主な登場人物(R5年5月更新)
※出身地は昭和18年7月1日以降表記
【主人公】
白河みつき
現代の特殊航空整備士として働いていた主人公。とある青年の夢を見た翌日、昭和十九年にタイムスリップしてしまう。
■昭和十九年 第三〇二海軍航空隊
【零夜戦分隊】
櫻井紀 少尉 予学十三期
大正12年8月22日生 東京都新宿區市谷出身 169cm
帝国大学法学部の文系出身。頭脳明晰で、飛行専修予学生を首席で卒業した。戦闘機乗りとしての腕は天才的。
例え下士官であっても敬意を払って接し、常に仲間を気にかけているために周りからは非常に良く慕われている。
感情的にならず常に冷静沈着、その反面悪戯をしてみたり毒舌を吐いたりするといった一面も持ち合わせていて、つかみどころのないよくわからない奴と言われている。
猫目で涙袋が大きく目がはっきりした整った顔立ち。笑うと目尻にできる皺が人懐っこいが、真顔になると近寄り難い雰囲気を持つ。
お陰様でとにかくよくモテる。会ったこともない女性からラブレターが届くのは日常である。
酒を飲ませるとザルという恐ろしい一面があり、一緒に酒を飲むと必ず人を潰すので酒の席では嫌われている。
父は陸軍大佐。父は二・二六事件で亡くなっている。その後、母方の伯母に引き取られた。
水地透 少尉 予学十三期
櫻井の同期。体格が大きく、無類の女好き酒好き。夜は常に遊びまわっており、遊び人のレッテルが貼られている。遊びでガス抜きしつつ戦闘に励む、軍人らしい生活をしている。
焼けた肌と太い眉、彫りの深いくっきりとした顔立ちで、なんだかんだ嘘がつけない性格。
櫻井に酒で潰されて以来、櫻井にリベンジする事に燃えているらしい。
荒木俊士 大尉 海兵六十七期
櫻井の直属の上司で、海軍兵学校出身の夜戦分隊分隊長。着任が一番早く、夜戦隊で一番偉い人。恋人はいない。結婚するつもりもないらしく縁談は全て断っているらしい。
櫻井の腕を素直に認めており、期待している。彼もまた太い眉毛が特徴で、ちょっとのんびり屋。「〜だなぁ」が口癖。
磐城佳佑 上飛曹 丙飛三期
櫻井の直属の部下。部下といっても、十四歳で海軍に入隊しているため、飛行機についてはベテラン。ラバウルでの激しい戦闘を経験し生還して帰ってきた一人。しかし電信が苦手という裏設定がある(出てきていない)。
海軍に入隊してすぐの櫻井が上司になるという軍特有の複雑な関係だが、櫻井は磐城の腕に敬意を払っており、磐城に時々指導を頼んでいる。そんな櫻井を磐城は非常に良く慕っている。
森岡寛 大尉 海兵七十期
大正9年生
水地の直属の上司。零夜戦隊副分隊長。零夜戦隊の中では統率役でしっかり者。昔はやんちゃな性格だったらしいが、櫻井や水地の暴走にいつも一喝してくれる、芯の強い人。
性格も見た目も年上に見えるが、これでも櫻井や水地とは二歳程しか違わない。
春日井碧 一飛層 甲飛十期
水地の直属の部下。航法をミスして訓練中に逸れてしまうも、櫻井の誘導でなんとか帰ってこれた。
入江准 一飛層 甲飛十期
磐城の後に櫻井の直属の部下になった。春日井と同期で、よくじゃれあっている。
糸井繁晴 少尉 予学十三期
櫻井と同期。櫻井の列機になってから少しずつ腕が上達している。一番無難で害のない人物。名前の由来は糸井重里。
【彗星夜戦分隊】
当麻要人 少尉 予学十三期 偵察員
大正12年6月15日生 東京都八王子市出身 167cm
彗星夜戦分隊の偵察員。航法、記録、爆撃、電信を一人でこなす。本当は戦闘機乗りになりたかったが操縦の適性がなく、偵察専修へと進んだ。三号爆弾の投下を得意とし、爆撃時期の読みが上手く、艦爆乗りとしての才能を発揮している。しかし際どい指示をするので、ペアの水杜は苦労している。
垂れ目で童顔、両頬にえくぼがあり、人懐っこい顔立ちをしている。
よく気が利き、優しい性格。モテると聞いて志願した海軍だったが、あまりモテなかった。主人公のみつきに早々片思いをするほどに女耐性がない。
櫻井とは大学時代からの同期で仲が良い。これでも櫻井と同じ帝大卒だから人は見かけによらない。
当麻は旧漢字で『當痲』。正式文書では『當痲』だが、本人は面倒くさいので『当麻』と表記している。
水杜寛貴 上飛曹 丙飛三期 操縦員
当麻とペアを組んでいる操縦員。零夜戦の磐城同様ラバウル帰りのベテラン下士官。際どい指示をする当麻に苦労しながらも、ベテランの腕で難なくこなすが、電信が苦手で符号があまり読めず当麻に頼り切りという一面もある。
当麻もまた水杜の腕に敬意を払っており、水杜は当麻を慕っている。実はまだ二十歳。
川西大佑 中尉 予学十三期 偵察員
当麻、櫻井の同期。彗星夜戦偵察員の一人。名前の由来は川西航空機から。
【第十二分隊 彗星・零夜戦隊整備分隊】
田万川祐 少尉 海機七十三期
彗星夜戦分隊の整備員。海軍機関学校出身者としての誇りを強く持っており、予学生出身の櫻井や当麻とは何かと衝突があるが、段々と仕事が忙しくなってきたのか、突っかかってくる事もなくなってきた。最初はみつきの事を目の敵にしていたのだが、分隊長の仕事が多くなってくると目の敵にする暇もなくなってきた。
槙野歩 一整曹 普整練九十八期
零夜戦整備分隊の飛行二班。あまり出番は無いがみつきのいい相談相手でもある。
■昭和二十年 第七二一海軍航空隊
【神雷部隊 第三〇六飛行隊】
神崎國雄 大尉 海兵六十八期
三五二空の飛行隊長を経て、七二一空三〇六飛行隊の飛行隊長になる。編成では大隊長。部下である相馬の腕は認めているが、あえて櫻井を小隊長に指名した。見た目はトラック運転手にいそうな少しイカつい顔をしているが、実は優しい性格。
相馬知英 中尉 予学十三期
大正12年5月10日生 長崎県大村市出身 168cm
会った事もないのに飛行学生を首席で卒業した櫻井を気にかけていた九州男児。何千人もの名前が連なった辞令広報を穴が空くほど見て、櫻井の転勤を心待ちにしていた。
見た目は女のような綺麗な顔立ちをしているが、短気で喧嘩っぱやく口が悪い。昭和十九年十二月に三五二空から七二一空に転勤した。三五二空では櫻井に負けず劣らず(自称)の腕の持ち主だったらしいが機体をよく破壊して罰金による金欠に陥っていた。
神崎は三五二空時代からの上官。感情的故に神崎に少し危なっかしいと言われている。海軍士官のくせに方言丸出し。
屋代一輝 中尉 予学十三期
高知県土佐市出身。酒は相馬の方が強い。二五二空から七二一空に転属してきた。
渡翔太郎 少尉 予学十三期
長野県出身。二五四空解体と同時に正月早々七二一空に転属してきた。
【その他の登場人物】
櫻井和己 陸軍大佐 陸士二十三期
明治23年11月20日生 昭和11年2月27日没 45歳
紀の父。紀が十三歳の時、二・二六事件の後に亡くなっている。和己は無派閥を貫いていたが、当時の政府のあり方には疑問を持っていた。少しでも良い方向になればと皇道派の青年将校達の相談に乗っていたが、それが仇となりクーデターを後押ししたとされ、責任をとって自害した。
事件当日は、青年将校達の暴走を止めようと奔走していた。
紀は和己が三十二歳の時に産まれた。
櫻井千代
紀の母。和己の死後、後を追うように自害した。
遠野妙子
紀の母方の伯母。千代の死後、身寄りのない紀を引き取るが、養子縁組はしなかった。
三篠夏子
紀の縁談の相手。工業機器の部品製造会社『三篠鐵工』のご令嬢。
市春
櫻井に一目惚れした料亭の芸妓。