妄想の親友と親友のぱんつ
奴隷館に戻る前に、新居のための買い物をすることにする。
とりあえずベットは必須だろ。普通に寝るためにも。
え?……いや、やることもヤるけど。
家具全般を扱う店に入り、近くにいた店員に一言。
「ベットを買いたい。キングサイズで」
店員はおどおどした様子で、「少々お待ちください」といって別の店員に相談しに行った。
しばらくすると、店長だろうか。他の店員に比べて偉そうな店員が現れた。
「お客様、キングサイズのベットとなりますと、ご用意に2、3日お時間が必要ですがよろしいでしょうか」
「構わん、がなるべく急いでほしい」
「かしこまりました」
そんな感じに契約書と前金を払って、最後に他の家具も後ほど見に来ると伝え、店を後にした。
他の家具や小物類は皐月と相談して決めたい。
うわぁ、それって新婚みたいじゃね?やばい萌える。
そんでお揃いのマグカップで朝にコーヒーとか飲みたい。
朝起きたら、エプロン姿の皐月が用意してくれてんの。
「おはよう、皐月」
「圭、おはよう。まだ寝ぼけてるの?コーヒー煎れてるから、顔洗って一緒に飲も?」
……うん、いい。めっちゃかわいい。
他はやっぱり皐月と一緒に買いにこよう。
これからの生活に妄想を膨らませつつ、俺は奴隷館に戻っていった。
奴隷館に戻ると、お待ちしておりましたと、奴隷商が立っていた。
俺は案内されるままに、商談をしていた部屋へと向かう。
少し待っていると、奴隷商と、1人の女奴隷だろうか。それに引き連れられて、皐月が入ってきた。
皐月は檻の中にいた時と変わらず、生気のない目をしたままだったが、身なりを整えられ、白い清楚なワンピースを着ていた。選んだやつに敬意を表したい。
髪は長いストレートを下ろしたままだったが、出来ればツインテールとかにして欲しかった。まぁそこまでは言うまい。
俺は今すぐにでも皐月を抱きしめてやりたかったが、そこは冷静に、決して顔には出さないように、奴隷商に告げた。
「うむ、怪我などさせてはいないだろうな」
「ひひ、もちろんでございます」
少し確認したいと告げ、まじまじと皐月を見た。
なにこれめっちゃかわいい。
かわいすぎて死ねる。いや、死ねない。いちゃいちゃするまで死ねない。
ぼぉっとしたままなことを除けば何も問題が無さそうだった。
俺は再び奴隷商の目の前に設置されたソファーに腰掛ける。
「で、このまま引き取っていいのか?」
「いえ、最後に奴隷具をつけるのですがね。何種類かあるので選んでいただこうかと」
そう言った奴隷商が女奴隷に指示を出す。
女奴隷は俺の目の前に、トレイを持ってきた。
その上には、何種類かのアクセサリーの様なものが置いてある。指輪や腕輪など様々だった。
「そちらが奴隷具でございます。どれを選んでも性能は同じでございますが、いかがいたしましょう」
ふむ、ならあまり奴隷というのを主張しすぎないほうがいいか?
少し思案し、1つの奴隷具に目がついた。
ハートマークが添えられた『それ』が1番だと俺の直感が告げる。
「これにする。これをつけてくれ」
「ほほう、流石英雄様はお目が高い」
「まぁな」
ちょっと調子に乗った。
奴隷商がその奴隷具を皐月につける。
俺も渡された腕輪型の命令具をつけた。
とりあえず騒がれるとうるさいので、『大人しくしている』ように命令を出す。
腕の命令具がぽわっと光り、同じように皐月につけている奴隷具も光る。
少し魔力を使った気がするが、問題になるものでもなさそうだ。
「こういう感じなのか。使い方はわかった」
「では、これにて契約は完了でございます」
「ふむ、ありがとう。また機会があればこよう」
「またの来店をお待ちしております」
俺は皐月を抱えて、奴隷館を後にした。
家は手に入っているけれど、まだベットもないので寝られる環境ではない。
そもそも他の家具もないのだから住める環境ではない。
一先ずこの世界に来てからずっと世話になっている宿屋に向かうことに決めた。
皐月は俺の首に腕を回して、ぎゅっと、しがみついている。まだ、『大人しくしていろ』の命令は解いていない。
俺は皐月の背中と膝裏を抱えている。これは命令してさせている。
所謂、お姫様抱っこというやつだ。
そりゃあもう注目を浴びた。
ただでさえ俺は、ドラゴンを倒した英雄だと噂されているのに、そんな俺がこんな美少女を奴隷にして抱えて歩いているのだ。
そりゃあ注目もされる。
だが、悪くない。
俺は終始笑顔でーー周りから見れば気持ち悪いであろうにやけ面でーー宿屋へ向かった。
「おばちゃん、久しぶりだね」
「おんや、あんた、帰ってきてたのかい……ってないんだいその子は?奴隷具が付いているから奴隷なんだろうけど」
「俺がずっと探してた親友さ。奴隷になってたから買った」
宿屋のおばちゃんも呆れた顔だったが、そんなことは俺には関係ない。
いつも借りてる部屋の鍵を借りーーベットが2つの部屋や、2部屋借りることを勧められたが断ってーー宿の一室に入る。
抱えてる皐月を、
「そぉい!」
と優しく、優しくベットの上に寝かせた。
うむ。こうしてみると完全に多人数にヤられた後だ。
横になり、手足がダランとして、目に生気がない。
めっちゃエロいな。
ついでだからワンピースのスカートをめくった。
ぱんつ!ぱんつです!
白いぱんつを穿いていた。穿かされていた?自分で穿こうとはしないよな皐月は。
うむ、白いぱんつにワンポイントの赤い小さいリボンが付いている。
なんだろうか、自分でやったのに、すごくいけないことをした気分だ。でも見ちゃう。悔しい。
そっとスカートを戻した。乙女の秘密をこれ以上覗くのはよくない。
さぁて、堪能した。
そろそろ皐月を起こすか。
俺は命令具に『元に戻る』ように魔力を注いだ。