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第18話:心境の変化

許昌に駐留する一刀。その朝の出来事……。



泰山での救援がきっかけになったみたいに黄巾軍との戦いは変化を見せていた。各地で奮戦する白蓮を始め、揚州の孫策、寿春の袁術、西涼の馬騰と董卓、荊州の劉表、冀州の袁紹軍。

更には官軍より派遣された大将軍の何進と部下の皇甫嵩と朱儁などという英傑達の活躍もあって徐々に黄巾軍は縮小されていった。


各地で曹操と共闘しながら全戦全勝を繋げている俺達は補給と兵達の休息を行なう為に曹操が治める許昌に招かれ、そこで3日ほど過ごすことになった。


俺達には城内にて部屋があてがわれ、久々に室内にて暖かい寝台で寝れたが、朝方にちょっとした問題が起こることになる。


「うっ………う〜ん……朝か………んっ?…………あれ?」


朝の日差しによって目が覚めた俺。まだ眠気が取れない目を擦りながら欠伸をする。

そして起き上がろうとするが身体が起きない。何度か起き上がろうとするが一向に寝台より起き上がれず、やがて右腕に何だか違和感を感じ取ったので振り向くと………。


「ううんぅ」

「………へ?」

「えへへ〜………もう食べられにゃいよ〜……むにゃむにゃ………」

「……………」


我等が大徳の劉備 玄徳こと桃香が俺の右腕を抱き枕のようにしながらベタな寝言を言いつつ気持ち良さそうに眠っていた。


……………それも下着姿で……。


初めは夢かと思って何度か振り返って見直すが、そこにいるのは可愛らしい寝顔をしている桃香だ。


(まさか………昨日の宴会の後に桃香の可愛さに狼になっちゃったのか⁉︎)


順を追って頭の中を整理していくが、宴会の後に確か桃香をあてがわれた部屋に連れていって、酔った彼女を寝台に寝かした後にこの部屋に戻って来たこと以外にそんな記憶は全くなかった。


「す〜………す〜………」

(…………やっぱり……本当に可愛いなぁ)


素直にそう思いながら彼女の柔らかくてサラサラした桃色の髪を触っている。だがこの状況はよくよく考えると理性的にもそうだが、命的にも嫌な予感がより強く感じ取ってしまっている。


(まてよ………この後にやってくるセオリーは………)


これまでの経緯を判断して俺は脳内シュミレートをする。


1:このままの状態にいる

2:俺を起こしに来た愛紗に見られる。

3:タイミング悪く桃香が寝言を言う。

4:アイシャゴン降臨


結論…………。


(不味い………このままじゃまさにThe ENDになる………)


なにせ今まで桃香関係で何かあると愛紗に偃月刀にて吹っ飛ばされているから、こんな2段も3段も上をいく状況だと本当に命が危ない。

俺は起こさないように桃香をお姫様だっこして扉に向かい、扉を開けてあたりに人の気配がないかチェックする。


(右よ~~~~し……左よ~~~~~し……上よ~~~~~し……下よ~~~~~し……)


そこまでチェックする必要があるのか分からないが、俺は気配を完全に消して桃香の部屋へ向かった


何とか誰にも見つからずに桃香の部屋にたどり着いた俺は桃香を寝台に寝かせる。

因みに桃香の部屋は隣である。


(これでよし…………)


何とか無事に事無きを得た俺。


寝台に寝かせた桃香に綺麗に布団をかけて部屋を出て行く…………








……………かと思われたが。


「……………え?」

「う〜ん………」


まるで振り向いて貰いたいかのように桃香が俺の手首を掴んだ。どうやら無意識の内にやっているらしい。


「うわっ!?」

「えへへ〜………ご〜主人しゃまぁ〜………むにゃむにゃ……」


桃香が俺を引き寄せ布団の中に引きずり込み、俺の顔を自分の胸に押し付けた。


「っ~~~~~~~~~~~‼︎‼︎‼︎」


この世の天国と地獄を味わう俺は顔を胸に押し付けられているから息ができない。

誰が見ても巨乳だと分かる大きい桃香の胸に俺は窒息しそうだった。


「む~~~~~~~………」

「ぷはっ⁉︎」


桃香の力が抜け脱出を図るがそうは問屋が降ろさなかった。


「ご主人しゃま〜…………ん……」

「え⁉︎……んっ⁉︎」


桃香が俺を呼んだ気がして顔を見た瞬間、俺の唇にキスをしてきた。嬉しいんだけどあまりにもいきなりだったので混乱してしまう。


本当にあまりにもいきなりだったから俺は目を大きくし、何をしていいのか必死に理解しようとしていた。その間に何とか引き離そうと試みるけども桃香の両腕はしっかりと俺の頭に回され、足も絡められて動こうにも動けない。


「んっ…………ん……ぷはぁ⁉︎」

「ご主人様ぁ〜………すぅ……すぅ……」

「は……早くここから離れないと……」


力が弱まったので俺はゆっくりと桃香の腕を解き、絡めていた足からも脱出しようとする。しかしその直後……。


「姉上。起きていられますか?」

「⁉︎」


タイミングが悪いことに愛紗が訪ねて来た。一応はノックをしてくれてはいるが、返事する訳にもいかないし、何よりも今の状態を見られたら確実に‘‘オハナシ”が始まってしまう。


「姉上、入りますよ」


扉のノブが回って愛紗が入ってくる直前、俺は桃香を抱きかかえて寝台の下に潜り込んだ。


「姉上?……おかしい……どこに行かれたのでしょう?」


桃香を探して室内を見渡す愛紗。頼むから見つかってくれるなよ………。その願いが届いたのか、愛紗の部屋から離れていく足音が聞こえ、それを確認したらゆっくりと寝台の下から出て来て桃香を再び寝台に寝かす。


「うぅ…….…さっきのこともあるから桃香の顔を見れない……」


………はっきりいえば恥ずかしすぎる……。ひとまずは水でも被って落ち着こうと思って退出しようとした瞬間、不意に桃香を見てしまう。


「ご主人様ぁ………だ〜い好きぃ〜……すぅ……すぅ……」


そんな苦労を他所に桃香は非常に幸せな顔をしながら気持ち良さそうに眠る。

そして好きという言葉を聞いた瞬間、胸に何か違和感が感じたので思わず手を胸においてしまう。


(な……なんだ………胸が痛い………なんで……)


胸を締め付けるかのような痛さ。その痛さが何なのか全く想像も出来ず、俺は少し慌てながら自室へと戻った……………。




許昌での束の間の休息を終えた直後、冀州鉅鹿郡に黄巾軍本隊が集結し、朝廷からの討伐せよという勅命が下る。

今更すぎる勅命に呆れながらも、乱の終息が見えてきたことで一刀達も討伐軍に加わる。一刀の桃香に対する感情が変化をする中、彼等の前に数多の英傑達が集結する。


次回‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ御遣い”

[英傑]

三国志における英傑達が一同に連なる。



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