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第6話「ティレタル家の議事官」 - 4

※生成AIで作った画像を挿絵に使っています。その為一貫していない部分がありますが雰囲気モノとしてご容赦ください。

グレゴリーからは多くの話が聞けた。

「なんでもどうぞ」と言う彼に甘えさせてもらい、アンナはさらに質問を続けた。


「こちらのティレタル家とセルヴィオラ家はどんな関係だったのですか?」


「先ほどの2つの家よりも深い関係です。当家とセルヴィオラ家は何代も前から頻繁に交流がありました。セルヴィオラは中央に対して顔が利くのでティレタルに対しても便宜を図り、ティレタルは忍者はじめ独自の文化をセルヴィオラに提供するという協力関係にありました」


不正会計や中央への口利き。姉ターニャには受け入れ難い話だろうが、セルヴィオラ家には裏で工作する政治屋的な側面があったのかもしれない。


「なるほど。グレゴリー様は父ルーファスが亡くなった事件の方は何かご存知ですか?」


「聖騎士団の団長・副団長が同時に亡くなったという衝撃的な事件だ。もちろんよく覚えています。それに変な終わらせ方でした。あの事件はセルヴィオラ家襲撃事件の賊と同一犯の犯行として片付けられましたが、聖騎士団のトップ2が賊なんぞに簡単にやられるとは思えない」


グレゴリーの弁に熱がこもる。


「それなのにあっさりと捜査終了したので、当時の宮廷では陰謀論が噂されていたらしいです。リリー副団長の実家クロワ家はもっとちゃんと調査するよう何度も要請するも捜査が再開される事はなかった聞きます」


「ありがとうございました。次はマルトゥリック様、オーリンダール様、クロワ様に話を伺おうと思います」


それを聞くとグレゴリーは少し難しい顔になった。


「マルトゥリック家には注意された方が良いですぞ。あの事件で一番得をしたのはマルトゥリック家です。セルヴィオラ家が無くなった事でリダニウ鉱山の管理者がいなくなり、それを引き継いでいます。それ以来台所事情が相当潤っているのは間違いありません」


「それは…マルトゥリック家が黒幕かもしれないという事ですか?」


「いやいや私がそんな事は言えません。ただそういう目で見るとオーリンダール家も分かりません。彼らは長年領地の境界線でセルヴィオラ家と揉めていました。事件後にオーリンダール家は領地を広げています」


グレゴリーは壁に貼られたこの地域の地図を指差し、境界線をなぞって見せた。


挿絵(By みてみん)


「事件の時、オーリンダール家の部隊がセルヴィオラ伯爵夫妻の救出に向かうも時すでに遅く、夫妻の最期を看取ったそうです。しかしその場面を見た他の家の者はいません。こちらも下手なことは言えませんが」


「グレゴリー様、怖いです…どうしよう。どちらの家に行くのも危ない気がしてきました」


か弱い貴族令嬢を演じながらアンナは前世の嫌な記憶を思い出していた。どこの貴族たちも同じようだ。足を引っ張りあったり、不幸につけ込んだりしてのし上がろうとする。前世でのイザベラも散々そうした政争に巻き込まれていた。


◇ ◇ ◇


ティレタル伯爵家を出てアンナたちは馬車に戻った。


「姫様、この後どういたしますか?」


アンナは一度王都に戻ることを決めた。

多くの貴族が登場し、関係も複雑なようだ。トーマスの方で調べた情報とも合わせたい。


出発前にアンナはエミリーに個別に指示を出した。

「エミリーさん、あなたにはお願いしたい事があるの」


(第6話 完)

ここまで読んでいただきありがとうございます!

「面白そう」「続きが気になる」と感じましたら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです!

皆様の応援が作者のモチベーションとなりますので、是非協力よろしくお願いいたします!


★あとがき★

あ、今回で100話です。

よく続いたもんだなぁ・・・これからもよろしくお願いいたします。


さて今回、実家セルヴィオラ家が滅んだことで得した貴族がいることが分かりました。

彼らは黒幕なのでしょうか。それがハッキリするのはだいぶ先かなぁ。。。

マルトゥリック家、オーリンダール家、クロワ家とたくさん出てきましたが何となく覚えておいて下さい。この後色々繋がっていきます。たぶん笑


次話、今度の主役は姉。ターニャに到来したのはモテ期!?

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