表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/125

サイドA-11 SSRガチャをひく

週末での実験で、あるていど確証を得た北斗は、次の日から徐々にではあるがネオアンバー・ソメイユワールドでの滞在時間を長くしていった。

どんなにあちらの世界で時間が経過しても、こちらの世界での生活に影響がないことはもちろんだが、やりたいことや知りたいことが多すぎて、時間がたつのが早く感じられたせいでもあった。


ホクトが、まず一番時間を費やしたのが、レベルアップであった。

『ケイオスの指輪』の補助もあり、戦えば戦うほど面白いようにレベルアップするだけでなく、現実世界では絶対に経験できない剣豪としての体捌きや、魔法使いとしての魔力の行使が、純粋に快感であった。

魔物と対峙するという緊張感と恐怖感、それを克服した際の達成感も、モニターを通してのゲームでは絶対に経験できない、隔絶した体感の差があった。

なにより、食材を含む素材が、ストレージにバンバン溜まっていくのも、生産系ゲーマーのホクトとしては、楽しかった。


(こりゃもう、普通のゲームには戻れないかもな)


:現実世界のゲームは、いろんなシチュエーションがあるので、それはそれで面白いと思う。

だけど、ワンパターンとはいえ、現実的にそれら経験できるこの世界は、充足感がまったく異なった。


しかも行き詰った際にも、攻略解説なんてものはどこにもないため、自身で解決するしかなく、それものめり込んでしまう要因のひとつであった。


剣技や魔法の行使は、魔物相手に使わなくても、ただ使うだけで経験値になることを知ったホクトは、一石二鳥と目の前の森の木々を剣術や魔法で切り倒すことで、平地をどんどん広げていった。


凝り性がここでも展開されて、最初は小さな運動場くらいでと思っていたのが、もう少しもう少しと繰り返すうちに、少なく見積もってもサッカーのフルコートが最低でも4つは入る大きさまで、拡充してしまった。


伐採した材木も、そのままストレージに取り込んでいったため、いまでは数百本程度が未加工のまま、ユニットストレージ(松)のひとつに、数値だけ表示されて格納されていた。


森伐採の過程で、そこに生えていた食用/非食用キノコや、『鑑定』スキルでたまたま見つけた薬草類も、結構ストレージ内に蓄積されていった。


(せっかく広げた土地だ。なにか活用しないともったいないよな)


レベリングがある程度落ち着いたら、農耕系や建築系のスキルを獲得して、有効活用しようとホクトは考えた。

が、いまレベリングと並行してそれらスキルを獲得すると、生産系のほうが楽しいホクトは、レベル上げなんぞしなくなる自分を知っていたので、すくなくともレベル500程度になるまでは、出さないように固く心に誓うのであった。


ネオアンバー・ソメイユワールドで過ごすこと10日で、ホクトはレベル480に達した。

ステータスも軒並み上がって、


HP 42354

MP 47002(4950)

ATK 39778

DEF 41200

INT 30604

AGL 35031

MGR  48000

LUCK 25666


となった。

このステータスが、常識的なのかチートなのかは、比較対象がいないので、全く未知数であった。

ただ、この世界がホクトの知るゲーム然と同じ感覚であるのなら、魔王とまでは行かないだろうが、ロープレ中盤の始まり程度の値であるだろうと予想した。


ステータスアップの間に狩った魔獣は、


・グレイウルフ 158匹

・ホーンラビット 45匹

・レットボア 18匹

・イビルボア 2匹

・レッドサーペント 5匹

・ジャイアントリーフモア 6匹


であった。

たぶんであるが、この成果は10日という期間としては、そこそこの成果であるだろうと、ホクトはひとり愉悦にひたるのであった。


★★★


それはホクトが、最初にログインした日から現代時間で数えて8日目、かつアンバー・ワールド内で過ごした時間が10日を越えた次の日のログインで、のできこどであった。

メインメニューの『おしらせ』がグラデーション動作していたので、操作して開いてみるとおなじみに近い文言が、そこに並んでいた。


『new 7日連続ログイン特典について』

『new ワールド滞在10日特典について』


(連続ログインていわれてもな....)


好む好まざるにかかわらず、強制的にログインをさせられているこの状況で、ありがたいやら申し訳ないやらの、複雑なホクトであった。

それは、特典内容をみて、さらに大きくなった。


『ログイン7日連続達成特典。ガチャチケット20枚、UR確定チケット1枚、SSR確定チケット1枚進呈「うけとる」「あとにする」』

『ワールド滞在10日達成特典。ガチャチケット10枚、UR確定チケット1枚、SSR確定チケット1枚進呈「うけとる」「あとにする」』


普通のガチャチケットは、ポーションを出したくて、最初に引いた後にさらに30枚程引いていたので多少は減っていたが、UR確定とSSR確定チケットは、まだ手をつけていなかった。

なんとなくだが、ラックステータスが上がってからのほうがよい気がしていて、そのうちにレベル上げに夢中になって忘れてしまっていた。


(レベルも上がったし、そろそろ引いてみるかな)


今回の特典で、UR確定が3枚、SSR確定が7枚になったのと、レベルアップしてLUCK値もそこそこ上がっているので、ここらで1枚づつでもつかってみようという気になった。


といっても、この世界の攻略解説どははないので、どのような種類のものが出るのか全く予測ができない。

ホクトは、ドキドキしながらも、まずはSSR確定チケットを1枚使った。


パチンコでよくある確率変動のような派手なアクション効果画面が、金色一色にうめつくされる。

ホクトがまぶしくて目を細めるほどのエフェクトに続いて、獲得物の文字とイメージ図が表示された。


(えっ、なにこれ、なんで、なにこれ)


表示されたのは『UR 次元魔法使い ケット・シーみやび』の文字と、猫耳を持つ漆黒の毛の獣人の絵柄だった。

魔法使いと書かれてはいるものの、杖は持っておらず、代わりに両の手には30センチ程度の小太刀が逆手に握られていた。

端の方には見る角度によって光沢が変わる、虹色の文字で記された『Lv5000』の文字が、存在感をもってホクトの目に飛び込んできた。


ホクトは、しばし画面を凝視していたが、少しするとそれは他のガチャチケットで得たアイテム同様、目の前に顕現した。

ホクトの目の前に、先ほどの画面と寸分たがわぬ、それでいて実態をもつネコ耳ネコ目に黒い尻尾をもった獣人が顕現した。

猫人は、一言も発しないがこちらをにらみつけ、無言で立ち続けた。


ホクトも一言も発せず、あわてて『ヘルプ』をおオープンし、新しく表れたアイテム?の説明を読んだ。


[UR 次元魔法使い ケットシーみやび]

ホクト(総)の仲間兼従者

アイテムを使うことにより、この世界にケットシーとして顕現させることが可能。ホクト(総)が指示を与えることにより、独自の判断での行動が初期条件によって可能。


Lv.5000 Age:7 名前:ミヤビ

種族:ケット・シー


HP 510,000

MP 1,220,000(277,000)

ATK 389,666

DEF 220,500

INT 860,604

AGL 665,031

MGR  849,8000

LUCK 127,000


固有スキル 『次元魔法群(極)』、『秘拳「月夜見闇透拳」(皆伝)』LvMAX

スキル 『剣術(小太刀二刀流)(皆伝)』LvMAX、『隠形(極)』LvMAX、『気配察知(極)』LvMAX


「URって、なんだよ。レベル5000て、どういうこと?」


聞く相手もいないのに、思わず声に出してしまったホクトであった。

それもしかたないくらいの、唖然とさせられる内容であった。


レベルだけでいえば、現在のホクトの5倍、ステータス的には10倍以上になる。

なかでもとびぬけているのが、MPでこちらは25倍程度あり、1時間の回復魔力量でさえ、ホクトの全魔力量の5倍はあった。


固有スキルも未知の内容で、スキルチェインにも出てきていない内容だった。

スキルについても見たこともない「LvMAX」表記で、通常のスキル最大値のLv10ではない。

おそらくだが、(極)の表記からその系統のスキルチェインの上位がもうない場合にLv10になると、MAXと表記されるのではとホクトは予想した。


あらためて自身のスキルチェインを確認してみたが、(極)や(皆伝)という言葉はどこにも存在せず、相当上位のスキルであると予想された。ましてや秘拳など、結構なスキルチェインが表示されている体術系の中にも、影も形もない。


ホクトはもうひとつ、気になる言葉があった。

ホクトの従者というのは、なんとなくわかる。

だけど表記は「ホクト」ではなく「ホクト(総)」なのだ。この(総)がなにを意味するのか、この時点でホクトは想像だにできなかったが、この後のホクトの活動の幅を劇的に広げる意味をもつ言葉であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ