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第7話「崩れた壁の奥へ」 - 2

※生成AIで作った画像を挿絵に使っています。その為一貫していない部分がありますが雰囲気モノとしてご容赦ください。

「魔法は頭の中に描くものだ。描いたならばそれを加護の神に念じて伝える。今回のように複数の神に伝えるのが非常に難儀で普通の魔法使いはできないようだな。別々に伝えようとするから失敗するんだ。一連の魔法として伝え、その中でオルガヴェインに頼る部分、イシュナリエルに頼る部分を明確にする。ハァハァ…」

息を切らしながらも話すのをやめない自己顕示欲。


「ま、並の魔法使いが多少修行したくらいではできないがな。ガハハハハハハ!ガッ、ゲホゲホゲホ…み、水をくれ…」


これ以上ないほどにギルバートはご機嫌だった。一気に5匹の巨人を倒したのだ。今は自慢話を聞いてやろう。俺の水筒を渡す。


挿絵(By みてみん)


「さっきのは2つの魔法を繋げたが3つでも4つでもできるぞ。今見せてやろう」


お調子もんだな・・・もう止めよう。この先まだまだ戦いが待っているのにそんな大技魔法を使われて疲れられては困る。ギルバートには回復魔法もやってもらわなきゃならない。


「ギルバートさんの詠唱の時間を稼いだ姉さんも凄かったよね!」

無理やり割って入る。


「たしかにその通りだ。ターニャ殿の連撃はものすごいものだったな。二刀流で何をするのかと思ったが、あのような鬼神の如き連続技、恐れ入った。しかもあなたの剣には何か魔力が宿っているようだ。ビリビリ感じるものがあったぞ」


「そうですか? 私の剣は亡くなった父の形見で、弟のは行商先で買ったものです。普通の剣ですよ」

姉は俺に剣を返し、自分の剣を拭きながら答えた。


「本当か、両方の剣から魔力が発せられているように感じたが、太刀筋がとても速いから勘違いしたかな。そうかそうか、ご尊父はさぞかし高名な方だったのであろう。名のある司教が剣に加護を宿したのではないかな?」


司教? 父親は教会に縁のある戦士だったのかな?


「さあ…父は強い戦士だったとしか聞いていません。教会とは関係なかったんじゃないでしょうか。冒険で見つけたのかもしれないですね」


アンナと顔を見合わせる。やはり父親の話は他人にあまりしたくないようだ。


「さてと。ピーターさん、ダニエラ。ごめん、前言撤回。やっぱりここまでだわ。こんなに強力な魔物がうじゃうじゃいる洞窟だとは思わなかった。この先2人を守りながら進んでいく自信がないの。申し訳ないけどこの人たちと一緒にギルドまで戻って」


「う、うん。ターニャやギルバートさんが凄い冒険者だってことはよく分かったよ。私もこんなに大きくて怖い魔物が出てくるとは思わなかった。か、帰るね」

姉の指示に2人はさすがに素直に従い、回復した冒険者たちに守られて帰っていった。


2人と分かれて4人になったパーティは崩れた壁の奥へと入っていった。


あと1組、どこかで助けを待っているはず。


(第7話 完)

読了ありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価をぜひお願いします。

星1個でもいいんで♪


★あとがき★

前回に続き、ギルバートが語りまくってます。その中でターニャの剣技のルーツを掘る会話が少し。そうだった、ギルバートは剣士だったのでターニャの戦い方や太刀筋が独特で気になってるんです。騎士と関係あるのかな?でもそれだけじゃなさそうだぞ、を漂わせられてれば願ったり叶ったりです。


次話、いよいよヴァーレルソルイの洞窟編も完結へ。ちゃんと大ボスを用意しておきました。

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