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洗脳されているだろう

 「おい、霧隠三太」


 バイキング形式で始まったそのパーティは、俺たちを惜しみなく饗してくれた。勝利への実感を身体全体で味わっている気分だ。そんな囁かな幸せを味わっている最中に、近くに美橋及火が寄ってきていた。


 「あの子供がお前が従っているという桜台制覇なのか?」


 「あぁ、俺はあの人にプレゼントを渡す為に、サンタクロースになったんだ」


 「そうか……。お前もつくづく救えない男だな。可哀想に……」


 何を言っているのだろうか、奴は確かにぼーっとしていながらも、何かを考えているというのはよく分かるのだ。だからと言って、今日は俺の祝杯会であったはずだ。それを……まるで何か裏があるのかのように。


 「奴は人間だ、ここに来てから色々と確認させて貰ったが、ここにいる人間に全てが人間だ。どうして……この場所はいったい……」


 モンスターキャッスル。この場所はかなりの機密事項が犇めいており、この部屋以外は極めて危険な場所である。隠し部屋、危険なトラップ、俺がここに通い初めてからも少々危険な目にあった。良い子には絶対に踏みは入れない地ではあると思う。


 「だからって、俺の前で制覇様を悪く言わないでくれよ。あの人は確かに一般的な小学生と比較したら、かなり特殊な部類かもしれないけど、あれでも普通の女の子なんだ。きっとお前も好きになってくれるよ」


 「……そうなのか? 私はお前が『洗脳』されているようにしか見えないけど」

 

 洗脳……確かにそういう部分がある事は否定は出来ないだろう。通常の高校生からみたら、俺もかなり特殊な部類だろうから。正直、俺も自分が洗脳されているんじゃないかって考えた事は間々ある。しかし、俺はもうそれでいいと思ったのだ。彼女の為の便利ロボットで構わない。彼女の役に立つ事が全てだ。


 「覚悟の上での洗脳だ。これでいいとちゃんと自分が納得をしている。お前の心配は嬉しいが、何も気にしないで大丈夫だぞ」


 「そうか、それならいいのだが……」


 「ほらー!! 二人共、こっちに来て~!! 美味しい物がいっぱいあるよ~!!」


 俺や美橋の心配など露とも気にせず国立朝芽が皿のあるテーブルから手を振っている。食事の最中だった、そう思い皿の上の料理が空なのを埋めに、また机の方に移動した。

 ★

 軽いパーティは終了した、特に大声で叫んだという訳でもなかったのだが、それなりに楽しめた。忍者としての人生では、こんな楽しい思いは味わえなかっただろう。ここに来て良かった、ここで働ける事への感謝を祈りとして捧げた。

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