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エピローグ 題名のない反省会

巡「こんばんは~」


ロウ「お、来たか、公務員」


陽想華「待ちわびたぞ、十乃氏」


頼都「先にやってるぜ」


巡「すみません、遅くなっちゃって…って、わあ!もうこんなに飲んでるんですか!?」


頼都「固いこと言うな。今日は一年の終わりなんだ。無礼講だろ」


巡「一年の終わりって…あれ?今日はハロウィンじゃ…」


シーン


ロウ「な、何を言ってんだ?今日は年末だろ、年末…!」


頼都「そ、そうだぜ。ハロウィンなんて…もう何千光年前の話だよ…?」


巡「…頼都さん…お酒、注ぎ過ぎてグラスから溢れてますけど…」


陽想華「はっはっは。十逢氏も存外、繊細だな!(←「忘却」と書かれた扇子を広げる)」


頼都「お前も無かったことにしようとしてんじゃねーか」


陽想華「あ、店員さん、ノンアルコールをピッチャーで」


ロウ「ハアァァァァ…しかし、締まらねぇよな、今年は」


頼都「まったくだ。エラい恥をかいた気分だぜ」


ロウ「…今まで恥をかかなかったハロウィンってあったのかよ?」


頼都「ねぇな。悲しいことだが」


ロウ「まあ、今回はとびっきりだけどな。おまけに筆は進んだ気配は無し。いい加減、俺の方の新作も頼みたいんだが」


陽想華「同感だ。私はいつまで高校生を続けていればいいのか。季節的にはまだ五月だぞ、五月。夏休みも運動会も学園祭だって書かれていないんだぞ」


巡「ま、まあまあ。どのシリーズもあまり時間進行の概念ないですし」


陽想華「十乃氏、そうやって作者を甘やかすとクセになるぞ?」


巡「…はい…」


頼都「このハロウィンのエンディングも、毎年なら『ちょっとイイお話』って雰囲気で余韻のある終わり方だったんだけどな」


ロウ「今年はこうやって飲み屋でコタツで鍋囲んで打ち上げか。ま、俺はこっちの方がありがたいけど…な!」


陽想華「ああっ!それは私が育てていたお肉だぞ、ロウ氏!!」


ロウ「悪いな。荒野では油断した奴から何もかも失うのさ」


陽想華「ぐぬぬ…まさか、半生を持っていかれるとは…!」


巡「ほらほら、睨みあわないください。お肉ならまだたくさんありますから。ロウさんも生煮えのお肉なんか食べたらお腹壊しますよ?」


頼都「得体の知れない虫を食ってピンピンしてんだ、平気だろ」


巡「頼都さんは野菜もちゃん食べてくださいね」


頼都「ほっとけ。母親かお前は」


陽想華「何というか、十乃氏はそんなイメージが似合うな」


ロウ「言えてるwwwで、亭主はこっちのカボチャの旦那なwww」


頼都「やめろ。気色悪い」


陽想華「パパ、ひどーい」


ロウ「パパ、人でなしー」


頼都「顔を鍋にぶちこまれたいか?あと、さりげなく子どもになりきってじゃねぇ」


巡「あはは、でもそういうのもいいですね」


頼都「ああ?」


巡「何ていうか、こうして違う作品同士のキャラクター同士で仲良くお鍋を食べて…本当の家族って感じがして、ほんわかします」


頼都・ロウ・陽想華「…」


巡「え?皆さん、どうしたんですか?」


ロウ「いや…お前さんはとことんそういう流れに持っていくなって」


陽想華「同じ世界観の存在なのだが…どこか汚しづらいというか、後光が差すというか…」


頼都「昔っからだよ、こいつはな。ナチュラルにピュアで自覚なし。女もオトすし、妖怪もオトす」


巡「?」


陽想華「さすがに私の舞台には踏み込んでこないと思うが…気をつけよう(汗)」


頼都「せいぜい気張れ。本当に女と妖怪には猛毒だぞ。コイツ」


巡「あのぅ…さっきから何の話ですか?」


ロウ「何でもないよ。ほら、グラス空いてるぜ。何飲む?」


巡「あ、じゃあ、ウーロン茶のホットで」


頼都「俺はウイスキーをロックで頼む」


ロウ「はいよ。俺はそろそろ日本酒にすっかな…すんませーん、店員さーん!」


陽想華「しかし、今年も色々あったな。諸氏はどんな一年だった?」


ロウ「特に何もなし。根なし草だからプラプラして終わり」


頼都「例によって怪物狩りだ」


巡「僕は大妖の皆さんに会えましたし、新しい特別住民(ようかい)の皆さんにも会えましたね」


陽想華「三者三様か。しかし、無事にこうして再会できて何よりだ(←「無病息災」と書かれた扇子を広げる)」


巡「ですね。また、こうして皆さんに会えて、本当にうれしいです」


頼都「へっ、俺は殺されても死ねねぇよ」


ロウ「こっちの旦那ほどじゃないけど、右に同じ。まだまだくたばれないね」


巡「じゃあ…また、来年も会えますよね?」


頼都「まぁ、な」


ロウ「できたら、新作を引っ提げて来たいねぇ」


陽想華「ふふん。この私の華麗なる活躍を期待して欲しい(←「予定」と書かれた扇子を広げる)」


店員「はい、ホットウーロン茶とウイスキーのロック、日本酒のぬる燗でーす」


ロウ「お、来た来た」


陽想華「私もそろそろ次を頼もうかな」


頼都「そのピッチャーの、責任持って飲みきれよ?」


陽想華「う…善処しよう」


ロウ「んじゃ、飲み物のお代わりも来たし、巡も届いたし、乾杯をやり直すか!」


陽想華「そうだな!」


頼都「じゃあ、遅刻した奴、乾杯の音頭を頼むぜ」


巡「ぼ、僕ですか?」


ロウ「ほれ、酒が熟す前に頼むぜ」


巡「え、ええと…じゃあ」


陽想華「やんややんや!」


巡「えー…皆さん、今年も一年間お疲れさまでした。たぶん皆さんにも色々なことがあった一年だったと思います。もしかしたら、大変なことや辛いこともあったんじゃないでしょうか。でも、そうしたことが新しい年を素晴らしいものに輝かせてくれるエッセンスだと僕は思います。何よりも、この一年を次の一年へと繋ぐことができただけでも、それは素晴らしいことだと思います」


頼都「長ぇよ。早く締めろ」


巡「あ、すみません、つい…」


ロウ「ま、言いたいことは伝わったんじゃねぇか?」


陽想華「そして何より、十乃氏らしい」


巡「ありがとうございます!…それじゃあ、新しい年が皆さんにとって素晴らしい一年になりますように…カンパーイ!」


頼都・ロウ・陽想華「カンパーイ!!」


巡「…ところで、今日って本当にハロウィンじゃ…」


頼都・ロウ・陽想華「ないから!!」



【END】





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