表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生者のダンジョン闘争記(コンバットDT)  作者: ツングー正法
2章 通りすがりの転生者が、よこしまな山賊を成敗して、村を救う話
16/31

16.ダンジョンとは何ですか?

 武雄は一団が峠をこえて見えなくなるまで睨んでいた。


 ……無法者か。


 危うく山賊の野営地に飛び込んでしまうところだった。全く、油断ならない。




 今見たことを解釈する為に、クラフト・キューブのもとに戻った。


「ナイドラメアの人間と接近遭遇してしまうところだった」

『接近遭遇? 他人に会うことを、そんな風に呼ぶ習慣があるのですか?』

 クラフト・キューブが怪訝な声で言った。武雄は首を振る。


「山賊だったよ」

『ええ、この辺は多いですよ。人類社会の中央政府機関、神聖ハイラム帝国の治安維持能力が及んでいないのです。ちゃんと自衛してください』

「わかっているよ」

 武雄は聖剣の柄を平手で叩いた。


「盗賊ギルドに属していると言っていた。ただのゴロツキではない感じだな?」

『ええ、盗賊ギルドとは、夜盗や山賊、海賊の同業者組合ですね。犯罪結社とも呼べます。盗み、強請り、タカり、脅迫、誘拐、暗殺、何でもござれです。ナイドラメアでも特に嫌われた集団に違いありません』


「敵に回すと厄介そうだな。やれやれ……。しかも、俺の目的地である村を襲うつもりときたもんだ……。くそ。異世界転生して、初めて会うのが、エルフの美女とかではなくて、見るからにバカで不潔な山賊の群れとは……。最高の相手じゃないか」


『あんなのがいいんですか? 不思議な性的趣向をお持ちで……』

「今のは、皮肉だ!」

 武雄は怒鳴った。


「あと、連中はダンジョンが村の近くにあるとも言っていたな。ダンジョンとはどういうものなんだ?」


『世界の各所にダンジョンは存在すると言われています。内部は謎めいた迷宮となっていて、その闇の中にはモンスターが潜んでいることでしょう』


「モンスター? 物騒だな。なんで、そんなダンジョンを、山賊はありがたがるんだ?」

『モンスターが何を守っているか想像つきます?』

「……財宝とか?」

『大正解!』


「なんでモンスターが財宝を守るんだよ? モンスターも金を使って贅沢する習慣があるのか?」

『そこは、モンスターの生態に詳しい人に訊いていただくとしまして……』

 クラフト・キューブは語尾を濁した。





 ダンジョン。モンスター。財宝。


 資本主義経済下で育った人間として、武雄は財宝やゼニが嫌いではなかった。異世界で生きるにしても、金は不可欠だろう。


 ダンジョン。それを攻略することで一攫千金を狙えるわけか。


 その一方で、ダンジョンとは、実に闘争の気配を感じさせる単語であった。


 一筋縄で攻略することはできないだろう。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ