橇をひく順番
イラストを細かく観察してみる、そこに書いてあったのは歌の歌詞にあるサンタクロースとトナカイの絵だ。四コマ漫画だ、これはきっとこの名称を考える上でのヒントに違いない。洞察力なら自信がある。初手を挫くわけにはいかないのだ。
………さて、一コマ目。これは皆に赤い鼻のトナカイが馬鹿にされているシーンだな。かの有名な子供向けの歌である『赤鼻のトナカイ』での序盤のはずだ。冒頭シーンくらいはきっちり覚えている。
待て、この四コマ漫画、妙にサイズが大きいと思ったら……このコマにはトナカイが九匹も存在している、ご丁寧に馬鹿にされているトナカイを慈しむサンタクロースの絵まで。そうか、赤鼻のトナカイに登場するトナカイの正確な数は歌詞の中にはない。
次のコマで、トナカイの名前まできっちり明記されているぞ。選択肢の中にいた、プランサー、ドナー、ヴィクセン、ルドルフは勿論のこと、残りの五匹の名前まで書いてある。ダッシャー、ダンサー、ブリッツェン、キューピッド、コメットという名前が。しかし、ネームプレートが壁に飾られているだけだ、それが何のトナカイを指しているのかは、わからない。選択肢が増えたようなものじゃないか。
次の三コマ目は、赤鼻のトナカイをサンタが慰めるシーン。四コマ目は皆で空へ飛び上がるシーンだ。これらはヒントになるとは思えない。ダメだ、分からないな。どうもヒントは絶対に隠されているとは思うのだが。類推できない。
落ち着け、考えろ。こんな見え透いたイラストから答えを類推できないでどすうる? この後にどんな難問が待っているか、わからないのだ。考えて分かる問題は拾わなくては。しかし、己に貸した制限時間は三分だ。これ以上は考えても無駄か。
いや、待て。最後の四コマ目が不自然だ。赤鼻のトナカイは存在する。しかし、この飛び上がる姿は……後ろからの絵画だ。サンタの姿は傾く橇と白い袋で見えず、物語の主人公とも言える赤い鼻のトナカイも、これではどこにいるか分からない。九匹の全てが、お尻しか見えていないのだから。
どこにいるのか分からない???
違うだろう、確かにイラストで見えない以上は確証は持てないが、果たして本当にまったく順番が分からないのだろうか。トナカイは適当に走っているかに見えて、そんな事はない。トナカイには走る順番が決まっている。そこは勉強中に学習した。
じゃあ俺がサンタクロースなら、赤鼻のトナカイをどこに置く? 答えは一択だ。『先頭』に決まっている。なぜなら明るく灯る赤鼻を最大限に発揮できるのは、そこしかないのだから。確か、ネームプレートには、名前と一緒に番号も書いていたはずだ。俺の推理が正しく1番のプレートの奴が、赤鼻のトナカイの名前だとするならば。答えは…………。
「ルドルフだ……、だから四番だ」
咄嗟に声に出してしまった、小声で他の誰にも聞こえないように。
実験でおくれました。申し訳ございません




