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第62話:救助される白馬

敗北し、捕らえられた白蓮と夏侯覇に救いの力がやってくる。


私は油断していた………。


冀州にいる袁紹は朝廷より処罰を申し付けられただけじゃなく、幽州特有の地形に難攻不落として名高い易京城。

これらがある限り奴も迂闊には動けない。そう思っていたが実際は違った。


奴は何の宣戦布告もなしに10万もの大軍で幽州に攻め入って来た。


もちろん私達もすぐに応戦したが損害を一切無視した袁紹軍を前に敗走し、最終的には私達は敗北。幽州牧である私と客将をしていた夏侯覇は捕らえられ、降り注ぐ雨の中、牢に閉じ込められていた。


「……………」

「……………」


牢の中は暗い雰囲気で沈黙していた。対して見張り9人は気が緩んでいるようであり、雑談や居眠りをしながら怠けていた。

本当だったら賊と変わらない程度の実力しかない連中。すぐに始末してやりたいけど武器もない上に捕虜も私達を除いていない。

降伏直後に袁紹は兵や民達をゴミ呼ばわりして、髪にゴミが付いた程度で捕まえた私の仲間達を皆殺しにしていた。

それだけでは飽き足らず、民と一緒に築きあげてきた街を焼き払い、財産や食料を全て強奪していった。


やっていることが賊と何一つ変わらないじゃないか………。


こんな奴等に負けてしまってみんなを死なせてしまった自分が腹ただしい。心でそう感じていると夏侯覇が私の手を重ねて来た。


「公孫瓚……大丈夫か?」

「夏侯覇………」

「あんたはよく戦ったさ。落ち込んだってなにも変わらないぜ」

「それは……そうだけどな……」

「あんたは何一つ間違ってない。民や兵士を殺したのはあんたじゃなく袁紹だ」

「……………」

「あんたがそんな顔をしたらみんなが悲しむぜ。その………うまくは言えないけどみんなあんたを慕って命わ預けたんだ。あんたを誇りに思っても恨んじゃいないって……」

「ほ……本当か?」

「あぁ。それに諦めなきゃ必ず救われるって死んだ爺ちゃんも言ってた。俺の次の役目はあんたを無事に逃がすことだし、だから俺は諦めないぜ。だからあんたも諦めるなよ」

「夏侯覇………んっ?」

「どうした?」

「いま……なんか動いたような……」


私が少し離れた茂みが不自然に動いたと感じた瞬間、信じられないことが起こった。


9人いた見張りが殆ど同時に頭に何かをぶつけられたように大きく動きながら倒れ、その内の2人は頭が吹き飛んだ。


「ひゃっ⁉︎」

「公孫瓚……下がったほうが………誰か来るぜ。4人みたいだけど………」


そういいながら目を凝らして伺う。駆け寄って来る人影は全身妙な服装をしていて、黒い覆面で顔を隠していた。

そして3人が妙な筒を構えて辺りを警戒し。1人が扉の鍵に手をかけた。


「公孫瓚か?」

「・・・あんたは?」

「心配するな、俺達は敵じゃない」

「・・・・・・・・・」


声からして歳は20代中盤ってところだろうけど、なんだか何処かで見た記憶があった。暫く連中を伺っているとようやく思い出した。


「・・・あんた達は・・・・・・虎牢関の⁉」


思い出した。こいつらは反董卓連合に参加した際に董卓軍に雇われていた‘‘天の軍隊”だ。思わず大声を出しそうになったけど、男が鍵を開けて素早く中に飛び込み私の口を手で塞いだ。


「今は叫ばないでくれ。こんなところで血まみれにはなりたく無い。君を助けにきたというのは本当だ。だから俺に従ってくれ。いいな?」

「・・・(コクリコクリ)」


状況を理解した私は何度か頷き、落ち着くと男の目を見る。左右で赤と琥珀と色が違い、それでいて優しさと強さに満ち溢れていた。

暫く戸惑いながらも救出に来たと悟った私達は牢を出て脱出を開始した。


信じれば必ず救われる……夏侯覇のいった通りだ。だったら私も殺された仲間の仇を討つ為に今は袁紹から逃げ出してみせる。


絶対にな……………。



袁紹による幽州虐殺。この事実は孫呉にまで広がり、孫呉では臨戦態勢に入っていた。

孫呉に降ったライルが幽州に向かっている頃、アレックスも徐州援護の為に出撃する。


次回‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ御遣い”

[ウルフパック]

ウルフパックの戦力が知人が待つ徐州に向かう。



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