第一話 (ΦωΦ)大戦争
【登場人物紹介】
・十乃 巡
「妖しい、僕のまち」の主人公。
お人よしで、人畜無害な好青年だが、天然の女妖殺し。
降神町役場特別住民支援課勤務。
特殊能力なし、決め台詞なし、おまけにモテてる自覚なし。
ハロウィンになると何かと受難。
・アクエンアテン
「Halloween Corps!-ハロウィンコープス-」より登場。
正体は“不朽人”
古代エジプトの王様で、黄金の仮面に3m近い巨漢。
怪力無双で呪いも操る太陽帝。
・ネフェルティティ
「Halloween Corps!-ハロウィンコープス-」より登場。
正体は“幽霊”
古代エジプトの女王様で、褐色の肌の美女。
魔術を使い、夫であるアクエンアテンとは表裏一体の同一人物。
・三池 宮美
「妖しい、僕のまち」より登場。
正体は“猫又”
降神町役場主催の「人間社会適合セミナー」の受講者である特別住民。
十乃を気に入っているが、万年サボり魔。
巡「今日は悪夢のハロウィン。有給休暇を取らせてもらったし、とりあえず職場関連でのゴタゴタは未然に防止できたかな…後はプライベートの方でだけど、今日一日は家で大人しくしていよう」
ピンポーン(呼び鈴)
巡「……」
ピンポーン(呼び鈴)
巡「聞こえない。何も聞こえない!」
ピン…ポーーーーン(呼び鈴・長目)
巡「何も聞こえないったら…!」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン(呼び鈴・連打)
巡「…………はい」
アクエンアテン「トリックオアトリートである(ドアップ)」
巡「うわああああああああっ!?」
アクエンアテン「太陽帝たる余の尊顔を拝謁し、奇声を上げるとは…無礼な下賤なり」
巡「どっどどどどどどなたですかっ!?」
アクエンアテン「余はアクエンアテンことアメンホテプ4世。古代エジプト第18王朝の王にして太陽神の申し子である」
巡「ど、どうも…十乃 巡と申します…で、あの、その王様が何故こちらに…?」
アクエンアテン「今宵は『ハロウィン』なる異教の祭典と聞いた。しかも仮装し、定められた呪文を唱えることにより、下賤から献上を受けるとか」
巡「…何かビミョーに違ってますが…まあ、概ね合ってます」
アクエンアテン「では、早速献上品を受けよう。神の代行者である王が、下賤に下賜するのが本来在るべき形なのだろうが、今宵は戯れである」
巡「ええと…要は僕が貴方に何かお渡しする…ってことですよね?」
アクエンアテン「是である」
巡(うーん、困ったな…相手が子どもならお菓子でもいいと思うんだけど…王様には一体何をあげればいいんだろう…?)
アクエンアテン「下賤よ、悩むことはない」
巡「えっ?」
アクエンアテン「余の威光を受け、貴賤の差に竦む気持ちはよく理解できるが、余は寛大である。如何なる献上品も受け取ろう」
巡「わ、分かりました…」
~数分後~
巡「すみません、色々見繕ったんですが、こんなのしかなくて…」
アクエンアテン「…これは…」
巡「前にゲームセンターのクレーンゲームで取ったネコのぬいぐるみなんですが…」
アクエンアテン「何と…汝はバステト女神の信徒か!?」
巡「ばす…てと…?」
アクエンアテン「忿!」
シュルルルル…
巡「わっ!?王様の身体の包帯が…」
ネフェルティティ『聖帯解除完了!神妃ネフェルティティ降臨!』
巡「な、な…!?」
ネフェルティティ『ふ…驚いたか、下賤。太陽帝アクエンアテンは我が夫にしてもう一つの妾。そして、妾こそ女王ネフェルティティじゃ!』
巡「はあ…そうなんですか…(汗)」
ネフェルティティ『今宵は仮装するのが流儀と聞いてな。聖帯を纏い、我が夫である王モードになっていたというわけじゃ』
巡(あれって仮装だったんだ…)
ネフェルティティ「しかして下賤よ。唯一神たる太陽神の代行者、このネフェルティティにバステト女神の偶像なぞ献上するとは…恐れ知らずにも程がある!」
巡「よ、よく分からないんですが、これは『キ〇ィーちゃん』という架空のキャラクターのぬいぐるみなんですけど…?」
ネフェルティティ「黙りおれ、下賤!この目、耳、口、尻尾!まごうことなき虐殺の猫女神の偶像ではないか!?」
巡「いえ、これは普通にネコを擬人化したもので…」
ネフェルティティ「ええい、まだ妾をたばかるか!?冥府の魔獣の贄にしてくれる!」
巡「ひゃあ!誤解ですーーーーーっ!」
三池「十乃くーん、こんにちは~!」
巡「あっ、み、三池さん…!」
三池「役場で聞いたら、今日はお休みだって聞いたから、講義をサボって来ちゃった♡ね、見て見て!どお、この衣装!」
巡「ま、魔女のコスチュームですか?よく似合ってますが…少し露出し過ぎではないですか…!?」
三池(真っ赤になっちゃて♡うふふ、かなり大胆だったけど、効果は抜群みたいね!)
ネフェルティティ「そ、そなた…そのネコミミ…尻尾…(わなわな)」
三池「あれ?このおばさん、だぁれ…?」
ぶちっ!
ネフェルティティ「よもや現世に顕現していたか、くそネコ女神が…!」
三池「みゃああああっ!?謎のおばさんがキレた!?」
ネフェルティティ「黙りおれ!妾は享年〇〇歳じゃ!おばさんなどではなーーーーいっ!」
巡「…あ、もしもし主任ですか…ええ…やはり、今日は出勤します…え?どうしてかって…?」
三池「にゃひぃぃぃっ!このおばさん、コワイ~!」
ネフェルティティ『待たんか!ネコぬっコロす…!』
巡「自宅が宗教戦争真っただ中だからです…(涙)」
~おしまい~
【お詫び】
『∞∞† Halloween Night †∞∞ 2022』の続話ですが、執筆に不備があり、公開を中断させていただきます
すべて執筆者の不徳の成すところです
大変申し訳ありません
【令和4年12月31日 追記】
今日の午前9時より、続話を順次アップします
お待たせしてすみませんでした!