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車輪の無い世界へ転生した男  作者: 双月 仁介
第7章 大陸暦1153年
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091 模擬戦

 年が明けてから二か月、すでに全員が身体強化をマスターした状態になっている。

 順番としては、まずエリザベス様とアリスちゃん、そのあとビルとアリアそれにアンネット嬢。最後にエリカとソフィアちゃんだ。

 やはり魔力移動ができると、ついつい魔力移動で身体強化をやってしまいがちになる。俺もだけど…。なので、エリカとソフィアちゃんが最後になってしまったけど、それでも俺がいなくなるまでにマスターできて良かったよ。

 現在の訓練内容としては(俺も入れて8人なので)ペアを4組作って模擬戦をやっている。その組み合わせは、毎回くじ引きで決めているのでランダムだ。まぁ8人全員が一堂に揃うことは、休日でもないとなかなか無いけどね。


 全員が身体強化をマスターしてからは模擬戦の戦績表を壁に張り出しているので、誰の勝率が最も高いのかが一目瞭然になっている。勝利数だけではなく、敗北数も計算に入れた『勝率』によってランキングしているので、あまり訓練に参加できていない人にとっても公平なランキングだ。

 そして、そのランキング1位は俺…ではなく、アリスちゃんだ。てか、もはや素手では俺はアリスちゃんに勝てない、勝てる気がしない!剣があれば話は別だけど。

 さらにランキング2位がエリザベス様、3位がアリアというのはどうなってるの?

 今のところは、なんとか4位に俺が入っているけど、最近はビルに負け越してきているため、すぐに5位に下がりそうだ。いや、これって今回の任務において、俺より適任な人がいるのでは?…と、そう思わざるを得ないよ。ほんと、どうなってるの?

 あ、もちろん魔力付与は使ってないよ。危険だからね。あと、南斗酔蛇(すいだ)拳も封印している。友人全員に爆笑されると、俺のメンタル崩壊の危険性があるので…。


 なお、身体強化の持続時間は(教会で女神に問い(ただ)したところ)以下の通りだった。これは翌日に筋肉痛にならない時間で、カッコ内は活動限界になる時間だ。

・アリスちゃん、エリザベス様…30分(50分)

・ビル、アリア…20分(30分)

・アンネット嬢…10分(20分)

・俺…5分(10分)

・ソフィアちゃん…3分(5分)

・エリカ…1分(3分)


 俺の活動限界時間が5分だった頃から比べると2倍に延びているのが嬉しい。もっとも、アリスちゃんやエリザベス様に比べたら全然だけどね。

 あ、模擬戦の試合時間は早ければ1秒、長くても5秒くらいだから、エリカの1分でも問題ないよ。

「マーク様、よろしくお願いします」

 今回の俺の対戦相手はアリスちゃんか。実は全く歯が立たないんだけど、それでも戦闘経験を積むという意味では無駄にはならない(はずだ…)。

 審判であるビルの掛け声で試合が始まり、2秒で終わった。すごい、2秒も持ちこたえたよ。もちろん、俺の負けなんだけど…。

「マーク、あんたも大したことないわね。エリザベス様やアリスに歯が立たないのはまだしも、そろそろアンネットにも負けそうになってるんじゃない?」

「ああ、そうだね。いや、俺は戦闘職じゃなく生産職だからね。悔しくなんてないんだからねっ!」

「いや、それだったらここにいる全員が生産職だけどね、私以外」

 はい、その通りでございます、エリカさん。もうね、無手の戦闘は諦めて剣士を目指すよ。


 余談だけど、ビルが【裁縫】の技能を活かして、全員分の革手袋を作ってくれたのには驚いた。手の甲と指関節の部分(正拳を握ったときの正面にあたる部分)に鉄板が仕込まれている革製のグローブで、なんとなく天下五剣と戦いそうだなとか思ったり…。などと、分かる人には分かるネタをぶっこんでみた。うん、オタクな女神だったらきっと分かってくれるだろう。

 なお、事前に全員の手のサイズを計測したのはもちろん、希望の色までヒアリングしていたよ。アリスちゃんがピンク、エリザベス様がローズレッド、アンネット嬢が薄い緑でソフィアちゃんが黄色だ。ビル自身のは濃紺で、エリカが白、俺は黒にしてもらった。ビルはイケメンじゃないけど、体格も良いし、性格も良い。この手袋プレゼントで女子からの好感度の爆上がりは間違いなしだな。俺も親友として鼻が高いよ。てか、革の染色は大変だったんじゃないのかな?


 もう一つ余談だけど、アリアは実家の木工場でいつも仕事の手伝いをしている親孝行な子だ。当然、材料の木材や丸太なんかを運ぶこともあるんだけど、そのとき身体強化を使って親方(アリアの父ちゃん)を驚かせているらしい。まさに怪力無双。一人では到底持てないくらい重い丸太なんかを軽々と(かつ)いでいるアリアは、従業員達からも一目置かれているみたいだよ。小柄で可愛い子が重量物を一人で持っているという光景…。うーん、なかなかシュールだな。


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