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エピローグ

 『私の名前は桜台制覇。いずれ人類の全てを跪かせ、世界の頂点に君臨する女だ。我が覇道に敵なし、歯向かう者は容赦なく排除する。いいか、これからの時代は私が国王であり、私が法律であり、私が全てである。全人類が私に媚び諂いながら生きる生活を余儀なくされるだろう。覚悟しておけ!』


 あの忌々しい事件から一週間後。ロボット科学研究会の舞台で制覇は自信をモデルに作ったという生きた人間そっくりなロボットを提出し、見事その道のプロ達の心を沸かせた。俺は会場の席には参列せず後ろから眺めていた。


 制覇様の言葉はその場にいた全員の片腹に大激痛を負わせ、惜しみない大歓声と止まない拍手がおくられた。制覇が真面目に世界征服を企んでいるなどと、真面に受け取る奴などいるはずもなく、むしろ制覇が小学生としての立場を利用し一流タレントばりに冗談を言ったのだと、そういう捉え方だったのだ。本人としてはアメリカンジョークではなかったのだが。


 この発表会は俺の想像なんかよりも、かなり大々的な物で日本の一般家庭にも放送されるらしい。つまり日本中の笑い者になってしまうことになる。これから三日後に日本に帰国するというのに、せっかく学校に行くと決心した制覇が、また嫌がるのではないか、そう心配に思った。


 肝心の本人はというと、随分と落ち込んでいる様子である。少しは現実を思い知った様子だ。俺の姉のような奇想天外な奴に馬鹿にされるならまだしも、科学の最先端に連中に馬鹿にされるのは少しこたえたようだ。まあ、俺としては制覇がこれから世界征服に乗り出すことに対して、賛成でも、反対でもなく、まだ迷っている段階だ。だが、きっと結論は制覇に委ねるだろう。


 実は制覇には様々な企業や科学者から作品の依頼が届いているのだ。本人が言うには世界征服の前段階として、取りあえずは息を潜めるために、世の中と向き合うらしい。世界征服にも資金がいる。彼らと接していくことで金稼ぎをする算段だそうだ。


 この悔しさをバネによりいっそうの研鑽を積むもよし。ここで諦めて別のことに邁進するも良し。彼女が決めた道を真っ直ぐ突き進んでいけばいい。俺はそれを影からバックアップしていく所存だ。

 

 などと格好良く言ってみた物の、俺には俺で私生活があるのだ。帰ったら不眠不休でアデライトさんの喫茶店を手伝わないといけない。来年からは新一年生として高校に入学する。国谷や美橋の後輩になる予定だ。制覇にあれだけ学校に行けと言った手前、俺が進学を放棄するわけにはいかないのだ。動機が不純なのは自覚している。


 これからサンタクロースとしての仕事や訓練も本格化してくる事を美橋からきいた。初めての活躍の場は今年の12月25日である。制覇にはプレゼントは渡せないが、後で個人的に持って行ってあげるつもりだ。


 『メール1件』


 それと最後に個人的に気になっている事がある。制覇から情報処理を頼まれて、ロボット制作の依頼者リストを作成するために、メールデータを洗っていた時である。不意に見知らぬ宛名の人間から連絡が届いた。


 『桜台制覇様へ。私はとある町で正義のヒーローをやっている者です。私はここに、あなたの世界征服を阻止する事を宣言します。あなたの野望は絶対に遂げさせません。名無しの勇者』


 間に受けた人間がいた……。しかも挑戦状を叩きつけてきた。これは冷やかしなのか、本気なのか。少し興味がある。


 「勇者か。制覇のお友達になってくれるかな」


 そんな事を思いつつも、俺はノートパソコンを閉じた。

ご愛読ありがとうございました

えっと……最後はちょっと含みある感じで終わらせましたが

……もしかしたら……いえいえ(ノ´∀`*)イエイエ

まだ『小説家になろう』で活動するので

よろしくお願いいたします

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