プロローグ
プロローグ
ここは、セイナリンと呼ばれる世界。
『オランマグ』『カサンルンカ』『ナサイ』『キャラン』『ミオタナ』と呼ばれる五大陸と幾つもの島々からなっていた。
セイナリンの北西に位置するタンベス王国は『ナクオマイウ島』や『カイセン島』などの北方の島々を統治していた。
『カイセン島』の南部に首都『タンベス城』があった。このタンベス城下には、敵から身を守るために地下に多数の地下道が
作られていた。タンベス人ですらその概要しか知らずに、人々からこの都市は、『大迷宮の都』と呼ばれていた。
王国の軍事力である『タンベス騎士団』は世界各国で恐れられていた。王国の軍人は約5万人。王国は、傭兵事業によって豊かな生活をしていた。
そんなタンベス王国の保護国の一つに『カサンルンカ大陸』の北部に位置する『ユァン要塞都市』があった。この国は、都市自体が巨大な要塞で出来ていた。そのため都市の守備力は侮りがたいものがあった。しかし、兵力はとてつもなく貧弱であっり攻められれば秤量攻めで滅びるとまで言われていた。そんなユァン要塞都市は、王国に兵器の技術と引き換えにタンベス騎士団を派遣して貰っていた。
とある年の春。緑あふれたアグロマウス村に一人の騎士がやって来た。彼の名は『コロンナンス=ミハエル』と言った。この村を統治するタンベス王国の軍隊である『タンベス騎士団』からこの村駐留の警備員長として派遣されて来た。
コロンナンスは、前はユァン要塞都市に派遣されていた。彼はそこでは遊撃騎士団の派遣部隊の一人であった。そこにひとりの村の若者がいた。コロンナンスは、その若者に「ここがアグロマウス村ですが?」とコロンナンスが聞いた。
「そうですが、この村に何か用ですか」と男は言った。
その男の名は『アイゼンバルク』と言った。
コロンナンスは、当時19歳だった村一の美女『コルナ』に一目ぼれした。コルナもコロンナンスのことが好きになった。二人は愛し合っていた。
数年後二人の間に『アグセイリン』が生まれた。コロンナンスは村人達に隠し事を一つしていた。
それは、自分はウンエンス家の人間ということだった。村人達には、普通名字はなく誰もコロンナンスが名字を言わなくても不思議がらなかった。