9/16
後悔の前触れ
れいなのお母さんの声が少し震えていた。
僕はこの時、体が一瞬震えた。
目を丸くして、五感がさえたみたいに、
体の神経がとがるのを感じた。
なにか、あったのかな…
次の日の学校。彼女はいた。
マリゴールドの綺麗な髪。おしとやかで清楚なあのにおい。
本当に発表会だったのかな?
疑ってた自分に疑問をもった
彼女と目が合った。
「あっ!おはよー!」
「おはよ…」
「昨日はごめんね。わざわざ家まで来てくれたって聞いて。」
「あー、べつに平気。」
…………?
あれ?インターホンで会話した時に僕の名前教えたっけ?
…まいっか。
この時の僕は安易すぎた。
何故もっと疑わなかったのか。
何故お母さんの声が震えていたのか。
何故平日にピアノの発表会があるのか。
もっと確認しておけばよかったのにー…