繋いだ命
「どうして俺がお前のプロジェクトとやらに、参加しなきゃならないんだ?」
「SPとして雇ってもいいと言っているんだ。君の戦士としての実力は鼻で笑うレベルだが、君のそのロリコンというキャラが気に入った。ここで働きなよ、まあ想像絶するほどこきつかってやるからさ」
……未来が開けたのか? 乗っかってもいいのか、これは?
確かに忍者になることに失敗した俺に人生の退路など残されてはいない。毎日いつ、暗部に抹殺されるかを恐れながら生活するより、百倍マシだとは思うが。
「君に頼もうと思うことは、この『モンスターキャッスル』の警備じゃない。プロジェクトの為の外部潜入をして貰う」
また不法侵入をするのか、正直昨日の一件で自分の腕に自信はない。訳の分からない勘違いを連発したあげく自爆した、馬鹿丸出しのこの俺の、どこを評価して雇ってくれるというのだ。
「どうだい? 君の力を僕に貸してくれ」
「断る理由は無い。本来、死ぬはずだったこの命だ。拾ってくれるというなら、是非もない。お前の言うプロジェクトが何なのかは分からない以上は従えないとか言いたいが、そんな権利は俺にはないだろう。大人しくお前の部下になるよ。俺を雇ってくれ」
それ以外に選択肢が無かった、絶体絶命のこの状況において、俺はこうするしかなかったのだ。
「賢明な判断だと思うよ。大丈夫、悪いようにはしない。給料もしっかり出すし、大いに無茶をして貰う所存だ。では契約成立ということで、ロリコン忍者さん」
屈辱だ、なんで俺は一夜にして全てを失う破目に至ったのだろう。
「ふーん、よく分からないけど、良かったわね、三太」
「あぁ、って!! 何で俺の名前を……って、俺が自己紹介したんじゃん」
今になってみては、俺も別の意味でサンタだったな。名前がという意味で。
「早速だが君にお願いしようと思っていることがある。ファーストミッションだ」
いきなり何か命令されるのかと思ったが、待機していたSPの一人が捉えた忍者の画面を映したパソコンを畳み、奥の部屋に消えていった。
「霧隠三太、君にはとある場所の潜入捜査に挑んで貰う。……内容については、後日に報告するよ。今日はいったん帰って、全ての結果を家族に晒してくるといいさ。僕はこれから準備があるのでね」
準備……これから始めるプロジェクトとやらのだろうか。俺は一体、どこに潜入される予定なのだ。お先は真っ暗だ。しかし、折角繋いだこの命、無駄にはしたくない。
先ほどのSPが、俺の愛犬たる佐助を連れて来てくれた。
「じゃあ荷物をまとめてまたここにきてくれ。そこから任務内容を説明する」




