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爆縮と体温の機知(6)

事過境遷の椅子

燃える髪の臭いは

生き物のニオイになる

煙に混じる命は

鼻の中で暴れる

自分の髪を切り取って

火を付けたのだ

外側の自分が

生き物である事を知る

先に灰に出来る物は

見ておけば良い

自分の身体も

いずれはなると

片隅に置いておけるからだ


死の足音は

心音と重なり合い

ハーモニーを作りながら

主導権を奪っていく

心臓から剥がされた物

脳内から抜き出された物

真っ黒な穴に放り込んで

消去される

肉体は箱型の中で

美しい思い出と花

繋がる声で蓋をされ

焼却される

最後は

人の為のモニュメントになる

石があろうと

ばら撒こうと


燃え終わった灰は

燃えるゴミで捨てる

生きている側に

不快な臭いは

必要な感覚なのだ

何処かへ消えて

写真や映像だけが残り

更新されない人間が

とどまり続けることを

額縁や画面の中で見る

それが変わることを

望んでいるなら

全て無くなっても

良いのではないか

絶対に変わらない者を

見続けるくらいなら

綺麗に消してしまえばいい


躊躇う指があるのなら

変化だけを

望んでいる訳では無いと

気づくだろう

どの工程が好きなのか

変わる時間か

変わらない時間か

急かされたところで

どちらかを選ぶなど

出来る筈もない

両方を上手く馴染ませて

現実世界で

営んでいるのだ

知らずに選びながら

暮らしているのだ


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