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世界の助人  作者: 卵焼き肉
3/10

魔神オーク

コウエン火山の入り口に入って行くが死体が絶えることはなく、その中には人間の死体もあった。ノブツネは怒りを感じていた。なぜ穏やかに暮らす人や魔物が殺されなければならないのか。なぜ平和な世界を夢を壊されなければならいのかと。中枢へと向かう道中に狂暴化した溶岩魚やファイヤーヒューマンなどの魔物と出くわした。倒した際火が飛び散るが全ての人間が魔力を持っているため魔力の防御壁でダメージはないがノブツネは魔力がないため防御壁が作れない。そんな彼は刀の加護による防御が可能である。


ノブツネの刀について

ノブツネの刀の名はヨシナガという刀である。この刀はあらゆる加護があり、特殊な刀である。鞘にも特殊な力があるがまだ語る時ではない。


狂暴化した溶岩魚やファイヤーヒューマンを倒して行き、ついに中枢へとたどり着いた。中枢と言っても広大な広さで、探すのに1日はかかる広さだ。ノブツネは刀に手を当て目を瞑る。刀の能力の一つ、探索である。前回のメルリスの森で探すのに使ったのもこの刀の加護の力であった。


「なるほど、一箇所に魔力が多数あるな。一つだけ強大な魔力、こいつが魔神オークか」


そう言い魔力が集まっているところへ向かい、救出しに行った。魔物は中枢にあまりおらず、すんなりと向かうことができた。そして魔力が集まっているフロアへ着くと門が閉ざされてあった。どうやらここからしか入ることができないらしい。扉の前へ立つと後ろから何かが飛んできた。


ドッギャンッ!


ギリギリのところで避けることが出来たが、地面に大きな穴が空き、石が飛び散っていく。飛んできたのは棍棒だった。


「よく避けたな、褒めてやろう。我が名は魔神オーク!この火山を支配している者だ!」


3メーターはある大きな体に立派で鋭い牙。魔力量の多さに力も他のオークとは大違いであった。


「とりあえず倒して扉を開けさせてもらうぞ」


ノブツネは抜刀して戦闘態勢になる。そして戦闘が始まった。両者の武器がぶつかり合い、空間が少し歪み出した。オークの連続攻撃を避けつつ接近していくが魔神オークも上手く距離をとって様子を見ている。


「人間がこれほど戦えるとは思わんだ!食らうがいい大熱波!」


棍棒を振り、熱がこもった風の波が押し寄せる。大熱波が通り過ぎた所は焼け、溶ける部分まで出てきておりノブツネはそれに巻き込まれた。


「グハハハ!所詮人間よ。魔力ない人間は防御壁も出来ぬのだよ!」

「それはどうかな」


ノブツネの周りは焼けることなく、綺麗に残っていた。鞘の能力の一つであった。ノブツネの鞘には防御魔法が付与されており、自由に防御魔法が使えるのであった。


大熱波で倒したと思っていたオークは怒った。魔力で自身の体を強化。さらに魔法の威力も上昇した。


「大熱波・竜!」


熱がこもった風が竜の形になり、力が一点に集中され強力になった。さらに追尾機能付きだ。


魔法を斬り消滅させるがいくつも襲いかかる。追尾機能付のためオークも自由に動け、棍棒を振りまくる。ノブツネはオークの攻撃を受け流しつつ、追尾する魔法を斬る。


「魔神の力はこの程度か?」

「何?余裕の顔をしておるがわしにはわかるぞ、追い詰められているのがのお!」


シュパンッ


オークは気づくと腕を斬られていた。何が起きたのか分からず呆然とする。そして理解した。自分の腕を斬られたということを。


「わしの腕があああああ!貴様ああああああ!」

「魔神の力はこんなもんじゃない!十文字!」


十文字とは、一文字の軌道を使い縦と横に十字に斬る技である。


「わしが、死ぬとは、すみません、我が主人よ」

「主人?お前がここの支配をしていたんじゃないのか!?」


ゾクッ


ノブツネは感じた。あの魔神と同じ様な凶々しい魔力を。そして確信したのだ。魔神オークだと思っていたのはここを支配している魔神オークとは別個体だと言うことを。


「ああ、我が主人よ、我らに栄光を」


そう言い残しオークは死んでいった。そして溶岩の中からオークが現れた。そのオークは黒く、2メートル程しかなかったが、膨大かつ圧倒的な魔力を持っていた。絶対的支配者を表すかの様に。


「貴様か、我の弟を殺したのは」

「ああ、扉の奥の人達を助けるためにな」

「そうか、ならば次は貴様が死ね」


高速で動きノブツネの懐へ入った。


「フレイムブロー!」


予想以上のスピードの完全に不意をつかれ、魔神の拳の攻撃を横っ腹に受けた。ノブツネは炎に巻かれ飛んでいく。岩石をいくつも貫いていき大きな岩壁へとぶつかり止まった。魔神はノブツネが死んだと思い立ち去ろうとしたその瞬間。


ドバーンッ!


大きな音がし、魔神が振り向くとノブツネが立っていた。もろに食らったはずの攻撃を受けて立っている姿を見て驚きを隠せずにいた。なぜならピンピンして、傷一つ負っていなかったからである。


「意外とスピードあるんだな。ビックリしたぞ」

「なっ!?確実に仕留めたはずだ!」

「甘かったな、今度はこっちから行くぞ!」


カンッ!カキンッ!ドガンッ!


外皮が厚いためなかなかダメージが通らない様になっている。さらに魔力で防御までしていて攻撃されても無傷であった。


今までは!


「なんなんだ貴様は!」

「ただの冒険者だ!」


ノブツネの攻撃は魔力で防御で伏せがれている魔神の外皮を斬り、追い詰めていった。棍棒を振ったり魔法を放ったりするが全ての攻撃を受け流したり防いだりして当たらず、少し魔神は怯えていた。強さの次元が違っていたのだ。


「こんなことがあって良いのか!?良いわけない!」

「そうだな、お前が強かったらこんな事にはなってないだろうな」

「ぐああああああ!我の最強の技を食らうがいい!エンドオブクラブ!」


魔神の棍棒に暗黒の渦が現れた。

エンドオブクラブとは

終焉魔法の一つで棍棒専用に魔法である。終焉魔法は魔神だけが使える魔神三大魔法の一つである。


「これを食らって生きていた者は一人もおらん!」

「ああ、そうか、だったら俺が最初で最後だな」


そういうと刀が光り出し、力を溜める。


「魔神オーク、お前の強さは本物だ、行くぞ!気合い斬り!」


光の正体は魔力でも加護でもなく気合いであったのだ。気合い斬りとは己の気合いを力に変え、それを刀に宿す技である。


「うおおおおおおおおお!」

「ぐおおおおおおおおお!」


ザシンッ!


二人の力はぶつかり、強すぎた武器と武器の反動で暴風が吹き荒れた。


「ぐっ、ぐううう、魔神を超える人間がいたとはな」


ノブツネの刀は棍棒を真っ二つに割り斬り、オークの体も気合い斬りによって致命的なダメージを負って崩れ去っていく。


「俺はもう自分の目の前の全てを守りたいだけだ。もちろんお前も含めてな」


「なっ!?」


「お前苦しいだろ?魔神の力は精神をも汚染していき、元には戻らない。お前の心が助けを求めてた」


「はっはっは!我の心が死を求めていたとは!よく気づかれたな。……一つ良い事を教えてやろう、我を魔神にさせたのは人間の魔神だ」


「人間の魔神……ヘルゲイムか!?


「そうだ、やつは魔神候補を見つけると片っ端から魔神にさせて行く。我も奴に魔神化をさせられた」


「そうか、情報をありがとう!」


「もう時間だ、良き戦いであった」


魔神オークの精神は汚染されており死にたがっていたオークの心を汲み取っていたのであった。そしてノブツネは加護の力でオークの心を浄化し、清い心で死を迎えられた。


「魔神に変える力、やはり酷いな」


そう言いながら人々がいる扉を開き無事皆を助け、感謝の言葉を受けながらクエストクリアしたのであった。

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