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サイドB-11 姉妹のステータス

4日目午後、マルティパーティは、第6階層に突入した。

第5階層のフロアボスはいないため、次の層への長いトンネルを抜けての突入だった。

第5階層と第6階層は階下に降りるわけではなく、ながく蛇行したトンネルを通過することで到達するため、第5階層の延長のようにも感じるが、それが層を移動したと感じれるのは、第6階層が岩山と深い渓谷がつづく景色にかわり、少し赤みががった明るさに変化するためだった。


「この層は、夜がないんだよ」


マルティが姉妹に教えた。

ずっとこの明るさが続くそうだ。

マルティが冒険者ギルドより購入したマップによれば、第5階層ほどではないがそこそこ広いフィールドエリアとのことだった。

ちなみに、この第6階層に続くトンネルは、非常にわかりずらい場所にあった。

第5階層の端というわけでもなく、大森林の中にぽつんと緑に覆われた祠のような小山があって、その上に存在する大木の幹に直接穴があった。

一見すると、木に空いた大穴のようなので、トンネルとしらないと何かの魔物の住処と勘違いしてしまいそうだった。


最初にこの階層を制覇したパーティも、このトンネルを見つけるまで、1回では時間が足りず、何回も潜ってはしらみつぶしにさまよったと記録されている。

冒険者ギルドで制覇者の記録をもとに発売されているマップがあるにはあるが、似たような景色が続くため、迷うものも多いらしい。

マルティは、自身ではなく索敵能力を持つウルフ・ゴーレムの付属機能であるマップ機能により、迷うことなくこのトンネルにたどり着いた。


第6階層は、渓谷により道筋はそれぼと迷うことはないものの、行き止まりも多く、なにより岩山の壁は切り立っていて、高度もかなりあるために、次の層への口まで直進が難しいという特徴を持っていた。

ダンジョンなので適切な表現ではないが、階層全体がいわゆる天然の迷路となっていた。

一向に最初に立ちふさがったのは、20~30メータの切り立った崖を降りなければいけないということであった。

これはミヤビによりカンタンに解決する。

彼女の次元魔法のひとつ、短距離転移魔法、見える範囲には移動できるにより、あっさり崖下に移動できた。


「魔物の種類が、第5階層とは全然違うね」


第5階層が森や川辺に住む魔物がほとんどであったのに対し、第6層はサソリ系やサンドワーム系、トカゲ系にパイソン系であった。

パイソン系は、森にすむタイプとは異なるが、サイズは同じように大型のものだった。


道を把握しているかのように、迷うことなく順調にすすむ過程でも、魔物との接触はさけられなかった。

第6階層とだいぶ深いところまで進んでいるため、魔物のポップ数は今までの階層よりは多い。

が、ウルフ・ゴーレムの体から放たれている数万の索敵端末により、見通しの悪い場合でも、事前に魔物の存在は確認できているので、出会いがしらで、ばったりということはない。

魔物の数だけでなく、種類やサイズ感、担当割り当てまでしてくれるので、心構え的には姉妹も非常に楽であった。

移動だけしていればよい、気が抜ける時間が明確化されているのは、心理的負担が全然違った。


それに作戦といっても、

・ウルフ・ゴーレムが最初に突進してぶちかまし

・追従して、カリン、カエデが突進

・少し背後からマルティによる魔力釣り糸の攻撃

・ツバキは事前バフ魔法や、状況によりカエデの回復

であった。


あと変わったこととして、マルティだけでも片づけられるような場面でも、カエデへの配慮なのか、ひとりで瞬間的に全滅させることは無くなっていた。


「もう少しいったところで、今日は終わるから、頑張って」


マルティが姉妹に向かっていった。

あたりの明るさは変わらないので、時刻はわからないが、二人とも疲れておなかが減っていて来たので、その言葉はありがたかった。

第11階層が目的なので、マルティたちはその間の階層は通過することしか考えておらず、移動速度は尋常ではなかったため、姉妹はついていけるか少し不安だったが、毎日朝食後にもらって飲んでいる栄養ポーションと、レベルとやらが上がってきて自分たちの力や体力が上がっていることもあってか、不思議と無理なくついていけた。


レベルアップの仕組みの説明を受けてからは、魔物は素材獲得の目的だけではなく、自分のステータスをあげる獲物という意識が芽生えたため、魔物遭遇にも積極的になっていた。

そのモチベーションも、ひとつの苦にならない要素となっていた。


しかし、そうなると欲が出てきた。


「あのさ、魔力量を数値化できる鏡があったじゃない?おんなじようにほかのステータスを数値化してみれる道具はないの?」


夕食後、カエデはマルティに直球で聞いた。

ツバキと二人で、道すがらレベルアップと思しき現象に合うたびに、どのくらい上がったか知りたいねと会話していた。

マルティたちとの行軍で、面白いほど自分が強くなっていくのを感じているので、より鮮明に知りたいのはやむを得ない事だった。


「あー、それね、やっぱり知りたいよね」


マルティもレベルの話をしたときから、いつかは聞かれると思っていた。


「ステータスを数値化してみる魔道具は、あるにはあるけど、今回はあの鏡意外持ってきていない」


マルティの言葉に、がっかりする二人。


「だけど、方法がないわけではない。ちょっと問題もあるけどね」


続けたマルティの台詞に、飛びつく二人。


「なによ、問題って」


マルティは、少しバツが悪そうに目をそらした。


「誤解しないで聞いてほしい。道具はないけどステータスを見るスキルは存在する。そして僕はそのスキルを持っている」


やったと思ったと同時に、えっとなった。

それってつまり....。


「僕は二人の力量を知るために冒険者ギルドで1回、あとストレージスキルを獲得してもらうときに、1回みさせてもらった」


本人たちに、許可なくステータスを見たことをいった。

見られた側にとっては、のぞき見したともとれる言葉であった。

なので「誤解しないでほしい」らしい。


一瞬姉妹は自分のプライバシーを除かれたようで、頭に血が上りかけだが、それに勝る知りたい欲求が勝ってか


「ちょっと腹立ったけど、わかるんだよね。なら見て教えてほしい」


カエデが、ツバキと顔を合わせつついった。


「でも、今度から見るときは、一言ほしい」


見られるのが防げないのであれば、せめてもの願いであった。

マルティも胸をなでおろし


「わかった。じゃあ紙に書くから、一人づつ僕の前に来て。あと、教える代わりといっては何だけど、僕のこの能力のことと、レベルの話は、よほどの事情がない限り口外しないと約束して。じゃないと僕のところにいろんな人が押しかけることになりかねないからね」


姉妹は、なるほどと同意した。


マルティは、カエデ、ツバキの順番で確認したステータスを書いた。

項目は、レベル/体力(現在値/最大値)/魔力(現在値/最大値)/腕力/知力/素早さ/物理防御力/魔法防御力/幸運であった。


[カエデ・サーフライト]

Lv.35 Age:19

種族:ヒューマン


HP 950

MP 62(71)

ATK 461

DEF 220

INT 105

AGL 321

MGR  55

LUCK 187


[ツバキ・サーフライト]

Lv.28 Age:17

種族:ヒューマン


HP 720

MP 862(880)

ATK 100

DEF 176

INT 420

AGL 97

MGR  216

LUCK 220


「最初に冒険者ギルドであった時の二人のレベルは、カエデがLv11、ツバキがLv8だったよ」

「すごい、3倍以上だよ、おねいちゃん」

「よし、明日からも、ジャンジャン魔物を狩ろう!」


テンションが上がりまくりの二人だった。

ちなみにこの日の夕食は、「オモライス」という、コメとジャイアントモアの肉をトマトベースのソースで炒めたご飯に、焼いた卵を乗せた料理だった。

カエデだけでなく、ツバキもお替りした。


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