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車輪の無い世界へ転生した男  作者: 双月 仁介
第7章 大陸暦1153年
123/160

123 ロデア到着

 この戦闘で隊商(キャラバン)のリーダーさんが斬られたけど、なんとか一命はとりとめた。重傷だけどね。

 その他の商会員、『白狼』メンバー、俺達『めがみん』のメンバーには全く被害が無かった。

 対して、敵である『リュウゾウジ傭兵団』のほうは、死者23名、重傷者21名、軽傷者6名という結果だった。つまりは全滅だ。

 ほぼ完勝という結果に喜びたいところだけど、隊商(キャラバン)リーダーさんの容態が悪いのであまり喜べない。『白狼』のイチロウさんも『護衛失敗だ』って言っていた。いや、あれは不可抗力だと思うけどな。

 なお、重傷者の21人に関しては、『白狼』メンバーが(とど)めをさしていった。足手まといは連れていけないからね。非情だと思うかもしれないが、この国はそういうところらしい。

 馬50頭は戦利品として鹵獲(ろかく)し、軽傷者の6人についてはロープで縛り上げて、首都ロデアまで犯罪者として連行していくことになった。なお、指揮官は落馬の際、首の骨を折って死亡していたよ。


「君達、魔法師のアヤメだけじゃなく、サブロウもキクも大したものだったぞ。特にボタン、君は2級の俺よりも強いかもしれん」

 イチロウさん、俺もそう思うよ。

「そうだぜ。うちのリーダーも大概強いんだけど、ボタンちゃんを見たらちょっと次元が違うって感じだ」

 ゴロウさん、あなた方もすごかったよ。

「アヤメのおかげで飛んでくる矢を気にせずに戦えたのも大きかったわよ。ありがとね」

 エリカ(アヤメ)さん、褒められて嬉しそう。


「まぁ、ボタンにも驚かされたんだが、俺が一番驚いたのはサブロウの木刀だぞ。なんだ、その武器。木製だよな?鉄の鎧をぶった切ってたように見えたんだが…」

「確認しても良いよ」

 俺はイチロウさんに愛用の木刀を渡した。

「まじでただの木刀だ。どうやったら鉄が斬れるんだよ。変態か?」

 し、失礼な。変態じゃありません。

「えっと、我が家に伝わる秘伝の技術、そう奥義だよ。詳しくは奥義だから言えないけど…」

「そうか、手の内を探るのは冒険者間ではご法度(はっと)だからな。とにかく、君達のおかげで助かった。礼を言う」

 俺達に護衛料金の半分を渡すというイチロウさんをなんとか説得して、当初の約束通り、俺達の報酬は無しにしてもらった。てか、この説得がさっきの戦いよりも大変だったのは余談だ。


 鹵獲した馬が大量にあるため、一部の馬には敵兵の武器や鎧を積み、一部は俺達の騎乗用に使わせてもらった。捕虜の6人も馬に乗せている。それでもまだ馬が余っているけどね。

 敵兵の死体はエマさんの火魔法で火葬した。土を掘って埋めるのは大変なので。

 それからは襲撃も無く、全員が騎乗して隊列全体の速度も上がったため、三日後には首都ロデアに着くことができた。あ、リズ(キク)は一人では騎乗できないので、俺の前に乗せている。アリス(ボタン)は意外なことにすぐに乗馬をマスターして、一人で騎乗できるようになった。スペック高いなぁ。


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