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第21話:二つの義勇軍

官軍の横暴に困惑する一刀達。だがそこに誓いを果たす為に龍が降臨する。



官軍主体の軍議は夕方まで続いたが、はっきりいえば時間の無駄だった。皇甫さんを除いた正規の武官や文官は只々軍功を立てることと保身にしか興味がなく、面倒なことは全て俺達のような義勇軍や傭兵部隊に押し付けてしまったのだ。


そんなくだらな過ぎる時間を過ごして、俺と桃香は疲れて陣地に戻ると全てをみんなに話した。


「……という訳で、遺憾だけど俺達が最前線を担うことになった」

「はわわ‼︎いくら何でも無茶苦茶ですよ⁉︎義勇軍だけで最前線を担うなんて⁉︎」

「向こうの前衛は8万近くもいるのに、それをたった2万と少しの義勇軍でだなんて無謀としか言いようがないでしゅ」

「官軍はやっぱり臆病者ばかりなのだ‼︎」

「そうです……奴等はただ自分が武功を立てることしか頭にないようです」

「あの連中の腰抜けさは知ってたつもりだけど、本当にとんだ腰抜けばかりだな」

「一応はお得意だから文句は言いたくはないけど、それでも顧客にはしたくないわね」


官軍の無茶苦茶な命令にみんながすっかり呆れている。はっきりいえば俺も奴等の身勝手さには少し怒りが漏れようとしていた。

この国を乱す要因は黄巾党もそうだが、王朝に従う宦官と外戚一派もまた、この国を乱している要因となっている。


つまりはたとえ黄巾党を倒したとしても、漢室内部から変えなければ何も変わらないということだ。


「だけど正式な官軍からの命令じゃ仕方が無いよ。今は一日でも早くこの無駄な戦いを終わらせることが最優先だ」

「しかし…何進大将軍達の考えはすぐにわかります。私達に露払いをさせて敵が怯んだ隙に戦果だけを持っていく………」

「あの連中ならやりかねない………いいえ……確実にやりでしょうね」

「俺達は名声に興味ないよ」

「それはそうですが………しかしこちらの手数が足りません。いくら皇甫殿が共に出陣されるとはいえ、まともにやりあったらこちらの損害も尋常ならないほどになってしまいます」

「そうなんだよな………どうしたものか……」


せめてあと一隊……あと一隊あれば何とかなるかも知れないってのに……。


必死に考えているといきなり入り口に気配が感じ取れ、神龍双牙を抜刀しながら振り向く。そこにいたのは………。


「お困りのようだな?」


泰山にて俺達が加勢した泰山義勇軍の‘‘泰山四衆”である臧覇 宣高、尹礼、呉敦、孫観 仲台がいた。


「志義さん⁉︎」

「北郷殿、かつての約束通り加勢しにきた」

「でも……なんでここに?」

「あっし等の村にも勅命が来たんでさぁ‼︎」

「全く………手紙は女性からのだけにしてもらいたいってのにねぇ……」

「御遣い様ぁ〜‼︎おっひさぁ〜♪」

「甲牙の言った通り、俺達の村にも勅命が来たんだ。従わなければ逆賊として村を焼き払うという脅迫も含めてね……」

「逆賊…………なんて卑劣な……」

「村を焼き払わせる訳にはいかない。だから各地を回って義勇兵を集めながら合流したという訳さ」


漢室の脅迫か………もはや国としての指揮系統は死んでいると判断した方がいいだろうな……。

だけど不謹慎だが彼等が増援として来てくれたっいうことは非常にありがたい。


「兵力は1,2000名。俺達は君達の指揮下で戦う」

「ありがとうございます‼︎」

「よし‼︎これで何とかなる‼︎みんなはそれぞれ隊に戻って指揮を‼︎まずは敵の出鼻を挫いて反撃の機会を作り出す‼︎」

『御意‼︎‼︎』


俺の号令でみんながそれぞれ隊に戻り、出陣準備に入る。志義さん達が来てくれたことで俺達に勝機が見えてきた。

後は策を持って敵を壊滅させ、黄巾の乱を終わらせるだけだ。


そしけ翌朝、何進の大号令により俺達前衛が黄巾党に対して総攻撃を開始。劉備義勇軍と泰山義勇軍の連合義勇軍も最前線に突撃を敢行するのだった……………。





決戦の幕が切って落とされた。義勇軍と傭兵隊は黄巾党主力とぶつかり、広宗の大地に血が染み込む。

そして一刀達も味方を援護しつつ、自らの役割を担う為に肉薄する。


次回‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ御遣い”

[広宗の戦い]

乱世を終わらす為に御遣いが飛翔する。



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