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入学式

学校に到着してから分かったことがある。


この学校、とてつもなく大きい。



校舎だけで七棟くらいあって


さらにそこによくわからない建物が複数存在する。



そして寮だ、


全校生徒が収まるように作られたんだろうが、


流石に五棟もいらないのではないかと思う。



とりあえず到着してから荷物を整理し、


数日でここの生活に慣れた。


寮の中にある食堂で食事をとり、既に数人の先輩とも知り合えた。



そして今俺は入学式を迎えている。


あらかじめ渡されていた制服に身を包み、今は大きな講堂の中にいる。



講堂の前にクラス表が張り出されており、


既に寮に住んでいる一年生にはクラスを伝えられているのだが人混みで通ることができず、数十分待たされた。



次に講堂内にクラスごとに椅子が置かれており、


クラスの番号順に座っていき、校長の話やらをたっぷり聞かされている。



最初からあまり話を聞いていなかったのだが、



「なぁ、俺ロイ。お前は?」



と、隣の奴が話しかけてきた。



「シグナだ。」



俺がそいつの方を見ないまま返すと



「そうか、よろしくな。」



という返事が返ってきた。


というよりこいつ校長が話してる最中なのによくそんなに喋れるな。


ちなみに校長は男である。



校長の話を聞き終え、来賓やら何やらの話を何とか眠らずに聴き終えた。


場所は変わり今は1-Dの教室。


分かると思うが俺のクラスだ。



しかしこのクラスの席順、番号順なのだ。


つまり…



「なあシグナ、お前ってどんな魔法使える人?」



ロイ君の質問攻めにあってます、はい。


なんていうか、しつこい。


適当に流して答えてるが…


早く先生来ねぇかな。



「やあやあ諸君、待たせたね。」



教室の扉を派手に開き、両手を掲げて入って来る様はさながら演説者のようだ。



「俺の名前はリゼルだ、周りからはルーさんやら何やら呼ばれてるが好きにしてくれ。」



この人は…


まあ真面目な方だけどどこか放任主義って感じの人だな。雰囲気が。



「とりあえずクラスの親交を深めるためにも自己紹介行ってみようか。」



なぜいきなり自己紹介なのか。



話を聞くと今日は来賓の人とかの対応に追われてて先生が少なく、


授業なんてできないからこのまま解散の予定だそうだ。



そこでリゼル先生は今日のうちに自己紹介終わらせておこうという考えに至ったらしい。


まあ効率的といえば効率的なんだろうが、今日は疲れているからさっさと返して欲しいというのが本音だ。



----------


自己紹介も無事に終わり、先生も教室から出て行った。


普通はここで皆が帰るんだろうがそうはいかない。


今日は入学式、今日中に友達とグループを作っておかないと取り残されることになる。


そのため生徒は全く教室から出ず、さっきよりも盛り上がっている。


そして勿論コイツも例外ではない。



「なあシグナ、これからどうすんの?」



しゃあない、構ってやるか。



「どうするって寮に戻るよ、で寝る。」



えー、遊ばないの?とかロイが抜かしていると…



「よおロイ!もう既にお友達ゲットしてるなんて流石だな!」



俺より少し細いくらいのロイの背後に、俺より遥かにガタイが良い暑苦しそうな男が立っている。



「あぁ、ガルム。紹介するよ、こいつはシグナ。さっき仲良くなった。」



いつから仲良くなったんだなどというツッコミは無粋なのだろう。



「よろしく。」


「俺はガルム、ロイの幼馴染だ。よろしくな!」



こいつの暑苦しさは留まることを知らないのか、


俺の手を掴みブンブンと振り回している。


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