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サイドA-5 ストレージと鑑定

ガチャによって獲得した実体化したアイテムたちは、剣を除いてひとつひとつは大きくはないが、持つとかさばること必至の物ばかりであった。

薄水色に輝くハイポーションのビンも、手のひらに入るサイズとはいえ、ひとつひとつが350mlのペットボトルぐらいであるので、10本は持てても、おさまりが悪いものだった。


もしこれがゲームであれば、収納ストレージがあって、持ち運びは楽なんだろうけど、今のところそのような機能はメニュー内には掲示されていなかった。


だが、スキルとしてなら、あるような気がして、スキルチェインをホクトはさがした。

ホクトの想像に難く、そのようなスキルが『スキルチェイン』の『魔術』の一つ、『空間』として存在していた。

『空間』魔法分類の『収納』スキルとしてあったそれは、さらに二つのチェーンに分かれていた。

『ユニット』と『重量』であった。

スキルには、個別に説明がついてくるので、まずは『ユニット』を操作した。


『ストレージをユニット単位で習得する。一つのユニットには同一種類と判断されるものしか入れられないが、同一種類であれば、格納数は無限となる。さらに時間経過が普通と1/100、全くしないものが選択可能』


つづいて、『重量』を操作。


『ストレージをひとつの入れ物として、入る最大重量で修得する。体積もいれるものの種類も制限重量内であれば無制限。さらに時間経過が普通と1/100、全くしないものが選択可能』


一見すると、『ユニット』タイプのほうが使い勝手がよさそうであったが、獲得するためのスキルポイントを見てみると、『重量』のほうが少なくて済むメリットがあった。


どちらか片方だけではなく、両方同時に獲得できるようなので、両方とって使い分けをすることに、ホクトはきめた。


とくにガチャチケットはまだ300枚もあり、これらすべてを利用すると、今獲得した物よりもさらに多くなることが予想され、かつその中にはより大きな物や、要冷蔵のようなものが出てくることも予想される。

収納ストレージ能力の種類を混在して獲得することは、絶対必須であろうとホクトは考えた。


同時に、アイテム等の特性をいちいちヘルプで見る必要がない能力、『鑑定』も『神聖術』スキルチェインの中に発見した。

こちらも獲得必須の能力と、ホクトは考えた。

ただ、今それに先立つもの、スキルポイントはゼロポイントだった。


(そうなると当然、あっちが先だよな)


ホクトは、今度は迷わず、特典であるスキルポイント3億点を獲得した。

獲得したポイントで、すぐさまストレージ収納のスキルを修得していく。


ストレージ収納の『ユニット(松)』(経過時間なし)、『ユニット(竹)』(時間経過1/100)、『ユニット(梅)』(時間経過あり)の獲得スキルポイントは、それぞれユニットあたり10/5/1であった。

また、同ストレージユニットの『重量(松)』(時間経過なし)『重量(竹)』(時間経過1/100)『重量(梅)』(時間経過あり)の獲得スキルポイントは、10kgあたりと単位が異なるが、ユニットと同じく10/5/1ポイントであった。


どちらも使い勝手が最も良いのは、時間経過なしだろうが、スキルポイントの利用効率を考えると、時間経過の必要ないもの、たとえばお金とか洋服とかはそこまで考えなくてよいので、そこら辺を吟味すると、バランスよくとっておいた方がよいような気がしてくるホクトだった。


もっともスキルポイントは3億点もあるので、ちょっとやそっとでは減りそうもないことから、あまり最初は意識する必要はないのかもと思った。


スキルポイントが多いので、むしろすべて時間経過なしにしてしまった方がよいのか?

いや、3億点といえども今後現れるスキルに、とんでもない点数を要する可能性もゼロではないため、ここはまず堅実に2種類を選択するのがベストと考えた。


ストレージ収納獲得の際、一つ問題が発生した。

ストレージ収納には、維持魔力というのが必要なのだ。各ストレージの(松)(竹)(梅)には1時間当たりそれぞれひと枠0.1/0.03/0.01が消費されるらしいのだ。

たいして、レベル1のホクトは最大魔力が20で、1時間当たりの魔力回復量が、起きている間は1となっていた。

ストレージ(松)を獲得したとして、魔力の回復量内に見合うようにすると、最大10ユニットが獲得可能となるが、それではあまりにしょぼいなと、いままでのゲームで無限に近いストレージ容量を経験してきたホクトにとっては、何とかしたい案件だった。


と、そこでホクトは、先ほど獲得したアイテム「魔力の実(上)」を使って魔力と魔力回復の上昇を試みる。

アイテム使用は簡単で、ストレージから取り出したクルミに似た形の「魔力の実(上)」を食べることで、魔力向上がはかれた。

栗の甘みを薄くしたような、味だった。


「げっ、やばいぞこれ」


アイテムで上がった数値をみて、おもわず声が漏れた。

あとで考えれば、『鑑定』スキルを取得して、効能を確認して使えばよかったのだが、よくわからないまま利用したので、当然の結果といえた。

「魔力の実(上)」ひとつで、MPのMAX値が2020に、1時間当たりの回復MPは180に上がった。

ステータス値が高いのは、ゲーム的には歓迎すべきことではあるが、この世界の常識は調べようもないので、なんともいえないが、レベル1でMPのMAX値が2000というのは、まずいような気がした。

よくあるパターンで、抜きん出た力を為政者に利用されるとか、異端であるがゆえに迫害を受けるといったパターンである。


とはいっても取得したものは下げようもなさそうなので、むしろ突き抜けてしまうことで対応することにした。

加えてゲーム感覚でしかこの世界は感じられていないので、他者と交流が少ないシングルプレイを主体とすれば、問題ないとも思えた。


それにしても、この「魔力の実(上)」、とんでもない効能である。

あとで鑑定してみると、


「魔力の実(上)」:利用者に1500~5000の間で、ランダムにMPの最大値を付与する。


とあった。

これが最初のガチャで100個手に入っている。

全部使用すれば、最低でもMPのMAX値が150000増えることになる。

チートもいいところだな、と独り言ちながら、ホクトはあと4つほど「魔力の実(上)」を食べた。

最終的なMPのMAX値は14520となり、1時間当たりの回復MP値は950となった。

ストレージ収納を維持するには、十分すぎる容量だ。

本題にもどって、ホクトはストレージスキルを熟考のうえ、次のように獲得した。


『ユニット(松)』×200ユニット = 2000ポイント (消費20MP/h)

『ユニット(梅)』×100ユニット =  100ポイント (消費 1MP/h)

『重量(松)』× 2トン(200) = 2000ポイント (消費20MP/h)


MPの回復量に比べれば、全然余裕があるが、ストレージ収納自体まだ使い勝手がよくわからないので、足りなくなるようなら順次追加していけばよいとホクトは考えた。


『鑑定』については、獲得だけでなく、スキル自体のレベルもポイント惜しまず、十分に上げた。

この先おそらく、もっとも使うスキルのひとつになるはずなので、ここでケチってもしょうがないと考えたのだ。


ストレージスキルには、レベルが存在しなかったが、その他のスキルには、それぞれ一応にスキルレベルが存在した。

スキルレベルは、スキルポイントで上げることと、使用して経験を増やすことによるアップの両方が可能であった。


『鑑定』は、ことあるこどに使うだろうが、そのレベルアップのペースがわからない為、ホクトはポイントである程度、この場合レベル20まで上げておくことにした。


『鑑定』のレベル20では、相手の持ちモノだけでなく、ストレージの中のものまで確認することができるようだ。

鑑定する相手がいないので、実際に有効かどうかはわからないが、とりあえず獲得しておく。


『鑑定』に使ったスキルポイントは、レベル10までが1レベル当たり1000ポイント、レベル11~20までが1レベル当たり2000ポイントで、合計3万ポイントであった。


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