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第39話:動き出した運命

幾らかの時が過ぎ、運命は大きく動き出そうとしていた。



王叡討伐から暫くが経過し、季節は12月にさしかかろうとしていたが国も大きく揺れ動いていた。

霊帝の急死に大将軍何進が暗殺されたのだ。それに代わって献帝劉協が即位するも実際は宦官の十常侍により権力を欲しいままにされ、民は以前にも増して過酷な生活を余儀無くされていた。


だが十常侍の悪行も長くは続かなかった。天水を統治していた董卓が上洛し、十常侍やその一派を抹殺。それだけなら解放されたようにも聞こえるが俺の予感が的中してしまった。鄴州を治める袁紹が各地に檄文を飛ばし、暴虐の限りを尽くす董卓を打倒する反董卓連合への参加を呼び掛けたのだ。


俺達は軍議の末に真実を見極めるという方針を固めて連合に参加を決意。一ヶ月もの準備の末に出陣を翌日に控えていた。


「それで………洛陽の様子はどうだった?」

「あぁ……洛陽は警戒が厳重過ぎて潜入は諦めたが泗水関や虎牢関に探りを入れた」


俺は筆を動かしながら後ろの壁にもたれ掛かる刹那の報告に耳を傾ける。彼等焰陣営には極秘裏に董卓軍と連合参加勢力の調査を命じ、刹那には二つの堅牢な関に向かわせた。


「…お前の言うとおりだった……泗水関を守るのは董卓の腹心である華雄に張遼……虎牢関にはあの呂布が待ち構える手筈のようだ」

「予想してたことだけど、的中すると本当に恐ろしいね」

「怖気づいたか?」

「いや………俺達は目的の為にただ前に進むだくさ……連合のほうはどうだった?」

「参加するのは袁紹と袁術を筆頭に、曹操、馬騰、公孫瓚、そして孫策が主な勢力になるあとは大小様々な勢力や傭兵、賞金稼ぎに義勇軍が確認されている」


こっちも予想通りだ。特に俺が注目している孫策が連合に参加するというのを聞いて、個人的に会ってみたい気持ちがあるから更に会ってみたくなった。


「その中で最も実力があるのは曹操と孫策……馬騰と袁術は未知数……しかし」

「最もお荷物なのは袁紹の軍勢だった……」

「分かってるよ。袁紹は数は多いけど雑兵しかいないからね………しかもやつ自身も小物だし、今回の檄文も間違いなく奴の嫉妬から来てる………」

「だが……一応は注意をしておいた方がいい……いくら雑魚とはいえ…数では10倍以上だ。そんなのにぶつけられたら唯では済まされない」

「ありがとう………それと‘‘例の傭兵”の情報は入った?」


袁紹に関する報告を適当に終わらせ、本題である噂になっていた傭兵について尋ねる。

見たこともない緑色の斑模様の服に砂色の奇妙な鎧、更には黒い筒。俺が前の世界にいた時にテレビで見た海兵隊と特徴が一致していたのでそちらめ調べさせたのだ。


「すまん……泗水関に入ったというのは判明したが、詳しい報告は入手できなかったようだ」

「そうか……その軍勢の指揮官は?」

「名前までは分からぬ。だが特徴は銀髪で左目に切傷……瞳の色が左右で色が違う長身の男だ」


長身で銀髪……瞳の色が違うということはオッドアイか……それだけじゃ個人は特定出来ないけれども隊長の特徴だけはある程度は入手出来ただけでもよしとしよう。


「分かったよ。刹那達も出発までゆっくり休んで………たぶん動いてもらうことになるから……」

「あぁ……分かってる。俺達はお前の影だからな……」


それだけいうと刹那はゆっくりと気配を消し、やがていなくなった。本当に忍者を彷彿させる奴だと感じながら不意に窓の外を見る。

チラチラと雪が降り始め、冷気が風に乗って部屋の中に入って来た。


そして窓を閉めようとした直後、不意に山の方角から小さく何かの鳴き声が聞こえて来た。


「……珍しいな………こんな場所で狼が遠吠えをするなんて……」


聞こえて来たのは狼の遠吠え。恐らくはシベリアオオカミやチョウセンオオカミなどっちかだ。鳴き方から判断すると連絡を取り合っているのだろう。


狼は古代より中国では牧畜の牛や馬を襲う害獣として妬み嫌われている。神話でもフェンリルやジェヴォーダンの獣、赤頭巾の少女でも悪役として描かれているが俺は嫌いじゃない。寧ろ好きな動物の一つだ。


理由として狼は仲間を大事に想う上に彼等の中でしっかりと規律と順位がある。まるで軍隊のように仲間との連携で獲物を追い込み、時には罠を張り獲物を確実に仕留める。

強く誇り高くてしかも仲間を想う。俺が理想としている中で狼が中に入って来る。


実際に狼を例えにする人も多く、特に軍隊ではウルフやルポ、ヴォルク、ヴェアウルフなど狼の名前を暗号名や作戦名なんかに使う場合も多く、強さに惹かれる人達も多い。


「もう寝るか……明日から忙しくなるしね」


それだけいうと俺は窓を閉めて寝台に灯りを消して寝台に潜り混んだ……………。












場所は代わって洛陽を守る堅牢な泗水関より少し離れた場所にある高台。


「ハンター2-2からHQ」

<こちらHQ>

「報告する。新たな牙門旗及び軍勢が到着した。‘‘深紫の曹旗”から判断して曹操軍と推測。このまま監視を続行する」

<了解だ。中佐率いる本隊への報告の為に明日の朝に帰還。それまでは監視任務を続行せよ。HQ out>

「ポー、HQはなんだって?」

「このまま監視を続行。明日の朝には帰れるさ」

「それはいいな。早く帰って温かいコーヒーを飲みたいよ」

「俺はジャスミン茶がいいな」

「お前のお茶は美味いからな……今度なにか飲ませてくれよ」

「いいぜ、だが今は監視を優先させる」

「了解だぜ相棒」


小さく会話をしながら茂みで連合を監視する2人の人影。まるで徐州で鳴いていた狼が連絡を取り合っていたように、情報を仲間に与える…………。





反董卓連合軍と董卓軍の戦いである‘‘陽人の乱”は刻一刻と迫っていた……………。

勅令に応じて反董卓連合と合流した一刀達劉備軍。曹操に白蓮とかつての仲間達と再会し、そこで問題ごとに巻き込まれてしまう。


次回‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ御遣い”

[反董卓連合]

思惑が交差する連合で、一刀達は下準備を進める。



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