第55.5話∶不思議な縁
目を開ければいつもの風景。起き上がり自分の頬を触れれば、また泣いていたと自覚し未だに囚われていると言う自覚をさせられる。
(もう、8年程………もう、そんなに経つのか)
寝間着から普段の茶色のズボン、シャツを着て白のローブを着込みいつもの剣を携えて準備を済ませる。報告に来る騎士から国の状況を聞き、上手く攻め込めていない事に憤りを覚える。
「………早く、戻らないと」
ラーグルングのように民と王族とが触れ合える、あんな素敵な国にしなければと思いながらも今、自分がしている事は本当に正しいのかと、何処かで否定的な事を考えてしまう。
(ジュティ、サース、エナール………お母様)
思い出すのは自分の家族。下の妹のジュティ、弟のエナール、姉のサースは仲がよく兄である自分も妹達が居るから辛くとも苦手な訓練を耐えて来た。剣術は上達していてもヘルスには勝てた記憶すらない。
(元気にしているかな)
思えば初めて出会った時も凄い登場の仕方だったなと、懐かしむ。心が沈む中でもラーグルング国の事を思い出すと、少しだけ心が軽くなる不思議な国であり今でも同盟を組みたいがこの状況では何も出来ないな、と考えるのを止めた。
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それはいつもの日常であり、いつものように終わるはずだった。
その日、昼過ぎの時にそれは起きた。
「あーー空が虹になってる」
村の子供達が楽しそうに口々にするのは空が虹になる、と言う言葉。その言葉に空を見上げれば雲が確かに七色であり、空一面に光り出す現象に思わず目を見張った。
(……何だ、この現象)
これはユリウスの呪いが解かれブルームが、ラーグルング国から出て行った時の余波。それは全ての空を七色に染め上げられ、魔力を持たない者すらも見える程の濃い魔力。
何かの予兆なのか、と思わせるそれは今まで反応を示さなかった精剣に影響を与えていた。
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「っ、この力は」
同時刻、ダリューセクでもその現象が起きていた。
召喚士としている王女はすぐに精剣に宿る精霊の力を感知。今まで何の反応も示さなかったはずの精剣から強い力を感じ、保管されている場所へと向かう。
向かう中、この異常に気付いた神官が護衛として付いていく。精剣が置かれているのは城の地下室であり、大きな水晶が吊るされていた。その大きな水晶の中に精剣が治められており、今までは光る事も無かった剣が七色に輝いたかと思ったその瞬間、ガシャアアアン、と立て続けに音がなり水晶が割れる。
そのまま垂直に突き刺さり、大剣の刀身に埋め込まれている丸い水晶。それが七色に光ったかと思えばふわり、とそこから青い毛並みの狼が姿を現した。
「貴方は一体……」
≪俺はフェンリル、この精剣に宿る大精霊だ≫
「っ………」
思わず息を飲んだ。
シンボルとして守り神として、ダリューセクに広く浸透しており彼女もそのフェンリルを信仰している1人だ。しかし、名前は知っていても特徴は知らなかった。過去、魔族との戦いで何度か姿を現したと記録が残されているが、誰も姿形での事は記されていなかったのだ。
この前の魔物の大軍を攻めてきた時には反応がなく力が失われている、とさえ思われていた。
それが今は姿を現している。ハッと気付き、頭を垂れればフェンリルからは要らないとキッパリ断られた。
≪俺よりも上がいる。大精霊として、この国に役に立つ為に働くのは構わないが……すまなかった。目覚めが遅すぎた≫
「い、いえ。決してそのような事は」
≪嘘はいらん。……アシュプ様が早くにやらなければ、終わりを迎えていた。あの方にも、契約を交わして下さる者が現れたようだしな≫
「っ、アシュプ様に………契約者、ですか!?」
その言葉に控えていた神官も同じく驚いた。魔法を創造し精霊達の生みの親、アシュプ。ブルームがこの世界の空と魔法を作った存在、アシュプは大地と魔法を作りし存在。それは集落、村、街、国へと発展させた影の立役者。
魔法を作った彼等は人々の記憶にあるにも関わらず、姿を見せた事は一度もない。その子供たる精霊達が世界を見聞きし、召喚士、神官と言う言葉が生まれまた広まっていった。
(全ての創造主たる彼等に……契約者が。これは、大変な事態になる。いや、なってしまう)
精剣を作られる際にも多くの犠牲が伴ってきた。魔族を倒す為のその武器は今では、国の誇示として広められ周辺諸国への牽制と言う形になっていた。
(……その契約者が国の所属なら何処だ。ニチリ、バールデール、もしくは最近名前を聞くようになったヘルギア帝国か?)
ヘルギア帝国。
精剣を掲げてその名を広めた軍事国家。5本目の精剣の存在に誰もが驚きその真意を確かめようと動こうとする前に起きた魔物の活発化。その数は多くダリューセクの領土内での鎮静化に忙しく、詳しい事は分かっていない状態だ。
「大精霊、フェンリル様。お目覚めになったのは………大きな事が起きる前触れなのでしょうか」
≪前触れ……か。ある意味ではそうかも知れん。このままだと、魔法がなくなるのだ。俺達も貴方方に力を貸せるのがどの程度のものかも分からない……全ては契約者にかかっている≫
「魔法が……無くなる?」
≪この世界に満ちるマナと呼ばれる見えないエネルギー。貴方方は魔力と呼んでいるそれは………元はブルーム様、アシュプ様のより広められたもの。あの方々が居たからこその今までの繁栄が得られと言ってもいい≫
だから、俺は助けに行く、とスゥと姿を消していく。同時に精剣の光が強く発し始めて行く。
「っ、お、お待ちください!!!フェンリル様っ」
≪安心してくれ本体はここに置いて行く。力の一部をその契約者の元へと持って行くだけだ。魔物達の侵攻を繰り返す訳にはいかないゆえ、俺が張れる範囲での守りを固めて置こう≫
あの方々に呼ばれたのだ、行かぬわけにはいかない、と言い青い光と共にフェンリルは消えた。精剣に埋め込まれた水晶には未だ淡く輝き続けており、浮遊したその剣は王女のセレーネの元へと向かっていた。
「…………」
それを受け取れば、見た目は大剣と重い武器にも関わらずとても軽く女性のセレーネでも持ち上げるのは簡単だった。神官は複雑そうな表情を浮かべ「どう、しましょうか」と聞いてみる。
「今の言葉、貴方にも聞こえましたよね」
「はい………魔法がこのままだと消えてしまう事、アシュプ様に契約者が現れた事」
「そう、ですね」
事態が悪い方へと向かっていくのに不安を覚えるも、フェンリルの言った事を伝えどう動こうかと思案する。どのような人物がアシュプとの契約を果たしたのか、気になる事は山ほどあり具体的には決められない……しかし、とセレーネは思う。
(まだ会っても居ないですけど………とても良い人のような気がする)
自分と、同じ……もしくは似た様な存在。
会えたのならゆっくり話をしよう。きっと、有意義な時間が過ごせる。そんな未来を描き、セレーネは国を守る為に行動を起こす。
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「そう、ラーグルングから来たんだ君達は」
「………はい」
「フーリエは元気にしてるかな」
「は、はい。団長も嬉しそうにしていて………兄弟が揃うのは本当に良いですよね」
「そう、だね…」
その夜、麗奈がブルームによりディルバーレル国へと転送されそれを無我夢中で追ったキールとラウル。森から放たれた光と雷の様な柱が放たれているとリーファルから報告を受けていた。
キールの治療を行う為に用意したのは近くの村の使われていない小屋。そこに、薬師のリベッテが様子を見終わった後であり隣では疲れ切った様子の麗奈が横になっていた。ラウル達の服も洗濯して貰い今は寝間着を着ていた。
ドーネルは話を聞く為に、自分とラウルの一対一で話をした。事情があるのは顔色から見て分かり、キールが無茶をする程のものを察した為でもあっからだ。周りからは反対されたがこれも縁だと思い押し通した。
(相変わらず、綺麗な顔してるよね)
以前、彼はキールの事を女性だと思いながら行動をしていた。ヘルスと何気なく風呂に入るのを見てそこで男だと分かった時の衝撃は忘れないし、その後魔法をぶっ放されたのは良い思い出だ。
結果、彼の思っていた人物で当たっておりラウルから少しだけ事情を聞いた。ラウルもディルバールの事は、兄から少し聞いていたが自分は王子に会っていない。目の前に居るドーネル・ディナ・バーレルが第一王子である事も明かした上で、全てを話すのも危険と思った。
(……王子である証拠もない。キールさんの知り合いらしいから、目が覚めるまでは話せないな)
「………んぅ、ふにゃ?」
モゾモゾと起き上がる麗奈は辺りをキョロキョロと見渡し、キールの頭に少し手を置いた後でフラフラとラウルの元へと向かう。その足取りはかなり危なっかしく「ふなぁ……にゃ」と、目をこすりながら寝ぼけながらも歩いて来る。
「おはよう、少しは体は楽かな?」
「………うにゃ」
コクン、コクンと頷き目をこする麗奈。黄龍は猫だと思いながらも、フラフラとラウルの所へ向かうのを面白そうに、楽しそうに見ていた。青龍からは『助けろ』と睨まれる。
『(助けろって……君、あれを助けろって言うの?あんなにフラフラで足取りが危ないのに、可愛い反応じゃないか)』
『(尚更、助けろ!!!お前、面白がっているだろう)』
『(もちろん!!!!)』
『(くそっ)』
俺が前に出れれば……、と頭の中で言われ『(はいはい、残念だったね)』と言えば殺気が向けられる。見ればラウルが抱えておりディバーレルの王子であり反乱軍の事を麗奈に耳打ちしていた。
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始まりは8年前のラーグルング国と共に襲来した魔王達と対峙していた時の事。その最中、母親を含めた妹達が乱心したとして父が手に掛けた。
その報せを聞いたドーネルは道端で捨てられた母親達の遺体を見て抱き寄せた。まだ少しだけ暖かいぬくもりに、すぐに父を殺そうと動くが近衛騎士が止めに入った。
「ダメです、ドーネル様っ」
「何故だ、何故だ母様達が死ななければならない!!!」
最初かは何ががおかしいと感じた。本来、近衛騎士は王を守る為に編成されていた。なのに、いきなり父の命令でドーネル共々ラーグルング国へと向かうように下された。友達の危機だと思った彼は疑問にすら思わなかった。
最初から仕組まれていた、と。
「ドーネル王子!!!」
フーリエが迫り来る魔物を蹴散らせば、辺りは魔物に囲まれており逃げ場がなかった。恐らくは母親達の血の匂い誘われて出てきた魔物達であり、次々と現れてくる。
「………して、やる………絶対に、殺してやる……父の愚行を、許してたまるか!!!」
母親達の遺体を抱えながら迫り来る魔物を倒す。走り抜ける中、国から遠く離れた王族の墓。そこに母親達を埋葬し、反乱軍として父に止めを刺すと決めたドーネルの復讐が始まった。
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「…………」
寝ぼけていたのを忘れるくらい麗奈はドーネルの事を見ていた。彼は困ったように微笑みかけており、それが呪いの事で苦しんでいたユリウスとタブって見えた。
無理を、している……。
そう思わずにはいられなかった。かける言葉に迷っていると乱暴に小屋の扉を蹴破ってきた1人の男性。ボサボサした頭、白衣は穴が空いているのも気にした様子もなくキールの事を見て一言。
「あと3日って所だな。コイツの命」
「……え」
いきなり告げられた内容に衝撃を受けた。ラウルもいきなりの事に頭がついていけずにいたが麗奈を抱き寄せ「冗談は止めて下さい、リーファーさん」と言い睨み付けた。
「お前が居るとは驚きだ、ラウル。なんだ、ソイツはお前の女か?」
「フリーゲさんが聞いたらショックを受けますよ、父親なのに」
「バカ息子の事はどうでもいい。キールがこんな無茶するのおかしいだろが……中と外の魔力のせめぎ合いで体がズタズタだ」
巨大な魔法を扱えばその反動が来る。
ここに来るまでにキールがその反動を受けていた様子はなく、表で出てこない場合、内側でズタズタにされている可能性があると言う。もう1つの原因として、魔法の同時進行と言う事も提示された。
「コイツがそれをする理由は良く分からんが………連発し続けないといけない何かがあったのかも知れないな。持続的に続く魔法と、魔物を倒す為に割いた魔法なら早い段階で魔力と体力も奪われる。自然治癒に回せるものが全然回ってない程の事をやった」
何か思い当たる節があるか?とラウルを睨み付ける。
持続的に続く魔法……、と考える中1つの可能性が浮かんだ。
(そう言えば………殆ど、怪我をしていなかった)
ユリウスの呪いを解く為に四神、黄龍と対峙した麗奈達。しかし、そこで負っていた筈の傷がいつの間にか治っていた事に気付き、ラウルは(まさか……)とキールを見る。
(あの戦いの中、全員分に治癒を施し続けた………?)
玄武の時に感じた違和感。朱雀での時に感じたほんの僅かな疑問。傷を負った時、いつの間にか回復しており服も戻っていた事から自分が攻撃を受けていたのかも定かではなく不思議な感覚をラウルはずっと感じていた。
ヤクルの加勢をした時に、熱中症らしき症状で倒れて行く騎士団中、フーリエは朱雀に何度か攻撃を仕掛けていた。にも関わらず、彼は対峙した時の傷も少なかったなと観察していた。しかし、数秒後に傷は消えていた為に魔道隊の誰かが治癒を施したのだと思っていた。
が、それが全てキール1人が行った事であるなら、と顔を青ざめた。
乱入したハルヒも含め、あの場に居た人数は計り知れない。魔力の色が目に見える禁忌の子供だからこその魔法、また大賢者と言う多大な魔力を誇るキールだから出来た偉業だとするならば……今の彼が苦しんでいるのは、苦しませているのは自分達ではないのか、とそう思わずにはいられない。
「………あるんだな。コイツが無理してここまでして倒れる理由」
「あり、ます………多分、ですけど」
これは当たって欲しくない。と思いながらラウルはその場に居たドーネルとリーファーを見る。ユリウスの呪いの事を彼は知っている。なんせ、フリーゲの父親であり薬師長の座に就いていた人だ。呪いについて調べている上、ユリウスの前に父親の事も見て来ている……が、一番はドーネルがネックだ。
彼が同じ王族として、ユリウス達と何処まで交流していたのか。国の呪いについて知っているのか、知っているのなら何処までなのかと考え込む。
「……お二人に、お願いがあります。この事は他言無用にしてくれるなら、言います。キールさんがここまで無茶をした理由……その可能性を」
ドーネルからも絶対に言わないと言い、ラウルはゆっくり話し始めた。麗奈はその間ずっとキールの手を握り祈る様にしており、全てを離し終えた時にはリーファーは口を開いていた。
「……なら、コイツも本望だろ。普通、それだけの魔法を行えばもっと早い段階で異変に気付くはずだ」
「………」
「大賢者、ね。キールの野郎は元から魔法に関して凄いとは思っていたが……数百年に1人の割合の救世主様か。魔力量が半端ない理由は分かった。ラウルの言うように、同時に使った魔法が体を蝕んでいる。治すには霊薬のフォルムの実が必要だが………諦めろ、それはもうない」
「っ、ないって……一体」
「その霊薬はディルバーレル周辺の山々のさらに奥地にあるんだ。でも、最近の魔物の活発化とへルギア帝国の介入で森が切り倒れている事から、その周辺の動物も居なくなった。その霊薬が貴重な物だと知ってから、山を汚したり売り飛ばしたりしてその数も減ってきている」
万能薬の材料にされているから、基調価値がもっと高く上がった事で殆どの山はそのへルギア帝国の領地として広まっていると言う。ディルバーレルとその帝国とで同盟を結び、万能薬の材料になるフォルムの実を独占するのを条件に幾つか要塞が出来ていると言う。
「………じゃあ、もう」
「へルギア帝国に独占されて手が出せない。加えて帝国が手を出していない山もあるが魔物の巣窟で誰も近付かない。可能性としてはあるけど、ここからだとどう頑張っても5日は掛かる場所だ」
諦めろ、とドーネルは言っておりラウルは恐る恐る麗奈を見た。彼女はずっとキールの手を握っており会話を全て聞いていた筈だ。悔しそうに顔を歪めるラウルに麗奈はすぅと立ち上がり、「良い人生だったんじゃないか」と言ったリーファーを思い切り引っぱたいた。
「っ……」
「れ、麗奈……」
バチン!!と彼女にしては珍しい反応だった。今まで彼女は誰かを叩いたりした所は見ておらず、ラウルはただ茫然としていたが黄龍は密かに笑みを浮かべていた。それは彼女の行動を分かっていたかの様に、ただ見て見ぬふりをした。
「っ、勝手に決めないで下さい………!!!キールさんの知り合いだが何だか知りませんけど、キールさんは……さっきまで元気だったんです!!!いつもみたいに私に、安心させるように……笑ってくれたんです」
「何をしようがもうおせぇよ!!!聞いてなかったのかガキ!!!!霊薬取るには山に行くしかないんだよ、魔物の巣窟に行かなきゃ意味ねえんだ。テメーみたいなガキに、一体何が出来る!!!!」
≪俺が山に連れて行く、それで良いだろう≫
その時、麗奈の傍で青い陣が浮かび上がった。
まばゆい光が小屋に充満し、次に目を開けた時に現れていたのは水色の毛並みを持った狼が居た。体が淡い光に包まれているそれは幻想的であり、つい目奪われ言葉を失う程に。
≪すまない。話は聞く気は無かったのだが………貴方が悲しみに暮れているように思い現れてしまった。申し訳ない≫
ペコリ、と麗奈に頭を下げた狼。視線に合わせるようにして、麗奈はしゃがみ込み「貴方は……一体」とここに現れた存在に聞いた。
≪俺の名はフェンリル。ある方から貴方を守る様に、協力をするように言われた精霊だ≫
「なん、だと……」
その名を聞いて驚いたのはドーネルだけだ。ラウルとリーファーは聞いた事もない名前に疑問視し、麗奈は(ある方……?)と誰の事を指しているのかを考えていた。
フェンリルと名乗った不思議な存在は、自分から彼女達に協力すると申し出た。大精霊の中で精剣の精霊として今まで目覚めていなかった彼は、頼まれた人物達に少しだけ困りながらも麗奈を見て少しだけ納得した様子でもあった。
≪(不思議な方だ……傍に居るだけなのに、何故か心が和らぐ)≫
『(また妙な奴に好かれたな……主)』
その証拠に尻尾が少しだけフルフルとしており、それを見た黄龍はむっとしながらも風魔が居たら確実に邪魔してるんだろうなーと別の事を考えて心を落ち着かせる。
ここは自分の育った場所だと言うフェンリルは、その霊薬についても知っていた。キールを助ける為に麗奈が行動を起こす事は既に決まったも同然だった。




