色の道の方でハ素養があると見へるサテどの娘を触手の生贄に致さうか面倒だから三人まとめて片付けやうかと思ひを募らす内件の文様忽ち七化け八化け十尺ばかりの触手怪物となりて顕れぬ、ヤ此れはと千歳いきり立つに卜部凜思はず高笑ひ、ヤレ此奴は妾が召喚せし触手なり申訳なけれども之の餌食となりて妾の小遣稼ぎになつてくれといへば短気の千歳うぬ騙したな乙女婆触手狂ひの駄目巫女と啖呵を切りて隠し持つたる擬神器を取出し一撃を試みんが触手器用に攻撃を避けてぶら下がれる触手で千歳を掴む先ず一人とかの触手妖怪が呑み込まんとした矢先飛鳥ハ妖怪の前に顕れヤレ妖怪さん凜ちゃんにお仕置きだと呟けり何無駄なことをと思ふも束の間、かの触手妖怪ハ千歳をフワリと投げ捨てるや凜を目掛けて触手を伸ばしたるヤレ妾は主人やぞお前アチラに絡みつけと口で抗議こそすれど効は無し忽ち触手に四方八方張り巡らされ四足の自由を奪われたりこりやどうした事かと聲を荒げバ一か八かの賭けなれど私の身体を依り代にしていづる物ならば私が主人だよと飛鳥ハ得意顔で答へる千歳と歓奈ハ前に出てサテ卜部凜何故此のやうな悪戯を思いついたかと問ければ以前妾がやられた触手の怖さを汝達にも覚へてほしいが故の避難訓練さと口から出任せに答へれば歓奈ハドス黒い笑みを浮かべつつ其れハ嘘ですね事実を述べねば触手地獄の再来ですよ真を云へば助けない事もありませぬと囁やけり流石の卜部も此れにハ勝てずこの一部始終を録画して高砂殿に売らうといふ次第なり妾も欲しいものがありてと答へれば歓奈と千歳ハ顔を見合わせ此ハ弁護の余地無しと飛鳥に触手へ命令を出すやう告げにける此れを聞きて卜部凜約束違いぢや約束違いぢやと怒りければ流石の飛鳥も目を三角にコンナ悪戯に嵌めようとは不届き千万、触手君かの卜部凜を触手責にせよと声高らかに宣言するや触手ハぬらりと蠢きて凜の身ぐるみを剥ぎにけり、ちょいとお待ちよと凜ハ弁解せども稲妻の如くに襲ひかかりし快楽と類稀なる職種の感度に忽ち酔てアヒィといふより他は無し酷い無駄骨を折らされたものだ罰としてテレビ借りていくよと千歳ハテレビを担ぎ飛鳥ハ机の上に残れる菓子を鞄に入れるや三人振り向きもせずに去りにける

後に残れる卜部凜四方八方五臓六腑八面六臂ありとあらゆる所を弄られ擦られ揉まれ快楽の聲も当に尽き果て到底人に見せられぬ快楽地獄に陥れり丸一晩触手責の末暫く凜ハ蛸や烏賊への恐怖症を煩ひたるハ己の因果自業自得なれど哀れなるハ何も知らぬ高砂衛介、無実の儘に此の変態助平と件の三人に見つかりて袋叩きされるとハ不運の極みなり、不目出度し不目出度し



エロ要素?……知らない子ですね。

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