魔神ヘルゲイム
王が集めた者達は全て平原へ飛ばされた。平原には大量の魔神や魔物、そして人間達がいた。王都にいた者達は驚きを隠せなかった。なぜなら一人二人なら出来る者も何人もいるが、100人以上の人を強制的に瞬間移動させるのは神の領域の力であるからだ。だがこれは魔力があるものにしか効かない。
「みんなどこに消えた?」
ノブツネだけが取り残されたのであった。
それに気づいたものは誰もいなかった。
「ここは王都の近く?これだけの人数を一気に飛ばしたと言うのか!?」
「だが馬鹿な奴らだ。選別された俺たちを戦いやすい場所へ移動させるとは!」
魔物と王都に集められた者達は戦う気でいたが魔神ヘルゲイムが魔物と集められた者達の間に降り立った。ヘルゲイムは条件を引き換えに攻め込むのはしないと言う。その条件とは。
「ルミナス・クロニカル、マナに愛されているその女をこちらにぃ、引き渡してくださるとぉ、攻め込むのはぁ、やめましょうぅ」
条件を聞いたカインが話を進めた。
「引き渡さなかったらどうなる?」
「殲滅ですねぇ、強制的にぃ」
「なら話すには無駄ですね、マーリン!」
「オッケー!ミストシティ!」
初めから交渉するつもりがなく、攻めてくると気づいたカインは先手を打った。ミストシティとは霧を魔法で作り出す広範囲魔法である。これで周りの魔物達は相手の姿が見えなくなった。
「馬鹿な人間め!あいつらも俺たちの姿が見えねえだろ!」
「馬鹿はどちらだ!ミストスキャン!リンクアイ!」
「ぐあああああ!」
「なぜ、なぜこんな濃い霧の中で見えているんだ!」
「ミストスキャンで霧の中でも視えるように、リンクアイは私が視えている感覚を他の奴にリンクさせる魔法だ」
マーリンもまた莫大な魔力を有しており、その力は魔神ヘルゲイムと並ぶほどであった。マーリンのおかげで戦況は優勢に進み、7英雄の体力も温存でき、勝負は決まったかと思われた。
しかし甘くはなかった。
「困りましたねぇ。霧を取っ払うとしましょうかぁ。みなさん下がってくださいねぇ」
そういい絶対瞬間移動で魔物達を自分の後ろへ移動させた。すると魔法を発動させた。
「マズイ!みんな逃げるんだ!」
「遅いですよぉ、ブラックサンダーアロー」
黒い雷が弓矢を一斉射撃したように降り注ぐ。霧の効果もあり、電気がよく通り一瞬で霧の中の人間が痺れ動けなくなった。それに加え、ヘルゲイムの攻撃も直接くらうものが数十人おり、戦闘不能になっていった。形勢は振り出しに戻ったが、王都に集められた者達の戦意は薄れていった。そこへナインハルトが勢いを取り戻すため、みんなに話し始めた。
「みんな気づかないのか?マーリンさんやカインさん達はまだ本気を出してないのです!そして俺も!」
そしてナインハルトは単騎で魔物達の群へと突っ込んでいった。次々と倒していく様は英雄そのものであり、周りの士気を高めていった。極め付けはヘルゲイムの部下の魔神一体を一瞬のうちに沈めたのであった。
「皆の者!俺に続け!」
「おーーーーー!」
「あの男やりますねぇ、魔神化に成功したら私よりも強くなるかも知れませんねぇ。ですが、幹部達が動き出しましたからぁ、無駄ですよぉ」
ヘルゲイム直属の部下が動き出した。大幹部である人間の魔神2人、魔物の魔神が2体。幹部は人間の魔神1人、魔物の魔神が5体が襲いかかる。S級魔導師ファミア、S級冒険者ジェイ、8代目マスターゾゾロアの3人が幹部の人間の魔神一人を相手に3人で協力してやっと互角に渡り合えるレベルであった。再び周りの者が勝てるイメージが湧かなくなってしまった。絶望が広がっていき、魔神ヘルゲイムも笑って辺りを見渡していた。
しかし、カインは勝てる作戦を考えたのであった
「グロウさん!グロウさんはみんなの援護を!クライネもだ!動けなくなった者はナイゲイルの所で回復魔法を!ルミナス様はナイゲイルの側から離れないで」
「はい、わかりました」
「ああ、わかった。フラワ手伝ってくれ」
「いいわよ〜、その代わり報酬は頂くわね」
「任せてくださいカインさん!」
「疲れるけどカインの頼みだからしょうがないなー」
ナイゲイルとは7英雄の一人で戦闘はあまり行わず回復やサポート魔法などの援護を得意とする魔法を駆使する。
クライネとは7英雄の一人で特殊な目を持っており、能力が二つあるのだ。そして広範囲の魔法が得意である。
「S級魔導師、冒険者は周りの魔物を頼む。ルイーズ、キツイと思うけど幹部レベルの魔神5体を相手してもらってもいいかい?」
「はっ!余裕よ余裕。世界最強の槍使いだぜ?」
「君らしいね。他の7英雄とナインハルト君は大幹部レベルの魔神を頼んだよ!俺はボスを倒す」
「わしも戦おう!」
「王よ!ではルイーズと共に戦ってください!」
「任せろ!」
戦喜と呼ばれた王も参戦した
激しい戦いが始まるのであった。




