第74話:小さな出会いの恩返し
第3章のはじまりです
朝日が昇る。いつもの朝、鳥達の声に耳を傾け鳴き声はこんな感じだったかとゆっくりと体を起こしたドーネル。
「………」
昨日の麗奈とハルヒが弔う為に自分達に見せた魂達。ギルティスもグルムも、両親と少なからずの言葉を交わし国を託して消えた。
死んだ者は生き返らず、2度とは戻らない。
(分かり、きっている……なのに、なのに………)
心は死んだ彼等との出会いに感謝した。話せないからこその本心、父が晩酌をするのが夢と語った。威厳のある王は時に、家族さえ天秤にかけなければならない事もある。
しかし、自分の父は……息子であるドーネルを責めずに、国を任せた。それが生き残った自分の、自分にしか出来ない事だと強く思い服を着替える。
「そう言えば……今日、来るんだったか」
弔いを済ましその後の事はあまり思い出せない。ギルティスが何か大事な事を、言っていた気もするが……やはり思い出せないでいた。
=======
「おはようございます、ドーネル王子」
執務室に迎えられて来たのはラーグルング国の宰相イーナス。ニチリの宰相であるリッケルが、2人揃ってドーネルに正式に会いに来た。
「あ………」
そこで思い出した。ギルティスからは、ラーグルング国とニチリから同盟を結ぶ話があるから遅れるな、と言われていた事に。その呟きでイーナスは目を細めて「まさか……」と言い、冷たくなる雰囲気にしまったと思った。
「忘れてた、とか言わないですよね?」
「あ、いや、その」
「即位されて忙しいのは分かりますがね。こちらに滞在しているユリウス陛下から、説明はあったと思いますが」
「へ、平気だイーナス。久々の再会に、つい色々と考えてしまって」
「嘘言わなくて結構ですよ」
「………あぁ、はい。すみません忘れてました」
ギルティスは頭を抱えイーナスは溜息をし、リッケルだけが状況についていけないでいた。しかし、会話の流れは分かるので予測はつけられる。
「まあ、貴方の現状も含め急ぎ足なのは分かっています。帝国の牽制と、魔王サスクールの討伐に協力する為に同盟をして欲しい。どうせ帝国に喧嘩売る気でしょ?」
その発言に場が凍り付いたがドーネルは「よく分かったね」と笑顔を見せ、ギルティスは気絶しかけるのを何とか踏み止まった。その目は(どういうつもりだ)と怒りに燃え、ここにイーナス達がいなければ叩く気で……殴る気でいたのだろう。
今も手をグーにしたまま、キツく握りしめていた。そしてもう片方には資料の束があり、あれで殴る気でいたら3回は喰らうな、と少し焦ったドーネル。
「帝国の生き残りがいますが彼等も被害者だ。波風立てないなら1番良いけど、帝国は戦で領地を増やしてきたやり方だ。……父と同盟を結んだ時に、足がかりにする気だったんだろうしね」
そこにはラーグルング国が含み、海を渡る手段を用いたのならニチリにも来る気でいる。そう予想がつくのは皆の共通点であり、警戒するべき点でもある。
「ところでその帝国の捕虜はどうしましたか?」
リッケルはその捕虜から、帝国の情報を得ようと思い聞いてみた。被害者、と言ったドーネルの発言に疑問を持ちつつ城からは流石に出さないだろう。
出来ても城内のみ、という限定的だと思ったリッケルにドーネルは「あぁ」と思い出したように手を叩き、
「彼等なら、首都を出歩いてますよ」
「え…………」
思考が止まった。
この男は何を言っているのだろうか?
捕虜を、出歩かせている……城内なら百歩譲ろう。
しかし、首都とはっきり言い「観光してるので少し待って頂けます?」と、とんでもない事を言った。
(ラーグルング国といい、ディルバーレル国といい………なんて所だ)
こちらの斜め上をいくような発言に、流石のリッケルも深く考えるのを止めた。
頭のネジが幾つか外れている、とんでもない国々。
リッケルが抱いたラーグルングとディルバーレルは、とんでもない印象を植え付けていき同盟をして正解だったのだろうか?とさえ思い頭を抱えた。
(最初のユリウス陛下のも、脅しから始まったか)
ブルームと言う存在の証拠として、水晶を見せたあの時。ユリウスは素直に従って、言われるまま見せたがある意味では脅しだ。
今、思えばあの時からあの国に対する印象は変わり、今日この日を持ってリッケルは再認識をした。
(姫、ベルスナント王よ………申し訳ない。彼等のコントロールなど、私には出来ない)
既に諦めたリッケルを他所に、イーナスはドーネルに大人数が居ても困らない部屋はある?と聞かれ「あるよ」と即答して少し考える。
「何に使うの?」
「反省文書かせるの」
「え?」
「だから、反省文……………今いるメンバーね、結構悪いのが多くてね困るんだ~」
ふふふふふっ、と既に黒い笑みを浮かべ雰囲気から「逆らうのは許さないよ?君も受ける?」と副音声っぽいのが聞こえた。すぐに首を振ったドーネルはギルティスに早急に部屋を用意させた。
(久々に会ったけど、何だか変わってなくて助かったな)
8年も連絡がないから心配していた。それは杞憂だと分かり嬉しく思うが未だに笑みを浮かべ「どう始末しようかな」と、楽しそうにするイーナス。
逆らったら倍に返ってくるし、倍に返すのが当たり前の彼の行動だ………何も見てない、何も聞いていないと敵ではないと言う意味で沈黙を貫いた。
=========
「どういう事だよーーーーーーーーー!!!!!」
バンッ!!と机を叩き抗議をするのはセクト。なんせ彼以外のメンバーも同じ事を思ったが、口に出さないでいたのを全て言ったのだ。ハルヒは何でここにリッケルが?と言う疑問が占めている為に、イーナスの言葉など聞いていない。
「何で嬢ちゃんとキールと、ラウルはなしで俺等が反省文書かされないといけないんだ!!!!」
現在、ドーネルが用意して貰った部屋は見習い騎士達が学ぶ為の部屋である資料室。ゆきと麗奈、ハルヒが通っていたような机と椅子があり、思わず懐かしいなと思っていると言うよりも……全員、無理矢理連れて来られたのだ。
黒板、教壇があり学校の授業を受けるような雰囲気。その教壇にイーナスは白紙の紙を渡してきた。横線が一定間隔に引かれており、1人10枚はあろうかと言う量に、ユリウスは途端に嫌な表情をし何をやらされるのかを理解した。
「あ、あの、イーナスさん」
「麗奈ちゃんは気にしないで。今回、君は巻き込まれた側であり、キールとラウルは自分から突っ込んだ。でも、理由が主たる麗奈ちゃんを守る緊急時と言う事から今回のは外したんだよ」
((助かった………))
ほっとした様子のキールとラウルだったが「見張り役よろしくね?」とイーナスの命令に「………はい」と素直に従った。イーナスは麗奈の事を勝手に追って行ったゆき、ヤクル、ハルヒの3人、ユリウス、セクト、ベール、フーリエの4人の計7人に反省文兼報告書を書かせに急いで来たと言う。
「あの、でも」
「麗奈ちゃんは私と来てね」
「え、あ、あの、ちょっ、ちょっ」
えーー!!と、叫ぶ麗奈に止める者は誰もいない。
有無を言わさず麗奈を連れ出すイーナス。ユリウス達も薄々ではあるが何をするのかは分かっていた。
「やっぱり、休ませるよな」
「いつまでもここに滞在しないので、観光でしょう。さっき誠一さんと会いましたから親子2人で過ごすのではないでしょうか」
「ゆきはいいのか?」
「向こうだと全然話さないし、こっちに来てから少しずつ話すようにはなったからね。私も誠一さんと麗奈ちゃんが、小さい時に話してた頃に戻って欲しいし」
それに、反省文書かないと……と言った事で現実に戻された。
少しの沈黙の後、既に書き始めているユリウスとフーリエに周りも慌てて始める。リッケルはハルヒをじっと見ており、反省文以上に気を使う羽目になる。
(この方法、ニチリでもやりましょうかね)
ビクッ、と背筋が凍る感覚にハルヒはリッケルを見る。彼は面白そうに目を細めて、自分を含めてゆき達を見ているが雰囲気からとんでもない事を考えている、と悟った。
ハルヒの予想通りニチリでも実行される事になるが、それを知るのはまだまだ先の事となった。
======
「とんでもない事に巻き込まれた上に、今日まで本当にお疲れ様、麗奈ちゃん。無事で良かったよ」
歩くスピードを緩めたかと思えば、いきなり抱き締められ頭をポンポンと優しく撫でてきた。突然の事についていけず、されるまま微動だにしないでいたが頑張って「ご心配、お掛けして、すみません」となんとか言葉を発する。
すっぽりと収まる。剣を扱いまた騎士達の指導もしているイーナスは、ユリウスとはまた違ったガッシリとした体型だ。少しずつ気恥ずかしくなり「もう、平気ですよ?」と言うもさらに力を込められる。
「あ、あの……」
「本当、無事で良かったよ」
イーナスが綺麗に笑うから、「うっ」 と直視出来ずに下を向く。ユリウスの時にも思ったしキールの時なのも思った。格好いい人達ばかりだな、と今更ながらに思い慌てる。
(な、何だろう。改めて見ると………お、落ち着かなくなる)
今、思えば普通に接してきた自分に後悔した。
仕事と考えてたら別に平気だった。ならこれも仕事、仕事だ!!と訳の分からない意気込みをし、イーナスはその様子を楽しそうに見ていた。
「麗奈ちゃんに会わせたい人がいるんだ」
「は、はい!!!大丈夫です、何でも来いです」
頼まれ事なら任せて!!、と仕事モードの麗奈に可笑しそうに笑い手を繋いで部屋へと向かう。
「イーナス、さん?」
「じゃあ、お願い聞いてね麗奈ちゃん」
仕事だから、ね?と微笑みながら言った。
何故か背筋が凍り、これはいけないと脳内で警報が鳴る。ガンガン、と鳴らし続ける警報に逃げるを選択した麗奈だったが……予測済みとばかりに、抱き抱えられ逃げ場をなくす。
「じゃ、行くよ」
「はーなーしーてー!!!」
当然、それを聞くイーナスではない。連れ来られた部屋へと放り投げ出され……またも麗奈の叫び声が響き渡った。
======
「らっしゃい、らっしゃい!!新鮮野菜の安売りだよ」
「こっちを見てくなさい!!美味しい果実の飲み物だよ」
場所は変わり首都のファータ、その商店街とも呼べる場所の大きな噴水。待ち合わせとして使われているからか、誠一以外にもカップルや親子などで噴水前は賑わっている。
「活気が凄いな」
『主人……今からそれでいいのかよ?』
ポンッ、と誠一の肩に10センチ程の九尾が現れた。霊獣からの霊力を工夫しておけば契約を交わした彼等をここまで小さく出来る。無論、九尾は他人には見えない為に彼に小声で話している。
(うるさい!!!こういう騒がしいのはあまり来ないんだ)
『(あぁ、主人苦手だもんなぁ~………それで1日持つのかよ)』
グフフフッ、と怪しげな笑いをする九尾に殴りたくなったが我慢する。イーナスからいきなり「暇なら一緒にどうです?」と返答を待たずに連れて来られ、理由を聞こうにも何も言わずにいる。
「今日、1日付き合って欲しい人が居るので♪」
不審な目を向けるも彼はいつもの笑顔でどこ吹く風。しかも、武彦と裕二も揃ってニコニコと見送られているので彼等が何かしていると言うのが容易に想像できる。
問題は、誰が、と言う事だ。九尾も知っている様子であり、ずっと怪しげな笑い声を上げている始末。
(………普段着ない服まで着る始末。あの子達、とんでもないな)
首都に着くなりいきなり用意されたとされる服に着替えさせられ「頑張って下さい!!!」と応援を送られて思わず首を傾げた。普段、和服を中心に着ていた誠一だったが今は違う恰好をしている。
黒いズボン、ワイシャツに水色のカーディガンを着込み、今まで貯めていたお金も含めて持たされ用視された。いつもと違い感覚に、慣れる慣れないではなく何でこんな事に………と気持ちが下がる。
『あれれ~主のお父さんじゃないですかぁ』
『ちっ、邪魔者が来たな』
『君………酷いねぇ』
そこに黄龍が音もなく現れ警戒心を強める九尾に、別段慌てた様子もなく冷静に返答する。その後ろでは青龍が控えており、誠一と九尾に対して会釈をする。
『黄龍……何の用だよ』
『うるさいな。何をしようと勝手だろ?』
「お、お待たせしました!!!」
ふぐぅ!!と大きな声と共に顔を上げれば麗奈が派手に転びかけた。それを青龍がひょいと持ち上げ、転ばずに済んだ。誠一がその声に慌てて、青龍の元に近付きそして驚いた。
「麗奈………?」
肩まで伸ばされていた黒髪は右サイドに結ばれ、造花で止められた大きめの髪留めが華やかさを演出させている。服も花柄のスカートに薄い水色のジャケットを着込み、普段しない化粧をした娘の姿。黒のブーツを履いているから少しだけ身長が高くなったようにも見える。
その姿に思わず妻の姿と被り、しばし呆然と見つめる。すると『嬢ちゃん!?』と驚愕したようにワナワナと体を震わす九尾と『わぁ~可愛い♪』と褒める黄龍。
その後ろで青龍が無言で黄龍の言葉に大きく頷き、肯定をしめるようにグッと親指を立てていた。
「イ、イナースさんが、ここに……お父さんが居るって言うから………あわ、慌てて来たの。遅かった?」
「いや。平気だ」
「あ、イーナスさんから手紙を預かっててお父さんにって」
「彼が………?」
手紙を受け取り、中身を見る。内容としては今日1日、娘の麗奈と楽しい観光をして欲しいと言うもの。ユリウス達と言う邪魔者は城から出られない状況にしたから心置きなく過ごして下さい、と言う内容であり………計画を立てたと思われる人物に心当たりがあった。
(武彦、さんだな…………)
妻の由佳里の父親にして、自分に陰陽師として指導し孫の麗奈と部下の裕二を微笑ましそうに見守る姿勢を貫いていた武彦。妻が、自分の娘が亡くなった事でギクシャクし始めた麗奈と誠一の仲を心配し今回の計画を立てた挙句……宰相のイーナスとはお茶飲み仲間と言う共通点もあり快く引く受けた。
とんでもない強引さだな、と呆れるも着飾らない娘の姿に思わず自分の妻とを重ねた。見た目と仕草はしっかりと母親の遺伝だと言うのが分かり、また周りの人気者と言うのも引き継がれている。
『どうしたの、こんなに着飾って』
「よく分からないんだよね。……いきなりターニャ達に着替えさせられたの」
『………普段からこれだとキツイな』
「やっぱりおかしいよね」
似合うはずないし、と言う麗奈に黄龍は無言で首を振り『似合い過ぎて悪い虫つくよね』と自然に抱き寄せていた。青龍が殺気立ち、九尾が雷を発し離れろと睨むがどちらも今は周りの人達に見えていない。
無視を決め込めば扇子を広げて麗奈の耳元で囁く。
『自覚した方が良いよ。今の主は、男の目には毒なんだよね』
「ちょ、ちょっ、な、なん、なんっ」
『ほら、そう言う反応………構って欲しいの?』
『殺す!!!』
麗奈の周囲に結界を張り黄龍を蹴り飛ばそうとする青龍に黄龍は瞬時に、姿を周りに見せなくして応戦する。『邪魔者消えるね~』と楽しそうに言った黄龍はそのまま空へと逃げていき、青龍と九尾は同時に排除対象である黄龍のあとを追って行った。
「あ、ありがとう。お父さん」
「いい。あんまりここに長居するのもマズいから移動するぞ」
蹴り飛ばすその瞬間、黄龍は麗奈に誠一を託して姿を消した。なので周りからは誠一が麗奈を支えているように見え、思わず互いにうわずった声で答えていく。
======
「わあああ。見て見てお父さん!!!あれ美味しそうだよ!!!」
「あっ、あれ可愛い!!!ウサギさんにみたいな見た目だ♪」
「さっき教えてくれた店だよ。行こうよ!!!」
普段、麗奈が喜ぶ所はあまり見なくなった。本人も空気で察したのか誠一の前では仮面をするように表情を消し、学校でも仮の仮面を被り続けていた。だからこんなにもテンションが上がっている麗奈に、嬉しそうに楽しそうにするのを見ているだけで、幸せな気持ちが溢れている感覚。
それに驚きながらも、何処かこれが自分が求めていたものであり娘とこうして歩く事が望んでいた事だと思わせる。
「ほら、いきなりはしゃぐからすぐに疲れる」
「うぅ、ごめんなさい」
親子2人で過ごす事を自分達の居た世界でもしなかったし、ここに転移されてからも柱の見回りを中心に行っていたからなのか……どう扱っていいのか分からないのだろう。
今、麗奈は少しだけ疲れた様子で誠一が買ってきた飲み物を少しずつ飲み、染み渡る甘さにほっとした。
「そんなに慌てなくても、これからはこうした時間が増えるだろう。何を焦ってるんだ」
ポン、と頭を軽く撫でれば恥ずかしそうに俯かれそっぽを向かれる。そんな反応を見ながら、計画を立てた武彦には感謝しないとなと思っていると「クポーー」と不思議な鳴き声が聞こえた。
「………聞こえたか?」
「うん。聞こえた………不思議な鳴き声、だよね」
「クポポーーー」
「あそこからだな」
自分達が居るのは中心街から少し離れた場所。賑わいの声が聞こえる中でも、比較的に静かである一本路地を入った所。小さな店が多くあり、ちょっとした酒場や食べ物屋がまだ開かれていない。
時間帯的に、夕方から開店する店が多くその殆どは準備中の看板が多く見える。食べ物を扱う店の前には、食材が積まれた大樽が幾つもあり謎の声はその大樽の下から聞こえて来ている。
「………ん、少しだけ隙間があるな」
その僅かな隙間から声が聞こえるのを互いに確認し、麗奈の手がその隙間に手を入れればすり寄る様にして「クポポポ!!!」と指に掴んだ感触がありそのままゆっくりと、ゆっくりと手元に戻して……2人して目を丸くした。
それは身長が7センチ程の小さな小さな小人だった。緑色のとんがり帽子、目が隠れる程に帽子を深く被り、髭を垂らし帽子と同じ色の上下の服装はまさに……
「「サンタクロース?」」
そう連想させる格好だった。しかし、自分達の知るものとの違いはその小人の背中には釘抜きを背負っている。腰辺りにぶら下がっている小さなポケットが3つ程あり、サンタクロースが重装備をしたような者。
「クポポポポポ!!!!!」
その謎の小人は自分を助け出した麗奈、声を聞いてくれた誠一に対して大いに感謝し何度も頭を下げてくる。かくして、親子で観光するはずだったものが不思議な小人を拾った?状況となるのだった。
「クポーー!!!」
「アスベルト、さんだね?よろしくね、私は麗奈。声を最初に聞いたのはお父さんだよ」
「クポ!!!」
小人のアルベルトと麗奈親子に不思議な観光が始まる。有意義な一日になるの………だった?




