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車輪の無い世界へ転生した男  作者: 双月 仁介
第1章 大陸暦1146年
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010 各人の状況

 アリスちゃんが【ガラス生成】を練習しているとのことで詳しい内容を聞いてみた。

 俺の【恩恵(ギフト)】と同様、無から有を生み出しているそうだ。いったいどうなってるの?もしかしたら土中の珪砂(けいしゃ)…ガラスの原料…が勝手に減っていたりするんだろうか?

 この世界の中で質量が増大した分、どこかで減少していないとおかしいんだけど、何光年も離れた別の星で辻褄(つじつま)を合わせているって可能性もあるな。同じ宇宙の中ってことで。

 あ、でもその場合、この惑星が少しずつ重くなっていくことになるからまずいかもしれない。うむ、分からん。女神に聞いておけば良かったよ(もう遅い)。


 最初はメニューから<ガラス玉>を選択し、直径1センチメートルくらいのガラス玉を生成するくらいしかできないそうだ。

 <板ガラス>や<ガラスコップ><ガラス皿>なんかはまだ選べないらしい。

 でも、ガラス玉が生成できれば、ビー玉遊びなんかができそうだよね。遊び方をよく覚えてないけど。


 ちなみに年が明けて1月になったけど、俺の【車輪生成】はいまだに<滑車><キャスター><馬車の車輪>しか選択できない。多分、女神的には<馬車の車輪>を多くの人々に見せることで、皆が模倣(もほう)して車輪を作り始めれば御の字ってことなんだと思う。

 俺は別に発明者の権利とか名誉なんかは欲しくないので、勝手に真似(まね)て作ってもらっても良いんだけど、とりあえずまだ子供なので車輪のお披露目は保留状態だ。

 技術学校で人脈を築けば、馬車製造の事業化にあたって協力できそうな友人もできるんじゃないかな?車輪だけあっても仕方ないしね。


 ちなみにアリスちゃんにも、寝る前に魔力をギリギリまで使い切るようにアドバイスした。そうすれば最大魔力量が増えるみたいなので…。もっとも母上やナッシュ兄さん、ドリス姉さんに聞いてみたところ、そんなわけないって思いっきり否定されたけどね。うーん、転生者である俺限定なのかな?分からん。


 なお、魔力移動の練習は、生活魔法を発動できるようになった俺に関しては終了した。どうせ魔法適性が無いんだから、これ以上やっても意味が無い。

 エリカは【死霊魔法】の魔導書を見ながら色々と魔法発動の練習をしているみたい。ゾンビ操作、スケルトン操作、グール操作、レイス操作など色々あって面白そうだ。ただし、操作であって生成ではないから、材料(死体や霊)が必要なのが難点だな。もっとも死体はともかく、霊ならそこらへんにいるらしい(…って、まじかよ!)ので、レイス操作の魔法を中心に練習していると言っていた。

 ちなみに、すごいレベルの死霊魔法師(ネクロマンサー)はスケルトンドラゴンのような超絶強い魔物(の死体や骨)を使役できるそうだ。かっこいい!

 くっそー、羨ましいな、エリカさんや。

「あ、あんたは弱っちいからね。仕方ないから私が守ってあげるわ、魔法で」

 そんなはっきり言われるとへこむな。武術系や魔法系の【恩恵(ギフト)】を持たない人はこの世界では基本的に弱っちいんだけど、剣の練習でも始めようかな。【恩恵(ギフト)】が無くても、鍛錬すればある程度は強くなれるらしいし…。


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