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可愛いが正義だ

 俺は世界の救世主になれるとは思っていない。桜台制覇の世界征服を止めることは、つまりはそういうことになるのだが、俺はどうしてもイメージが結びつかなかった。俺が救いたいのは世界ではない。どちらかというと、桜台制覇、そのものである。彼女の為に彼女の野望を止めにくのだ。世界を救う名目など関係ない。


 という訳で、作戦会議が必要である。制覇様がいくら社会の明るみにでるとはいえ、それでもガードは硬いだろう。その他の科学世界のVIPは跋扈しているだろう。そう簡単に彼女に接触できるか甚だ疑問である。


 その発表会があるのはアメリカ合衆国。そこまで飛行機で移動する必要がある。その他にも開催場所へ移動する賃金、泊まる場合は宿泊費は馬鹿にならない。そんな逆境的な状況が続いた上で、俺は彼女に合えるだろうか。


 そして俺に立ちふさがる最大の難点は相手が桜台制覇であることである。いくら彼女の智学をもってしても、俺の記憶までを消すなどということはできなかった。つまり、万が一の確率で俺が自分の祭典を邪魔しに来る事を想定しているのではないか。そして、何かしらの備えをして対処を万全にしていた場合が厄介だ。


 彼女は俺について全てを知っていると言ってもいい。明らかに俺が彼女に発見される前にサーチされて、再開できない場合の方が考えられる。こっちも何かしらの対抗策で攪乱しなくては。


 「正直、会える気がしないなぁ」


 「いや、会いに行くなよ。何度も同じやり取りを繰り返すなよ。もう桜台制覇との縁を断ち切り、新しい生活をするんじゃないのかい?」


 「あんな後腐れの悪い別れは嫌ですよ。真性ロリコンだって、アフターケアの概念くらいはあります」


 「やれやれ。どこまでも容量の悪い男だ。世界の平和を守る為に、地球規模の大戦争を止めに行くならわかるけど。まるで正義など入っていない自己満足と過保護精神で会談を阻止しようと考えるなんて」


 正義など欠片もないに決まっているだろう。そんな物は生まれて一度も必要とした試しはない。ロリコンに正義はない。強いて言うなら可愛いが正義だ。


 「また及火ちゃんが怒ると思うよ。国谷ちゃんの方は歓喜すると思うけど」


 彼女たちを喧嘩を再発させては悪い。やはり俺一人で行くべきか。だが……たどり着かなければ意味がない。彼女たちや他のサンタクロースに援助を要請するか。…………なんと言って? サンタクロースの業務と完全完璧に関係ないじゃん。どう考えったって許可がおりないよ。しかも相手は制覇様だし。

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