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TS奴隷になった親友と、俺は今日もいちゃいちゃする。  作者: ときひな
聖女と呼ばれる親友と、俺はもっといちゃいちゃしたい。
35/50

好きな人に選んでもらうって、嬉しいから


リシティア皇国。

アリュウスデルト王国に隣接した国であり、首都を海沿いに構えた国である。

国家としての規模はそこまで大きくはないけれど、歴史ある国なので、発言力は高いのだとか。

とくに、現在の皇女殿下である、アリーシア・リシティア皇女が治めるようになってから、国力を強めているのだとか。


「で、その国の皇女殿下が何のようなんだ?」


ケイが睨むようにエリザさんに聞く。

訝しむ気持ちは分からなくはないけれど、あんまり怖い顔はして欲しくない。


「いえ、単に顔を見せるようにと、それだけですわ」

「いやいや、それだけってことはないだろ」


流石に私もそう思う。

いくらなんでも、一国の主が、女1人ただ会いたいだけってのは、ねぇ?

しかし、エリザさんは何も言わなかった。え……マジで?


「マジで会いたいだけなのか……」

「あそこの姫は有能なのに変わり者でありんすからねぇ」


意外なところから情報がやってきた。


「サファイアは、皇女殿下のことを知っているの?」

「えぇ、えぇ。知ってるでありんす。ドラゴンを飼い慣らす女など、あの姫が初めてでありんすから」


うわぁ、一気に行きたくなくなった。どんな化け物なんだろうか。


「まぁ、ちょっと顔を出したら、後は好きにしていいそうですので、海で遊ぶのもいいんじゃないでしょうか」

「海か……」

「海かぁ……」


海。

お刺身とか食べられるだろうか。醤油がないからそんなに美味しくないかも?

そう考えると現代日本ってすごかったんだなぁ。どこ行っても回転寿しとかあったし。

こっちだと、新鮮なまま魚を運ぶ手段がないから、肉ばっかりなんだよなぁ、オーク肉ばっかりだ。

そんなことを考えていれば、エリザさんが耳打ちしてくる。


「どうぞ、ケイ様と2人きりの時間も作るので、楽しみにしてて下さい」


ボッと顔が赤くなる。

べ、別に2人きりになんて……なりたいけど。

だって好きだし。

孤児院も好きでやってるから、自業自得とも言えるけれど、忙しくてぜんぜんケイと2人きりになれなかったし。

うー、あんまり意識すると、話ししずらくなるじゃない……。

ケイがこっちの顔を覗きながら話しかけてくる。


「サツキ?顔赤いけど、どうした?」

「な、なんでもない!なんでもないから!」


顔が近い!顔が近いから!

心臓がドキドキする。なんか見られるだけで恥ずかしい。


「いや、大丈夫ならいいんだけど」


なんというか、こっちの気も知らないで。

私ばっかり照れて、恥ずかしくて、ドキドキして、バカみたいじゃないか。

あー、あー、なんだってケイのこと好きになったんだか。

好きなものは好きなんだからしょうがないんだけど。


「おねーちゃんおかおまっかっかー!」

「大きな声で言わないでよ、もう……」


ついにはリディアにまでからかわれる始末だ。

みんなにからかわれて、私の顔はどんどん赤くなっていくのだった。


それから次の日。

何故か早速気を使ってくれてーー私としては昨日の今日なので余計なお世話だとしか言えないけれどーーケイと買い物に来ている。


「おねーちゃん!おにーちゃん!はやくー!」


リディアも一緒だけれど。

どうやらこっそりと後をつけてついてきたらしく、すぐに捕まって孤児院に帰そうとしたんだけれど、ぎゃんぎゃんと泣き出してしまう始末なので、どうせだったらと連れてくことにした。

リディアの服、小さくなってきたのが多かったから、ここらで大きめの服を買っておくのもいいかもしれない。荷物持ちケイもいることだしね。

でも、今日の目的はそれじゃなくて、


「ケイ、どうかな」

「うん、似合ってる」

「そればっかり」

「本当のことだからな」


張り合いがないなぁ。

今着て見せたのは、腰にパレオのついたビキニスタイルの水着だ。

せっかく海のあるところに行くし、今は夏だし。

水着を買わない手はないでしょう。せっかくだからかわいいって言ってもらえる方がいい。……なのにどれもかわいいっていうもんだから張り合いがなくて困る。


「リディアのはー?」

「おー、かわいいかわいい」

「えへへへ」


リディアの着ているのは、ピンクのワンピースタイプの水着だ。胸元についた大きなリボンと、腰回りのふりふりのスカートがとてもかわいらしい。

うーん、あれぐらいあざとくかわいいのを選んだほうがいいだろうか。

だけどなぁ。

自分の胸についた塊をぽよぽよと触る。

Dカップあるそれは、ワンピースタイプの水着を着るのにはちょっと邪魔で、ビキニタイプの方が着やすいのだ。

どれがいいかな、選んでいると1つ目に入った。

黄色のビキニ。だけど、ショートパンツとパーカーもセットだ。パーカーは薄黄色で、普段着にも使えそう。

これいいなぁ、と見ていると。


「ん、それ試着してみたらいいんじゃね?」


とケイが言ってきた。

ケイがそこまで言うなら、着てみようかな。

その水着を試着室に持って行って、早速着替えてみる。

着替えたらまず鏡でチェック。谷間とか調整しないとね。……こういうことにも慣れてきちゃったなぁ。

試着室のカーテンを開けてケイを呼ぶ。


「どうかな……」

「……今までので1番かわいい。それがいいと思う」


やった!

心の中でガッツポーズを作る。


「ふーん、そんなに言うなら、これにしよっかな」

「ん?他のがいいなら他のでも」

「これにするんだってば!」


まったく、乙女心がわかんないんだから!

私はその水着とリディアの水着を買って、他の買い物を済ませるべく、足を進めた。


……水着、海で着るの楽しみだな。


いつも感想、評価、ブクマありがとうございます。

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☆ 新連載始まりました!☆

『ようじょ・はーと・おんらいん!』

同僚から誘われたそのVRMMOゲームの中で、様々な出会い、友達と遊び、色々なことを経験する。

『自分自身が幼女となって、懐かしのおもちゃや遊具で遊びまわる。子どもの頃の心を取り戻そう!』

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