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第43話:2匹の龍と狼

熱き龍の魂を持つ武人と暗殺者がそれぞれの信念を刃に載せる。


いったい何が起きたのだ?


噂に聞いていた異国の傭兵団らしき奴等が華雄の後を追って出陣し、我等がそれを食い止めようとした矢先だ。

手順通り大盾を装備させた兵士を前に展開させ、敵が射程範囲内に飛び込んで来たら弩隊と弓隊が一斉に弓矢を射て、盾に取り付こうとする奴等を後ろに待ち構えていた槍兵で迎え撃つ予定だったのだが、最初からつまずいた。


「ぐあっ⁉︎」

「な…なんだあれ……ぎゃはっ⁉︎」

「弓隊なにをしている⁉︎奴等を近付け…がはっ⁉︎」

「ぐあっ⁉︎くっそ‼︎やられた⁉︎」

「衛生兵‼︎来てくれ…あぐっ⁉︎」


敵が持つ黒い筒から聞いたことも無い音が鳴り響いた瞬間に大盾を構えた兵士達が次々と倒され、後ろにいた兵士達も次々と倒れる。

そして壁を失った我等に敵は攻撃を加えながら突っ込んで来た。


「敵の数は少ない‼︎冷静に対処しつつ近付いて斬り掛かれ‼︎」

「御意‼︎」


恐らくあれは弓の類だと読んで接近するように指示を出し、兵達は鉄環首刀や槍を手に突撃を敢行。しかし取り付いた瞬間に奴等も小刀や得物を取り出して応戦の構えを示す。

そしてぶつかり合った瞬間に少なくとも数名は倒したと思ったが、実際には倒れるのは我が兵士だけ。


その中で俺は1人の兵士を見ていた。


「はっ‼︎」

「ぐあっ⁉︎」

「ふぅ‼︎でりゃあぁあ‼︎」

「ぎゃあっ⁉︎」


両手に呉鈎のような得物を巧みに操る敵兵。その一切の無駄が無い最小限の動きで返り討ちにしていく敵兵は直感で感じ取った。

‘‘かなりの使い手”だと。

俺は破邪顕正を手に駆け出した。


「どうした⁉︎もう掛かって来ないのか⁉︎」

「そこの者‼︎これ以上はやらせん‼︎」

「あんたは?」

「我は泰山の臧 宣高‼︎大徳劉 玄徳様と御遣い北郷 一刀殿に仕える破邪の刃なり‼︎」

「臧覇かよ………俺はウルフパック所属のクラウド・レインディー2等軍曹。お前たち連合の進軍を阻む兵士だ」

「ここから先は兵士達に触れさせん‼︎我が相手をしてやる‼︎」

「……いいぜ。やってやるよ‼︎」


一騎打ちを承諾した奴は先手必勝とばかりに姿勢を低くして仕掛けて来た。それを薙ぎ払うが右側の得物で弾くと反動を利用して左側より回転しながら斬り掛かって来た。

それを受け止めると左右で振り回しながら猛攻を仕掛けるクラウドという敵兵。一見するとガムシャラに見えるが俺が攻撃し辛い状況からの斬撃であり、あまり仕掛けて欲しく無い角度から仕掛けて来ている。


だが押されっぱなしは性に合わない。両方を右に薙ぎ払う攻撃をかわしたら次はこっちが仕掛ける。

まずは石突きにて振り上げ、かわされると遠心力を利用して渾身の振り下ろし。鉾先が地面に突き刺さると足に力を込めて飛び上がり、破邪顕正を軸にして回し蹴りを見舞う。

奴は距離を置いて後方に飛ぶが着地される前に破邪顕正を抜き取り、こちらも飛び上がってから奴に突き刺す。


だがそれに反応した奴は無理矢理に着地し、それを得物で防ぎ、鎌競り合いへと発展。力比べへと発展した。


「連合にしてはやるじゃないか‼︎俺の攻撃を受け止めるなんて中佐達しかいなかったのにな‼︎」

「何の話だ⁉︎」

「連合はお前達に正義がない‼︎そう言ってんだよ‼︎」


そう叫ぶと奴は力を込めて俺を押し込み始める。


「袁紹の嘘八百に踊らされてるってのになぜ気が付かない⁉︎洛陽が董卓様による圧政に苦しんでるとかいう嘘八百なんかにな‼︎」

「俺達はあんな愚者とは違う‼︎俺も奴と同じ陣営につくなど我慢ならない‼︎だが我等はこの戦いの真意を見定める為に連合に参加した‼︎」

「そんな戯言を‼︎」

「確かに董卓が圧政を敷いている事実はないが敷いていないという事実もない‼︎だから一刀は最良の決断をしたのだ‼︎」

「侵略者の言葉なんか<マスターからアサシン‼︎敵の増援が接近している‼︎華雄将軍は救出出来たからさっさと退くぞ‼︎>まじかよ⁉︎………仕方ねぇ‼︎臧覇‼︎お前の言葉に偽りはないんだな⁉︎」

「無論だ‼︎我が武人としての誇りに誓ってな‼︎」

「ならば証明してみな‼︎だが今日はここまでだ‼︎」


それだけいうと奴は俺を蹴り飛ばし、そのまま振り返って泗水関へと走り出す。


「くっ⁉︎逃がさな「師匠‼︎」星か‼︎」

「師匠…主より撤退せよとお達しが出ておられます。ここは一旦……」

「…………やむを得ぬか……」


撤退の指示を聞きながら俺は辺りを見渡す。辺りには討ち取られた我が軍の兵士達の亡骸に、痛みに苦しむ兵士達。

しかも敵の亡骸は全く見当たらず、本当に一方的だ。


「あの者等……見事なまでの武勇に知略、それに退き際でしたな……」

「あぁ………星よ」

「如何されましたか?」

「この戦………我等が思っているより根が深そうだ」


そう感じながら我等は生き残った兵達を連れて陣地へと戻る。陣地に戻ると又もや袁紹が我等を侮辱したが他の陣営の方々が仲裁に入ったので事なきを得た。


あのクラウドとかいう男………そしてあの連中……。後で一刀に聞いてみるとしよう………。




いきなりの銃撃に退却を余儀無くされる一刀一向。そこに情報を求める各陣営より代表者が訪れる。

純粋に正体を知りたい者、武人として猛る者、そして自軍に取り込もうと画策する者。それぞれの目的を示す彼女達に一刀は推測を話す。


次回‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ御遣い”

[正体を知る者]

一刀の口より海兵隊が語られる。



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