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TS奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃする。  作者: ときひな
奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃする。
5/50

状況説明とエッチなこと

「んゅ……はっ!」


俺が起きるように命令具に魔力を注ぐと、皐月の目に生気が戻り、寝言のような声を出した後、飛び起きた。

そしてこちらを見るなり、皐月の顔を覗き込んでいた俺の顔面にぱんちをした。

パンチじゃなくてぱんちだった。まったく痛くない。


「お前は!なんで!俺のことをお姫様抱っこで運んだり!こんなスカートなんか履かせたり!あまつさえ人が動けないのをいいことにスカートめくりとか!変態か!俺の親友は変態か!助けに来てくれたと思って嬉しかったのに!お前は!バカなのか!」


ポカポカと俺にぱんちをしながら、文句を言い続ける皐月。

うん、駄々っ子みたいでかわいい。


「で、他に言うことはない訳?」


俺は皐月の文句に聞き飽きたので、次の言葉を促した。

皐月は何回かぱんちをしただけで、ぜーぜーと肩で息をしていた。

この子体力なさすぎやしませんか?しばらく檻の中だったから仕方ないか。


「助けてくれたことは感謝してる……ありがとう」


顔を紅潮させながらそう言った皐月。

うっわー、ツンデレっぽい。めっちゃいいやん。かわいい。俺何回かわいいっていうの?

仕方ないよね、かわいいから。かわいいは正義だって誰かが言ってた。


「で、これはいつ取ってくれんの?」


皐月は、自分の首についた『それ』を触る。

首に巻かれたそれは、ハートのアクセントがついたチョーカーだった。

何を隠そうそのチョーカーこそが、皐月につけられたーー俺が選んでつけたーー奴隷具だった。

奴隷自身がいくら引っ張ったり、外そうとしたりしても、奴隷具は奴隷には外せない。

だから、皐月は俺に早く外せと言いたいのだろうが、


「何勘違いしてるんだ?」

「えっ?」

「俺のバトルフェ……じゃなくて、それ、外す気なんかないけど?」


沈黙。

30秒ぐらいだろうか。体感的にはもっと長かったような気もするが。

長いようで短い沈黙の後、皐月は叫んだ。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


うるさい。あまりにうるさいから、命令具を使いそうになった。

皐月は俺の肩を掴んで揺すり、なんでどうしてと騒ぎ始めた。

うーん、かわいいけど、このままなのはちょっとうざいなぁ。

ぐーらぐーらぐーらぐーら。

あ、体力尽きた。ホント体力ないなぁ。

ぺたりと座る皐月に、俺はこう告げた。


「なぁ、親友。俺はな、いやあの時のことは俺も悪いと思うが、キレてどっか行っちまったお前を1ヶ月の間ずっと探し回ってだな。それで奴隷になってるお前を見つけて、結構な額を使ってお前が誰かに買われる前に俺が、買ってやったんだけど。それを無償で解放しろと?」

「う……ちなみに、幾ら……?」

「金貨30枚」


皐月は青ざめた顔をしていた。

金貨30枚は実際のところめちゃくちゃ大金である。

この辺りで働くと、月給平均は半銀貨3枚ぐらいがいいところだろうか。

体力がなく、盗賊に捕まったところを見るに、戦闘力も無いであろう皐月が稼ぐには難しい金額だ。


「金貨30枚、返してくれたなら、お前を解放してもいい。親友価格で利子も無しだ。ただし、一括でしか受け取らない」


まぁ無理だとわかってるからふっかけてるんだけどな。

皐月はなんかもう、今にも泣きそうだ。誰だ泣かせたやつは。俺か。


「……わかった」


皐月はぐずりながらもそう言った。

よし、言質は取った。


「つーわけで、金返すまでは俺の奴隷な。改めてよろしく、皐月。いや、サツキって言った方がこの世界っぽいのか」

「もうなんでもいいよ……」


想像以上に投げやりに返された。

サツキは隅っこで体育座りして落ち込んでいる。

まぁ、サツキが奴隷なことも納得したから良しとしようか。

あとは気になってることを聞き出そう。


「で、お前今まで何やってたの?流石にその体力であっちこっちには行けないだろ?この街で全然見かけなかったけど」


ギクリと、サツキの肩が震えた。どうやら言いたくないらしい。

答えないなら答えないで俺にも考えがある。

俺は手首の命令具に魔力を注ぐ。


「サツキ。『俺の質問に答えろ』。今までどうやって過ごしてきた?」


サツキのチョーカーが淡く光り、サツキがこちらに振り向き話し出す。


「はい、俺はケイから逃げるようにして、なるべくケイに見つからないようにして、酒場で給仕の仕事をして食いつないでいました」

「へぇ、酒場の給仕って言ってもスカートとか履くんだろ?お前よくできたな」


サツキはそこまで言うと、ハッとしたように手で口を覆った。

バカだなぁ、そんなことしても無意味なのに。

大体の酒場は制服貸出で、女性の制服ならスカートが基本だった。

170cmの大男時代を知っている俺としては、よくそんな真似ができたなと思った。


「はい、初めはそれを着ないと働けないと知って、働くこと自体を諦めましたが、3日で空腹に限界が来て、制服を着て、働きました。」


空腹なら仕方ないよな。

俺はその時、ギルドの仕事を受けて、モンスター狩りをしてたっけ。

飯もモンスターを狩った後の肉を焼いたりしてた気がする。

なるほど、顔を会わせない訳だ。


「へぇ、チート能力使って冒険者をしようとは思わなかったのか?まぁ結果は知ってるけど」

「はい、俺には戦闘に使えるチート能力はなかったです」


ほうほう。まぁ知ってたけど。

そんなチートがあれば、盗賊に捕まらないわな。


「今の言い方だとチート能力自体はあるっぽいな。お前のチート能力ってなんだったんだ?」


するとサツキは、驚きのチート能力を俺に教えた。


「……女子力 (カンスト)」

「えっ?」


ごめん意味がわからない。


「ちょっと、もう一回言って」

「だから!女子力 (カンスト)だよ!」


俺は笑った。大爆笑だった。

だって、あのサツキが。女子力 (カンスト)って。

見た目だけじゃなくて技能も女の子になってた。


「そうか、ぶっ、で、何が出来るの?」


俺は笑いを堪えながらサツキに質問した。


「料理と裁縫とかかな。後は試してないからわからん」

「そうか、あと話し方変わってるな」

「あぁ、言いたくないと思うと無理やり話されて敬語になるんだけど、受け入れたら普通に喋れた」


なるほど、奴隷具は強制させる効果だからか。

必要以上には働かないらしい。

とりあえず聞きたいことは聞けたからもういいか。

俺はさっきの命令を解除する。

窓の外を見た。まだ青空が広がっている。夕飯にはまだ遠い。


「うし、じゃあヤるか」

「は?」


サツキが何言ってんだこいつみたいな顔をした。

何言ってんだこいつは俺のセリフだ。


「は?じゃなくて、奴隷なんだから、ヤらせてもらうだけだけど?」

「何をする気だ!」


ナニをだよ。言わせんな恥ずかしい。

ジタバタと抵抗するサツキを抱え上げ、ベットの上に押し倒す。

サツキはビクッと縮こまっていた。

仕方ないなぁ、もう。俺は命令具に魔力を注ぐ。


「じゃあサツキ、『エッチなこと、しようぜ』?」

「……はい」


ランキング乗っておりました!171位です!(1/8、22:00現在)

感想、評価、ブクマ、閲覧感謝です!


1/13 この回のおまけをノクターンにて公開中です。

『TS奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃ(意味深)する。』で検索して頂ければと思います。

1/22 サツキ過去編投稿に基づき、サツキのセリフを微調整

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☆ 新連載始まりました!☆

『ようじょ・はーと・おんらいん!』

同僚から誘われたそのVRMMOゲームの中で、様々な出会い、友達と遊び、色々なことを経験する。

『自分自身が幼女となって、懐かしのおもちゃや遊具で遊びまわる。子どもの頃の心を取り戻そう!』

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