表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/259

第5話「ギルドの緊急事態」 - 1

※生成AIで作った画像を挿絵に使っています。その為一貫していない部分がありますが雰囲気モノとしてご容赦ください。

一座は次の町ヴァーレルソルイに到着した。


馬車を宿屋に預け、町を歩いてみることになった。ミハイルとペトルは宿屋に残って楽器の調整や馬の世話をしている。


ヴァーレルソルイは港町エルミナルよりも小さいけども織物や編み物、刺繍などが盛んで手芸の町として知られているそうだ。


「ヴァーレスンっていう独特の刺繍が有名でな。ラミナが大好きでここに寄るといつも買わされる」

ステファン座長が苦笑しながら話すと


「あーら、そう言うけど頼んでもないのに買ってくれるのはあんたの方でしょ! アタシにぞっこんなんだから困ったもんよね」

ラミナがからかう。


「そんな事ないぞ」

「そんな事ないの?」

「そんな事…ある」


ステファンとラミナの夫婦はとても仲が良い。

30代後半になってもジャレあえるこの夫婦には皆が感心する。


挿絵(By みてみん)


娘のダニエラは両親のジャレ合いには興味がないようで、踊るようにステップを踏みながら露店に並ぶ珍しい手芸品を見て回っていた。


その傍らで、さっきからトーマスは座長に教えてもらった刺繍を見定めている。


デザインの素晴らしさはよく分からないが、多くの人が手に取っているし、値段もなかなか張るものなので、遠くの町に持っていったら高く売れそうだ。


「あんた、あの刺繍で儲けるつもりでしょう?」

トーマスの心の中を読んだかのようにアンナが鋭く指摘してきた。


「うん、この刺繍は確かに独特で綺麗だから儲かる気がするよ」


「ふーん、まぁ商売は貴方に任せるわ。儲かったら私に新しい靴買ってよね。穴あきそうなのよ」


「穴あいてから相談しな!」


「なーにー!! 穴あいてからじゃ遅いでしょ!」


ここでもアンナとトーマスの言い合いが始まり、それを見つけたダニエラはケタケタ笑っている。


「この町の秋のお祭りに出れるんですよね、楽しみだな~」


「おう、その祭りで俺は剣技も織り交ぜた芸を披露するぞ。ということでターニャ教えてくれ!」


「お、ピーターさん、じゃあ明日の朝からやりますか」


「頼むぜ、師匠!」


なお、ピーターは1日目で音を上げて逃げ出すことになる。


「祭りの話をいただいたんだ。こういうのはちゃんとしておこう」

座長夫婦は領主様に挨拶に行くと言って別れた。


ターニャたちはもう少し町を見て回ることにした。

しばらく行くと何やら人だかりができている。


近づいてみるとそこは冒険者ギルドだった。

なんでも一昨日に町はずれの洞窟探索に向かった何組ものパーティが戻ってきていないらしい。

ターニャは「冒険者も大変だね。さ、行こう」と、とっととそこを離れようとした。


挿絵(By みてみん)


「あ!あ!剣士ターニャ!!」

集団の1人が彼女を見つけて指差した。


「本当だ、剣士ターニャだ」

「あれがターニャか…」


大きな帽子にフェイスベール姿でターニャは顔を隠してるつもりでも、周りからしたらトレードマークみたいなもの。すぐにその存在がバレてしまった。


(続く)

読了ありがとうございます。

☆☆☆☆☆の評価をぜひお願いします。

星1個でもいいんで♪


★あとがき★

元々ヴァーレルソルイの町では旅芸人の休日を描いていたのですが、20話くらいまで書いた後に読み返してみたら全く必要のない話だったので、大きく変えて洞窟を登場させました。変えたらもの凄い冒険物語になっちゃったという…


独特の刺繍ヴァーレスンは2年後に再登場します(笑)。


そしてターニャの風貌。理由あってこの格好なんですがこの世界でも珍しい格好という事にしてるので目立つんですよね。後で気づきました(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ