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第5話「ギルドの緊急事態」 - 2

※生成AIで作った画像を挿絵に使っています。その為一貫していない部分がありますが雰囲気モノとしてご容赦ください。

「ターニャさん、助けてください!」

駆け寄ってきたギルドの職員たちが彼女を囲んで懇願してきた。


「緊急事態です。貴女のような強い冒険者の助けが必要です!」


ピーターとダニエラは初めて見る冒険者ターニャに目をキラキラさせている。


「あの…もう冒険者は辞めたんです。今はしがない旅芸人でございまして…」


「ターニャさんが芸人!? そんなこと言わずにどうか助けてください」


そこへピーターとダニエラが割って入ってきた。


「はいはいはいはい、ターニャさん?」


「この方々は大変お困りです」


「ターニャさんはそれを助けることができます」


「これを見捨てておいてっ!」


「一体あなたはっ!」


「今晩どんな風刺をするおつもりですか!?」


「ここで活躍したら月明かり団はさらに有名になるというのに?」


珍しいコンビの掛け合いがターニャに詰め寄る。


挿絵(By みてみん)


「ぐ…」

思わぬ2人から追い込まれてターニャは返す言葉が見つからなかった。


「ターニャさんお願いします! この通りです!」

職員は跪いてターニャに懇願している。ダニエラたちにはプレッシャーを掛けられている。トーマスとアンナは顔を見合わせた。

「こりゃダメだ」


「…わかりました。旅芸人『月明かり団』としてご協力します。話を聞かせてください」


「よーし!」

なぜかダニエラたちはギルド職員よりも喜んでいた。


ギルドで詳しく話を聞くと事態は切迫していた。

何組ものパーティが戻らないので、昨日上級者のパーティが救助に向かったが彼らも戻ってきていないそうだ。


町はずれの洞窟は昔から探索されていて魔物は大体駆逐されていると言われていたが、3ヶ月ほど前に洞窟内の壁が崩れ、奥から魔物たちが出てきたらしい。


この魔物たちがとても強く、迂闊に近づいた冒険者がやられてしまう被害が続出。今回討伐隊を編成して臨んだが、彼らでもダメだったようだ。


「ギルド参謀のギルバートさんも同行します。彼はこの町随一の魔法使いで冒険者としても名を馳せた方です。きっと良い助けになりますよ」


◇ ◇ ◇


冒険者ギルド内の会議室。

ターニャたちとギルバートが座っていた。

魔法使いだと聞いていたが、ギルバートは首も腕も太く迫力があった。


「…それでピーターさんとダニエラはどうしてここに座ってるの?」

ターニャは呆れた表情で聞いた。


「いやだって今回は月明かり団として引き受けたんでしょ? それにターニャの活躍を見れる機会は滅多にないもん。ついて行くでしょ!」

ダニエラは無邪気に答えた。ピーターも深く頷いている。


「名高い剣士ターニャ殿と冒険に出られると期待してたら、そのお供が子供と曲芸師と踊り子というのはどういうことなのかね?」


ギルバートはターニャの方しか見ていない。


「こ、今回は旅芸人『月明かり団』としてこの作戦にご協力しています。戦い慣れぬ者がいる事はご勘弁ください。団の者は私が面倒みますので、貴殿は自身の身の安全を優先してください」


「ふん、ここの冒険者ギルドも地に堕ちたものだ。こんな道化師集団に頼らないといけないとはな! では君らに死者が出ても私は一切気にしないからそのつもりで」


「貴殿にはご迷惑を掛けません。ささ、先行している冒険者たちの救助に早く向かいましょう」


なんともターニャはやりづらそうだった。


(第5話 完)

読了ありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価をぜひお願いします。

星1個でもいいんで♪


★あとがき★

ピーターとダニエラのキャラが急に立ってきました。

二人の台詞が自然と出てきて勝手に掛け合いが始まりました。

自分で考えた設定なのに「義を見てせざるは勇なきなり」なんて事を言われちゃう道化師は元冒険者のターニャだけだなぁと感心してます。

そしてお荷物を抱えた状態で戦わなきゃいけないターニャ、楽しみです。


次話、洞窟での冒険物語が始まります。やっぱりやり過ぎたかな。

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