002 終わった世界の出会い方
――1年前。
両親が病で死んでしまった私は、一人この辺りの廃墟をさ迷っていた。
来る日も来る日も毒の雨や獣から身を潜めながら、必死に食べられる物を探していた。
けれどある日、一つの廃墟でとうとう倒れてしまった。
当然だ。
結局まともな食糧は見つけられなかったし、服はボロボロになる一方だった。
私は衰弱しきっていて、いつ死んでもおかしくないなぁ、なんて冷静に思っていた。
――ただ、諦めていた。
そんな時だった、廃墟に囲まれた空から白い雪が私の頬にそっと触れた。
その瞬間、涙があふれてきた。
自分でもわけが分からずに泣いた。
――生きたい。
生きたい、生きたい、生きたい!
私は叫んだ、たとえこれが最後の叫びになろうと。
けれど、けれど誰も来てはくれなかった。
それもまた、当然だった。
この地区はとうに廃棄された場所だったから。
それでも叫んで、喉が裂ける程に叫んで、叫び続けた。
そうしていると不意に空が暗くなった。
君どうしたんだっ! 家まで運ぶからそれまでしっかりするんだ!
そこで私の記憶は途切れてしまって、気がついた時にはお兄ちゃんの家にまで運びこまれていた。
最初は見ず知らずの人に連れてこられたことと、疲労でずっとお兄ちゃんのことを警戒していた。
けれど、お兄ちゃんの介抱を受けてくにつれ、私はしだいにお兄ちゃんに心を開いていった。
大分して私の体調と心が落ち着いてきたある日――
私はお兄ちゃんにここに来るまでのことをようやく話せた。
黙ってお兄ちゃんは私の話を聞いてくれた。
今度は、お兄ちゃんが自分の両親も病で亡くしていたことを話してくれた。
だから今は、亡き両親の研究を引き継いで一人暮らしをしていたということだった。
お互いの両親を同じ病で亡くしていた私たち。
その病についてもお兄ちゃんは教えてくれた。
――『アッシュ』
この国が『ルイン』という名前ではなかった遥か昔、大国同士が戦争をしていた。その戦争である国が放った『テンシ』が原因とされている奇病。
その病に罹って助かった人は――いない。
もし、『アッシュ』に罹ってしまい――
パパ、ママただいまー!
そして最後まで症状が進行すると――
アリスッ? 来ないで、来ちゃだめよっ!
体の一部から始まり――
え? どうしたのお母さ
少しずつ少しずつ――
みな、い……で、お願、い……
足や腕そして――
ぅあ……
最後には――
あっ、あぁ……
全て
き
え




