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車輪の無い世界へ転生した男  作者: 双月 仁介
第6章 大陸暦1152年
83/160

083 近況

 現在、外燃機関研究室では鉄道敷設(ふせつ)と蒸気機関車の研究を始めている。また、土木・建築研究室では鉄筋コンクリートの研究と蒸気自動車をベースにした様々な土木機械を研究している。鉄道敷設(ふせつ)がどちらの縄張りになるかは議論があったんだけど、研究については外燃機関研究室、実際の敷設(ふせつ)指揮を土木・建築研究室で行うことになったよ。

 当然、レールの下に敷く枕木(まくらぎ)なんかの情報については伝達済みだ。

 2本のレールの幅をどうすべきかは俺もあまりよく覚えていないので、試行錯誤してもらうしかないね。狭軌(きょうき)広軌(こうき)があって、日本では在来線が狭軌、新幹線が広軌だった。覚えているのはそのくらいだな。要するに線路の幅が狭いか広いかってことなんだけど。


 私生活のほうでは、南斗の拳法を再現するべく自分自身の両手に魔力をコーティングする訓練を続けている。木刀でできたんだから簡単だろう…と思っていたら意外と難しかったよ。

 身体の内側と外側を明確に意識しないと、『魔力付与』ではなく『身体強化』になってしまうんだよね。そもそも武器の場合は魔力を通しにくいもののほうが『魔力付与』に適してるって言われていたのに、人間の身体って魔力を通しやすいんだもんなぁ。難しいのも当然だ。

 あとは空手とか拳法みたいな無手の武術を誰かに教わりたいなぁ。そういう道場みたいなところをこの王都では見たことが無いんだけど。


 女性の友人達との関係性については特に誰とも(恋愛としての)進展はなく、良い友人として付き合っている。俺がそういう感情(恋愛感情)になれない理由は二つある。一つは精神年齢が親子ほども違うということ。もう一つは、女神の抱いた懸念だな。将来、命の危険がある仕事を他国でしなければならなくなるかもしれないからね。『身体強化』や『魔力付与』の技術が必要になるってことは、下手したら死ぬかもしれないってことだろうから。

 まぁ、俺がぐずぐずしている間に友人達がどんどん結婚していくという展開になるかもしれないけど、それはそれで良いよ。皆が幸せになるなら俺も嬉しい(父性本能?)。アリスちゃんだけは最後まで俺のそばにいるような気もするけどね。


 それと、我が国を取り巻く環境についても記しておこう。

 俺の住むフルルーフ王国は大陸の南西にあり、東と西と北に別の国が接している。つまり三か国が隣接しているわけだ。あ、南は海に面しているので塩は豊富に製造できているよ。それに平地も多く、農産物の生産量は全国民の生活を十分に満たし、さらに隣国に輸出できるほどだ。余談だけど、過去に飢饉が発生したことも無いそうだ。

 要するに、我が国は農業と漁業の国なのだ。まぁこれからは(蒸気機関のおかげで)産業革命発祥の国ってことになりそうだけどね。あ、発祥とは言っても、まだ他国への技術流出は起こっていないんだけど。

 あと、戦争や紛争についてだけど、この大陸には全部で17の国が存在していて、国家間紛争も当然ある。しかし、(現時点では)軍事的に突出した国は存在していないため、国境紛争レベルの争いはあっても、侵略戦争は起こっていない。比較的平和と言っても良いと思う。

 我が国と隣接する三つの国もお互いにいがみ合う関係ではなく、どちらかと言うと友好的な関係だ。国境紛争も無いしね。

 平和な国に転生させてもらえたことについては、女神に感謝しておかないとね。いや、本当に。


【大陸地図】…以前に掲載したものですが再掲しておきます。

挿絵(By みてみん)


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