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異世界転生者のダンジョン闘争記(コンバットDT)  作者: ツングー正法
3章 辺境の村での転生者奮闘記!
25/31

25.戦勝 ドロップアイテム 村人

 村は静まりかえっている。戦いは終わったのだ。


 潮が引くように、アドレナリンが引いていく。同時に、感じたこともない疲労感と、全身の痛みが武雄を襲った。

 武雄は一瞬気絶しそうになるが、どうにか踏みとどまった。


 聖剣グランフォゾムを杖にするようにして体を支える。

 周囲を見やると、通りは荒れ果てていた。ガガバルの大技のためである。


 自分が斬って捨てた山賊どもの死体を見ると、視野にドロップアイテムが浮かび上がってきた。


□            □

 手斧 6ケ

 木の棍棒 4ケ

 銅のダガー 4ケ

 木のシールド 3ケ

 穴の空いたブーツ 6ケ

 山賊ハチマキ 1ケ

 貨幣 250ナール

□            □




 武雄はガガバルの死体へ目をやる。

 ガガバルは、死んでなお、圧倒的筋肉を誇る凄まじい体躯をしていた。


 そのガガバルもアイテムをドロップしていた。



□                 □

 穴の空いたチュニック 1ケ

 スーパーガガバルハンマー 1ケ

□                 □



 武雄はアイテムを拾う手間をかけなかった。

 どうせ、インベントリがないのだ。


 スーパーガガバルハンマーなんか、レア・アイテムっぽい響きだが、かといって馬鹿でかいハンマーを担いで歩く気にはならなかった。



□             □

 貨幣 300ナール

□             □


 貨幣か。


 モンスターと違って、人間を倒すと金を落とすらしい。

 ナールというのは、この世界の通貨だろう。これだけは回収しておこう。


 武雄はふらふらと歩き回って、山賊の死体からコインを拾って集めた。


 問題は、武雄の服には、硬貨をしまう場所もないことだ。

 やむなく、武雄は履いている皮の靴の中へ硬貨を押し込んだ。


 戦利品を集め終え、周囲に目をやると、残っている山賊が浮かび上がってきた。

 彼らも村人たち同様、ガガバルと武雄の戦いの激しさに目を奪われ、呆けたように立ち尽くしていた。


□              □

 山賊バンディット 8ケ

□              □


 武雄に見られていることに気づいた山賊どもは、我先にと武器を放り捨てた。


「降伏する!」

「オレたちは、村を襲うことに反対だったんだ! ガガバルの野郎に無理矢理参加させられてたんだ!」

「オレたちは無実だ! どうか御慈悲を!」


 山賊どもは涙を流して路面にひれ伏し、口々に命乞いの声を発した。




 武雄は疲労のせいか、こいつらが何を言っているのかよく理解できなかった。


 斬っちまおうか……。


 武雄は思った。

 レベルの低いザコ山賊だ。一撃で殺せる。とるに足らない経験値にしてしまおう。




 武雄は聖剣を構えて、山賊ににじり寄る。

 武雄から立ち上る殺気を察した山賊が蒼くなった。彼らは身をすくませ、乙女のような悲鳴を上げる。




「旅のお方!」

 女の声が響きわたる。


 それは予想していなかった。武雄はのろのろと盗賊から目を逸らした。何人かの盗賊が安堵のあまり気絶した。

 すらりとした体つきの村の女性が、山賊と武雄の間に割って入ったのだ。


「旅のお方、よこしまな山賊を討伐していただき、感謝を表す術もございません」

 女は言った。


 彼女は、武雄が村に入ったときに山賊に囲まれ、絶体絶命だった女性に違いない。


 武雄はその女性を観察しようとした。だが、目の焦点を合わせるのに苦労する。

 鮮やかな金髪が視界に眩しかった。

 胸はたぶん大きくない。いや、違うかもしれない。大きいかもしれないが、もしかしたら小さいかもしれない。

 疲れて、うまく判別できなかった。


 女性が手に持つ何かを武雄に突きつけている。

 武雄はしばらくそれを見つめ、ようやく、ハンカチを差し出されていることに気づいた。


「ありがとう。欲しかったんだ」

 武雄はかすれた声で礼を言い、ハンカチを受け取る。


 それを用いて、グランフォゾムの刀身を清めた。ハンカチは瞬時に真っ赤になった。

 だが、おかげで聖剣グランフォゾムが本来の輝きを取り戻す。


 刀身に、自分の顔が写っているのに気づく。返り血にまみれ、疲れて憔悴した自分の顔だ。イケメンでなかった。

 颯爽と現れ、村を無法者から救った勇者にしては、あまりにイケていない見た目だった。


 武雄は溜息をついて、作法通りに剣を鞘に戻そうとした。


 聖剣は鞘に戻ろうとしなかった。まるで、いまだに何かを斬りたがっているかのように、鞘に入らないのである。


 この聖剣には意志があるのだろうか?


 くそ、そんなわけがない。武雄は自分に毒づく。 


 斬り合いで、聖剣グランフォゾムの刀身が歪んだのだ。

 一晩ほど放っておけば、歪みはとれて元に戻るはずだ。


 だが今は、鞘に入らない以上、抜き身のまま手に持つ他なかった。


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