プレゼントが貰える歳
「国谷、教えてくれ。具体的にどんな問題が出るんだ」
「そうだねぇ、マークシートで四択問題だったよ。例えば……サンタクロースに玩具を貰える子供の歳はいくつか? とかね」
これは難問だ、全然分からない。だが、四択なのだから選択肢の中から選ぶ方式なら答えられるかもしれない。
「で、どんな選択肢だったんだよ。その問題はどんな四択だったんだ?」
「えー、三年前だったしなぁ。あんまり私も憶えてないなぁ。ちょっと待って……今思い出すから。そうだなぁ、確か……。3歳、7歳、12歳、18歳だったかな」
これは難しいな、じっくり考えていこう。3歳はないと思う、その条件だと桜台がプレゼントを受け取れない。18歳も無いだろう、そんな不法侵入を繰り返すサンタが法律的な意味で子供の年齢を設定をしていないと考える。
7歳か、12歳か。待てよ、確か桜台制覇の年齢は7歳だったはず。それでプレゼントを受け取っていたのだ。そして俺に命令して次の歳もプレゼントを頂くと宣言している。つまり12歳くらいまではプレゼントを受け取れるのではないか、…………いや安直すぎるかもしれない。
だってあの娘の正確は最悪だ、ずうずうしいの極みだ。奴はサンタにプレゼントを貰う為にかなり調べたと宣言していた、奴ならサンタからプレゼントを受け取れる年齢くらい百も承知だろう。仮に奴がそれを知っていたとして、諦めるだろうか。サンタを捕獲する気概がある奴だぞ。奴なら余裕でそんなルールは無視してくるはずだ。
奴は来年に確実にプレゼントを受け取る為に、俺をサンタの世界に潜入させようとしている。それを考えると、俺に無理矢理、年齢の合っていない自分に、プレゼントを運ばせようとくらい、平気でするんじゃないか。
「答えは7歳だ、7歳までしかプレゼントを受け取れないはずだ」
「いや、去年にサンタの世界のルールが改正されて、今は8歳なの」
じゃあ今の時代に合わせて問題を言ってくれよ……。いや、折角の行為に対しこれ以上の生意気なことを言わない方がいいな。
「そうか、8歳か。じゃあ来年は問題なく、我が主様はサンタからのプレゼントを受け取れる訳だな」
「それは分からないな。今年で条件を満たしていたから、可能性は高いかもしれないけど、絶対にプレゼントを受け取れるとは限らないよ」
そうだ、サンタからプレゼントを受け取るには、年齢以外にも様々な条件がある。それを無視して強引に目的を達成する為に俺を潜入するのだから。
待てよ、俺はこの子供達がプレゼントを貰える条件を、全て把握する必要があるんじゃないか。