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第7話「崩れた壁の奥へ」 - 1

※生成AIで作った画像を挿絵に使っています。その為一貫していない部分がありますが雰囲気モノとしてご容赦ください。

「私が見たのは先ほどより強い種に違いない。5匹いるが道は狭いので順番に倒せるだろう。ターニャ殿は先頭の魔物を倒して後ろの魔物たちが前に来れないようにしてくれ。そこに私がありったけの魔法を撃ち込む」


「分かりました」


慎重に進むとギルバートが言っていた通りの光景が現れた。


壁が崩れており、その内外に5匹の人型魔物がうろついている。どれも2メートル以上身長があり筋骨隆々としている。

これは間違いなく強敵だ。近づきたくないな…


壁の手前の岩陰に傷ついた冒険者が3人隠れていた。恐怖で震えている。


「アンナとトーマスはあの冒険者たちを助けて後ろに連れていけ」

姉の口調が戦闘モードになった。

「貸して」

姉は俺の剣を抜くと二刀流に構えた。


「10数えたら魔法を撃ち込む。それまでに先頭を倒してくれ。魔物は殺すと消えてしまうから倒すだけでいい」


「了解」


ギルバートは胸の前で両手を合わせて数え始めた。

「1…2…3…」

氣魔法は詠唱を必要としないらしい。だからカウントできるのか。


魔物がこちらの存在に気づいてゆっくり向かってきた。


6とともに姉が飛び出し、先頭の魔物に2本の剣で猛烈な連撃を浴びせた。


ズザザザザザザザ!!

「グオオオ…」

魔物はなす術なく斬られ膝をついた、が倒れずに反撃しようとしている。


なおも姉は止まらず斬り続け、遂に魔物は堪らず後ろに倒れた。後続の魔物は倒れた仲間を乗り越えてこちらに来ようとした。


「8…よくやったターニャ殿!」

そう言うとギルバートは今度は詠唱を始めた。


カウントが10になっただろうその時、魔物たちの上から大量の炎の玉が降ってきた。


「グオ!?ガガガガッ…」

不意打ちを受けて魔物たちは叩き潰されるように倒れた。

そこにさらに炎の玉が降り注ぎ魔物たちを容赦なく痛めつける。


一瞬で勝負は決した。

黒焦げになった大きな5つの塊はそのまま黒い砂になって消え失せた。


挿絵(By みてみん)


ダニエラが感動して大絶叫したのをピーターが口を塞いだ。2人とも凄いものを見たと興奮している。2人とも腰が抜けた状態で仲良く抱き合っていた。先ほどの大蛇といい、ここでの巨人といい、初めての冒険にしちゃ過激すぎる経験だ。


「質問される前に答えておこう。氣魔法で3人の分身を生み出し、その念体を魔物たちの真上に送って上から火の精霊イシュナリエルに働きかけ、炎の玉を浴びせた。奥の魔物まで一気に倒す妙案だろう?」

ギルバートはゼェゼェと荒い息をしながらも誇らしげに説明した。


「氣魔法に火の精霊魔法を重ねるなんて…もしかしてこの人とんでもない魔道士かもしれない…」

アンナは開いた口が塞がらないといった様子だった。ほんとになんでこんな凄腕の魔法使いが田舎町にいるんだ?


ピーターの水筒を奪って飲み干したギルバートはさらに語り始めた。


(続く)

読了ありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価をぜひお願いします。

星1個でもいいんで♪


★あとがき★

「魔物は殺しちゃうと黒い砂みたいになって崩れて消えてしまう。だから殺さないで倒すだけにして後続の壁にする」

どうやって5匹もいる人型魔物を洞窟で一気にやっつけようかと考えた時に、ファンタジー設定を逆手に取ったようなアイディアがポロっと出てきました。それにしてもギルバートは強い。歯止めが効かないです。


★この世界・物語の設定★

「火の精霊イシュナリエル」

火の精霊といったらサラマンダーとかイフリートとか居ますがひねくれてるのでオリジナルの精霊を作りました。細かい設定はもちろん考えていません。ごめんなさい。

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