表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/31

6.ゴブリン出現!

 一体、どこから現れたのか。気が付いたら、武雄の間合いの中に、そいつはいた。

「ジーザス……」

 武雄は呻いた。


 モンスターだ。武雄は直感的に、そいつが敵であると理解した。

 そいつは、異形であった。醜い奴だった。羊皮紙のような肌。耳が尖り、頭にはまばらにしか髪がない。深くて暗い眼窩の中で、赤い瞳がギラギラ燃えている。

 唇がひん剥かれて、長さ十センチはある犬歯が剥き出しになる。


『ゴブリンです。一匹残らず、駆逐しましょう』

 クラフト・キューブが言った。


 ゴブリンの体格は小柄な上に、猫背であった。ゴキブリの表皮のような色の胴鎧を着込んでいた。武器は、両刃の手斧だ。

 ゴブリンは斧を振りかざすや、咆吼を放った。

 腹の底にまで響く咆吼。経験したこともない濃厚な殺意をぶつけられて、ヘビに睨まれたカエルよろしく、武雄は凍り付く。


 敵が突進してくる。燃える眼で武雄を睨んで、あっという間に迫ってくる。どうしようもなく、過去に経験した死を思い出す。もう、何をしても逃げることはできない。トラックの時と、状況は全く一緒だった。


 いや、違うものが一つあった。

 武雄だ。

 武雄が違った。


 怒りと恐怖がない交ぜになった感情に大きく身震いすると、武雄は歯を食いしばった。

「二度も殺されてたまるかぁああ!」

 天に向かって叫んだ。血を吐くかのような叫びだった。


 聖剣グランフォゾムを強く握りしめる。敵を睨みつけた。殺すべき敵を。

 いまや、その目には浮かべたことがないような殺意が載っていた。

 武雄の足が動く。武雄は駆けだした。向かうべき方向は決まっていた。


 敵のいる方へ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ