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世界の助人  作者: 卵焼き肉
1/10

世界の助人 ノブツネ

ギルティアナ村に魔力を持たない一人の男の子が生まれた。彼は魔力がなかったがとても元気な子に育った。家族にも恵まれ暖かな暮らしを送っていた


しかし生まれてから8年後


人型の魔神が突如現れた。魔神とは地上に存在する全ての天敵であり、悪魔に上位種と言われている。魔神の血を受けた魔物はどんな種族も魔神になるとも言われている。


手を横に振るだけで村は焼け、破壊されていく。彼の家族、友達は死に、村の人はほとんど死んで行き破滅へと進んで行くと思われた。

だが、一人の刀を持った男が現れ魔神を撃退した。


それから7年後


15歳になった彼の名はノブツネ。

彼は今刀一つで冒険者になっている。


「受注はこちらになります。あ!ノブツネさん!今日も救援クエスト届いてますよ!」


彼女は受付のカリンという女性でノブツネに気軽に話しかける数少ない女性でもある。


「カリンさんいつもありがとう、じゃあクエスト行ってきます」

「今日も救援クエストか?お前は強いけどもう少し身体を労ってやれよ」


彼の名はグロウ。このギルドのマスターにして魔弾使いである。数多くの実力者を育てた者でもある。

見た目は30代後半のおっさんだ。


「十分休息も取ったから大丈夫ですよ。じゃあクエスト行ってきます!」


クエストとは

難易度が最高で星10。主には狩猟や討伐クエストがあり、冒険者はこの二つをメインにしていることが多い。そしてノブツネがメインにしているのが救援クエストである。救援クエストとはクエスト中に応援要請やクエストに行っている人からの定時連絡などがない場合に出るクエストである。だが非常に人気が低すぎるクエストでもある……。


ノブツネはクエスト先のメルリスの森へと向かった。メルリスの森とは、狼王が支配する森で比較的に魔物が穏やかな森である。

だが魔神が森に襲来したことによって一部の魔物が狂暴化したため冒険者が討伐に向かったのであった。

その冒険者からの連絡がないため救援クエストが発注されたのであった。


「メルリスの森か、数年前に比べたら大分変わったな。」


そう言いながら腰にある刀に手を当て目を瞑る。


数秒後


「なるほど、これはまずいな。急いで助けに行くか」


方向を見定めるとものすごいスピードで森の中を駆け巡る。まるで場所がわかるかのように。


救援待ちサイド


一匹の狼と4人組のパーティーがいた


「嘘だろ!?オーガにキメラ、しかもこいつはオーガの上位種のハイオーガ!?」

「しかも尋常じゃない数じゃないのよ!」

「弱音を吐いてるんじゃないわよ!」

「踏ん張れ!そうしたらあの人が来てくれる!」


ハイオーガの叫び声に影響され周りの魔物たちも叫び出した。オーガとキメラの群れが一斉に襲いかかり、パーティーみんなも応戦する。一匹の狼は怯えている魔物を庇いつつも応戦するが劣勢になっていく一方であった。ハイオーガが動き出した。棍棒を持ち、振り下ろすと大地が割れ、割れた土や岩が一箇所に集まっていく。


「ストーンエッジ」

「防いでみせるわ!ウォーターウォール!」

「そんな下位魔法なんぞ役に立たんわ」

「ぐっ、う、うううう、うあああああああっ!」


防御魔法が打ち破られ、他の冒険者も魔力と体力が切れてしまっていた。狼も仲間の魔物をずっと庇って戦っていたため体力も魔力も限界を超えていた。


「終わりだ!オーガたちよ食ってしまえ!」


群が襲いかかり、全滅するかに思えた。

しかし狼は気づいていた。動物としての本能であの男が助けに来ると!


「ぐええええ」

「キュエエエエエエンッ!」

「ん?なんだ小僧」

「救援だ!」


一瞬のうちに襲いかかる魔物たちを片付け、パーティーを助けたノブツネ。そこへ狼が寄っていく。


「久しいなノブツネ」

「狼王じゃないか!元気で何よりだが今はクエストが優先だから待っててくれ、今すぐに片付けるから」

「オーガたちを片付けたくらいで調子にのるな!魔力もねえカスが!ストーンエッジ!」

「魔力が全てじゃない!」


そう言いストーンエッジを真正面から受け止めストーンエッジを斬り、相手の攻撃を防いだ。そのまま走り、ストーンエッジの連撃を斬ったり避けたりして相手へ近づく。


「なぜだ!なぜ攻撃をくらわねえ!」

「俺がお前よりも強いからだ」


一文斬り


ノブツネの必殺技が炸裂した。


「この強さ、お前があの男だったとは」


ハイオーガの身体は縦に真っ二つに割れ、綺麗な切り口が残った。ハイオーガは死に魔物達も散っていき、狂暴化していた魔物たちも正常に戻っていった。


「なんて綺麗な切り口なんでしょう」

「魔力がこもって無くてこれかよ」

「流石は世界の助人の異名だけあるな」

「助てくださってありがとうございます!」

「ああ、気にするな。これが仕事だから」

「我からも礼を言うぞ、ノブツネ」

「気にするな狼王。それよりも体を癒すんだ。ヒーラー!狼王に治癒魔法を!」


治癒をしている間に話を聞いた。


メルリスの森に魔神が現れたのが2週間前ほどで10日前から冒険者が森を調査したり狂暴化した魔物を狩ったりしていたと言う。その頃狼王は魔神との戦闘で大きなダメージを負ったため狂暴化した魔物と戦うことが出来なかった。そして3日前にハイオーガの軍勢が現れて森をめちゃくちゃにしたため、冒険者に依頼をしたが、冒険者が次々とやられていったので救援クエストを出したと言う経緯であった。


「狼王、そんなことがあったなら言ってくれよ。友達だろ?」

「はっはっはすまない、昔から助けられっぱなしだったもので頼みずらかったのだよ。それとヒーラーの人もう良いぞ、ありがとう」

「あ、はい」

「じゃあまた近いうちにここに来るよ」

「ああ、……その刀、上手く使いこなせているようで何よりだ」

「先代達のようにはいかないけどな」


狼王は笑みを浮かべて森へ帰り、ノブツネは4人組のパーティーを引き連れてギルドへ戻っていった。ギルドに戻るとギルドのみんなが大いに帰ってくるのを喜んでいて、その日の夜は宴が開かれた。ノブツネは顔だけ出し帰ろうとしていたのだが受付のカリンさんに話しかけられた。


「ノブツネさん、今日は本当にありがとうございます。今日も助かりました。すごい働きって聞きましたよ!」

「そんなことないですよ、いつも通りです」

「そうなんです!ノブツネさんはいつも通りすごいんです!ランクは最低ランクですけど」


そういうと彼女は少し笑っていた。


「救援クエストはランク変動しないですからね、それを率先してするノブツネさんはすごいです、本当に」


救援クエストとは冒険者ランク変動が起きないため敬遠される事が多いクエストであり、報酬も少ないものである。それをメインとして働くノブツネは皆から世界の助人と呼ばれている。


「俺は世界を助けるために冒険者になったからいいんですよ。どんな形でも世界を、みんなを守れたらいいんです」


彼女の方を見ると少し顔を赤くしてボーッとノブツネの方を見ていた。


「どうかしました?」

「い、いえ!なんでも!明日も早いんでもう寝ますね!ノブツネさんも明日は高難易度のクエストが控えてるので早く寝たほうがいいですよ!おやすみなさい!」

「は、はい、おやすみなさい」


彼女は小走りで事務所の中へと入って行った。ノブツネもギルドから出て自宅へと帰り、明日のために早く寝た。受付のカリンさんが言っていた明日は今日よりも難易度が高いクエストが控えているからであった。クエスト内容はこうだ。


魔神がコウエン火山に居座った。


依頼主:王国ギルド長


難易度星10


魔神の種類:オーク族

その他:オーク、溶岩魚、ファイヤーヒューマン、魔人

冒険者が20人戻らないから救援へ行ってくれよ。世界の助人なら余裕じゃろ?


と言う内容であった。



次回の世界の助人:コウエン火山の魔神オーク

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